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【紫の鏡】

1: 名前:アポロ☆10/06(月) 15:19:43 HOST:05004010617027_mg.ezweb.ne.jp



「ねぇねぇ、【紫の鏡】って知ってる?」



「え?なにそれ。紫の…鏡?」



「うん。その言葉ね、20歳までに忘れなきゃ大変なことになるらしいよ。」





━そうして友達から友達へ、恋人から恋人へ


続いていく、呪いの言葉━





9: 名前:アポロ☆10/08(水) 20:58:01 HOST:05004010617027_mg.ezweb.ne.jp
「そういえばまた20歳の子を狙った殺人事件が起きたのよ。」


私は自分の部屋に行きかけた足を止める。


「え…?お母さん今なんて?」


本当は聞こえた。

今だって、リビングについてるテレビから微かにその事件についての報道が流れてくる。


「殺人事件よー。ほら、この前もこの近くであったじゃない。今度はもっと近くよ。」


お母さんの声に私はついていたテレビの音量を一気にあげた。


『殺されたのは夢宮大学2年生の生徒で、今日の朝、夢宮大学の正門の前で遺体で発見されました。』

『気になる点がいくつかありますねぇ。』

『はい。殺された理科国子さんの遺体は前回同様にナイフではない何かで沢山きられており、手と足が離れた所で発見されました。また、国子さんは昨日、丁度誕生日の日に殺されたとみられます。』

『こりゃぁ前回と同一犯て可能性が高いですね。』


私ははっと息を呑む。


今回はアナウンサーのしゃべり方なんか気にならなかった。



頭の中に巡るのはただ、一つの言葉。




【紫の鏡】




親友からきいた、たかが迷信。


10: 名前:アポロ☆10/13(月) 12:28:22 HOST:05004010617027_mg.ezweb.ne.jp
「凛も気をつけなさいよー?絶対一人で歩いちゃだめよ。縁ちゃんと一緒に帰りなさいね。」


お母さんが夜ご飯を並べながら言う。


私はそんな忠告は耳に残らず、ただ、例の言葉だけが残っていた。


「お母さん…。」


夜ご飯を食べながら、私はお母さんを呼ぶ。


「【紫の鏡】って聞いたことある?」


お母さんがはしを止め、私を見る。

背筋がぞくっとした。


「なにそれ。聞いたことないわね。【紫の鏡】?変な鏡。」


なんだ。最近流行った迷信なんじゃん。


「そっか。」


少し、安心した。

そうだよね。【紫の鏡】って。名前からしておかしいよ。

なんか、笑えてきた。


「うふふ」

「なぁに、凛。不安そうなかおしたり笑いだしたり。気持ち悪ーい。」


お母さんがにこやかにいう。


「ははっ。ご馳走様」


元気を取り戻した私。


【紫の鏡】?

あぁあ、縁信じちゃってるよー。おっかしー!!


まぁ私もさっきまで少し信じそうになってたけどね。


11: 名前:アポロ☆10/26(日) 19:40:51 HOST:05004010617027_mg.ezweb.ne.jp
私は、自分を棚に上げて、満足しながら携帯を開いた。


なんか最近知らない間に携帯いじってること多いんだよね。悪い癖なのかな。


『新着メール一件』


『From.縁

題名 Re:


明日もいつもの時間待ち合わせね!(^▽^)


てか、ニュースみた?またあったね事件m(_ _ )m

怖いよねぇ((泣 笑』


縁か。

毎日縁とはメールしてる。


縁、【紫の鏡】信じてんだよね。

かわいそっ!!まぁおもしろいからいっか、放っといて。


返事を適当に送って、勉強してるふりしながら漫画を読んで、気づいたら夜中12時で、慌ててお風呂に入って寝た。


【紫の鏡】


目をつぶると頭の中に浮かぶ言葉。


「ははっ!!」


私はわざと声に出して笑い飛ばす。

いわば除霊みたいなもん。


まぁ別に【紫の鏡】なんて、迷信だし。誰かが適当に怖がらせようとして作ったんでしょ。

だから全然怖くないよ。


あ、そうだ!!明日誰かに言ってみようかな。


リアクションよさそうな人………

ま、適当に明日考えよっと。


12: 名前:アポロ☆10/26(日) 19:53:32 HOST:05004010617027_mg.ezweb.ne.jp
━次の日


「凛〜!!起きなさ〜い」


お母さんの呼ぶ声で、目が覚めた。

決して気持ちいい目覚め方ではないけど、目覚ましとかよりかましだと思う。


重たい目をこすり、朝食を味あわずに食べた。


「今日は帰るの何時くらいになるの?」


お母さんが笑顔で聞く。

私は着替えながら、知らない、と適当に答えた。


「行ってらっしゃい。」

「行ってきまーす」


普通の家庭と対して変わらない、朝を過ごす今日の私。


これから、縁の家に行って、呼ばなくちゃいけない。


理不尽だよね、私がよびに行って、私が一人で暗い道を歩いて。何度家の位置が逆なら、と思ったことか!!


「縁〜!!」

「あーいまいまいまいく!!」


時間に家の前で叫ぶ。

これが私の呼び方。

最初はちゃんとチャイムならしてたんだけどね。面倒くさくなっちゃって。


13: 名前:あん☆10/27(月) 09:11:11 HOST:ser359484003037119
紫の鏡って
フィクションじゃないよね
本当の話だよね...
だから今20歳前の人でこの言葉を覚えた人早く忘れなきゃ


14: 名前:アポロ☆10/27(月) 16:36:00 HOST:05004010617027_mg.ezweb.ne.jp
━【THANK YOU】━

→あん様


フィクションじゃないというか本当にある迷信ですよね(^▽^)




15: 名前:アポロ☆10/27(月) 16:48:37 HOST:05004010617027_mg.ezweb.ne.jp
私と縁はいつも通り、くだらない話をしながら大学に行った。


「おはよ〜!!凛、縁!!」


薄く化粧をした同じクラスのお姉さん的存在、中澤 百合。


「おはよー!!」


縁が笑顔で答える。


私は頭にふと、言葉が浮かんだ。


【紫の鏡】



そうだ、百合って確かまだ19歳だよね。言ってみようかな。

きっと面白い反応するよね。



「あ、そだ百合!!【紫の鏡】って知ってる??」


私がいうと縁が驚いた顔をし、百合はとぼけた顔をした。


「【紫の鏡】?」

「そう!!その言葉ね、20歳までに忘れなきゃ大変なことになるらしいよ?」


百合はまだとぼけた様子。


「え、それって結婚できないとか??」


まさかのボケ。

姉御なのにたまにボケ。

そこが百合の魅力。


「違うよ…きっともっと恐ろしい…」


わざと声を低めて、こわく言ってみる私。


「紫の…」


百合は一瞬、凄く深刻な顔をしたかと思いきや、くくく と笑い出した。


16: 名前:うぅ☆11/09(日) 20:00:16 HOST:p0145-ipad01akatuka.ibaraki.ocn.ne.jp
私、怖い話の本とかマンガ大好きですww
紫の鏡じゃなくて 紫鏡 というのは聞いたことがあります
まぁどっちにしてもいっしょでしたねwww
ごめんなさい・・・


17: 名前:あや☆11/16(日) 21:02:36 HOST:p1001-ipbf1702sapodori.hokkaido.ocn.ne.jp
あげ!

18: 名前:ぽにょ☆11/17(月) 18:19:21 HOST:202-71-73-215.ap-w01.canvas.ne.jp
怖ーい!!!ネク

19: 名前:アポロ☆11/17(月) 23:49:47 HOST:05004010617027_mg.ezweb.ne.jp
━【THANK YOU】━

→うぅ様


そうなんですか!?

私も好きです(^▽^)

主にテレビとか友達から聞くものとかですけど笑



→あや様


あげ ありがとうございます(^▽^)

更新遅くてすいませんm(_ _ )m

他の小説と同時進行で…



→ぽにょ様


怖いですか!?わわ、最高に嬉しいです(^▽^)


━━━━━



皆さま、更新遅くてすいません。

でも短編なんで絶対完結させてみせますんで笑


でもちょっと土曜日に重要なテストがありまして…


更新するのは土曜日以降になりそうですm(_ _ )m


20: 名前:アポロ☆11/18(火) 16:43:59 HOST:05004010617027_mg.ezweb.ne.jp
「縁はまだしも、凛も信じてんの〜??」


声を上げ、頭をよしよしと撫でてくる百合。




そうだよねぇ。迷信だよねぇ!!


「本当らしいんだよ!??」


縁が口をつねらせていう。

私と百合は可哀想なものをみるような笑顔で笑う。


「嘘にきまってんじゃ〜ん。証拠あんの?証拠!!」


百合は笑いながら言う。

縁が困った顔をしていたので、肩をかし、適当に話をでっちあげることにした。


「なんか最近20の子狙うニュースあるじゃん?あれ、そうらしいよ。」


もちろん嘘な話だが、縁も百合も一瞬、凄く驚いた顔をした。


「え、あは、まさかぁ。偶然偶然!!それにもし本当だとしたら、あたし寿命あと一週間じゃん!!」


怖いのも隠してるのかわざとらしく笑う百合と本当に心配している縁。


百合もちょっと信じちゃったのかな?

迷信なのに!!百合はもっと現実的な人かとおもってたからなぁ!!


私は一人でクスクス笑った。


「な、何、凛、気持ち悪い!」


百合が驚いた顔でいう。


「だって、迷信なのに百合も縁も信じてるし!!」


私は声を立てて笑った。


「ばっ!!信じてないし!!縁だよしんじてんのは!!」


縁を指さし、顔を真っ赤にして恥ずかしがる百合。




ああ!!なんて面白い。

予想以上のリアクション!!

もっと色んな人に言ってみたいなぁ。



私はいたずら心をふくらました。


21: 名前:アポロ☆11/22(土) 23:24:03 HOST:05004010617027_mg.ezweb.ne.jp
百合と別れ、縁とまた歩きだす。


「あっ!あれ、夏希じゃない!??」


遠くにクラスメイトの夏樹を発見。


私は、また、あの迷信を話してみようと駆けていく。


縁は、不安そうな顔でついてきた。


「ねぇ、凛?何しにいくの??」


縁が不安な顔で私を呼び止める。

言いたいことは大体分かる。

縁のことだから、あの迷信を何人にもいっちゃっだめだよっていうに決まってる。


「え、夏樹に話だよー。」


私は後ろを向かず、夏樹の方をみた。


「夏樹ー!」

「あー!おはよ〜!」


クラス1人気の夏樹。

確かにオーラからして人気そうで、ちょっとうらやましい。


「ねぇねぇ、夏希って、まだ誕生日来てないよね?」


期待を込めて聞く私に、頷く夏希。


「まだだよ。今度の金曜日。」


笑顔でいう夏希。

私は、にっと笑う。


「ねぇねぇ夏希、【むらさ…」

「凛!!言わない方がいいって!」


突然割り込んできた縁。

予想通りの言葉に、苦笑いする私。


「大丈夫だって。私らも聞いてんだし、百合だって聞いてんだし。迷信だよー。」


縁は強く首をふる。


「違うもん!だって…」

「え、何何?何の話?教えて教えて?」


夏希が縁の言葉を遮って笑顔で聞く。


「ほら。夏希が聞きたがってるんだし。」


私は勝ち誇った顔で言ってみせた。

縁はまだ何かいいたげな顔してる。


「後悔してもしらないよ。」


納得いかない顔でボソッという縁が、私と夏希両方にいう。


「大丈夫!後悔しないよ。」


笑顔でいう夏希。

この笑顔がモテる秘訣かぁ。


22: 名前:アポロ☆11/27(木) 17:00:09 HOST:05004010617027_mg.ezweb.ne.jp
「あのね、夏希、【紫の鏡】って知ってる?」


私が夏希にそういった瞬間、縁はため息をついた。


「【紫の鏡】?きいたことないよー?」


相変わらずの笑顔で答える夏希。


どんな反応するかちょっと楽しみ。


「その言葉ね、20歳までに忘れなくちゃ大変なことになるらしいよ。」


私はイタヅラに笑い、縁は少し怒ってるように見えた。


「え〜!私、誕生日しあさってなんだけど〜。」


笑いながら言ってるから、多分まともに受け取ってない。


つまんないけど、きっとこれが普通の反応なんだよね。

縁がおかしいんだよ、きっと。


「え…!!しあさってなの!??」


少し遅れて反応したのは縁。

私と夏希の顔を交互にみる。


「うん!てかもし、しあさってなんかあったら弁証してよ〜。」


ふざけ半分で笑いながらいう夏希。


心配そうな顔の縁と、次は誰に言ってみようか考えている私。


「次誰に言おうかなぁ…」


私がぼそっとつぶやくと、縁は素早く反応してきた。


「ねぇ、縁、聞いて…━」

「誰ならリアクションおもしろいと思う?」


友達から説教なんてされたくなくて、言葉を遮る私。


23: 名前:アポロ☆12/19(金) 12:37:40 HOST:05004010617027_mg.ezweb.ne.jp
上の訂正

×「ねぇ、縁、聞いて」

○「ねぇ、凛、聞いて」

です


ο.゜+'。更新


「ねぇ、凛てば…━」

「あ、麻木(アサギ)だ!麻木、どんなリアクションするかなぁ!」


私は縁の話を無視し、丁度前を通った麻木に話しかけに行く。


「ねぇねぇ、麻木!今何歳だっけ!?」


19歳でありますようにと願いながら聞く私。


「まだ19や。もーすぐ、てか、明後日、誕生日やから、お前らもパーティーこいや。」


お調子者キャラで関東人の麻木が関西弁でいう。


「ねぇねぇ、【紫の鏡】って知ってる?」


私が本題をだす。

縁は止めようとしたが、少し遅かった。


「【紫の鏡】ぃ?なんやそれ。プレゼント?それやったら俺、赤がすきやから、赤い鏡にしといてーや。」


笑いながらいう麻木。


麻木にはどーなるか教えなくていっか。

言ったらうるさいだろうし。


私は笑いながら、麻木のもとを離れた。


24: 名前:アポロ☆12/20(土) 13:20:38 HOST:05004010617027_mg.ezweb.ne.jp
クラス全員に言ってみようかな。


私は、クラスに行くなり、周りの人から順に、殆ど全員に言った。


「ねぇ、凛ってば、聞いてよ!!」

「あー、村田さんどうしよう。なんか言ってもつまんなそうだし。」


縁がまだ隣で何か言っているが、私はスルーし続けた。


そして、クラスの村田さん以外の全員に【紫の鏡】のことを伝えた。


予想外にみんな反応が面白くってね。


中には、明日誕生日なんていってる人もいたよ。あの焦った顔、面白かったー。


あ、なんで村田さんには言ってないか?

村田さんって、スッゴく静かで、暗いから、友達いないんだよね。


そんな人に言っても絶対リアクション小さいし。村田さんとしゃべってるとイライラするからね。


「ねぇ、凛、もうやめようよ…」


縁がいう、私は少しイラつきながら言った。


「はいはい、わかったから。てか、縁が最初に私に言ってきたんじゃん。」


少し、恨みに感じていたこと。


「ごめん…そんときは知らなかったの。」


縁が顔を歪める。


「何を?」


怒りで声を張り上げていう私。


「あの迷信、本当だったの…」


恐れのような悔やみのような顔でいう縁をみて、私は笑いだした。


まだ言ってるよ、縁。

迷信だから。あんなの。


「どうせ、テレビでやってた事件を見て思ったんでしょ。」


私は馬鹿にしたように笑った。


「それもあるけど…」


縁が口ごもる。


「あたしに、この迷信教えくれた子、昨日、20歳の誕生日で……昨日の夜、誰かに殺されたの。」


縁が言う。


背筋が一瞬凍ったようにつめたくなった。


「そ、そんなの偶然でしょ…最近治安悪いし…?」


自分でもわかるほど、笑顔が引きつる。


「でも、その死体が……凄い変死なの。ありとあらゆる毛が落ちてて、手も足も有り得ない方向に…━」

「言わないで…!!!」


冗談でしょ?って、笑っていうつもりだったけど、全身が震えて、上手く声がでなかった。


25: 名前:なな☆12/26(金) 01:46:28 HOST:ser355286010850598
オモロォ!!!
あげ

頑張って下さい!!!!!


26: 名前:アポロ☆12/28(日) 00:09:52 HOST:05004010617027_mg.ezweb.ne.jp
━【THANK YOU】━


→なな様


面白いだなんて(*^ー`*)ノ


ありがとうございます(^▽^)


他の小説とかけもちで、更新げき遅ですけど、気が向いたときにでも来てください(^▽^)


27: 名前:アポロ☆12/29(月) 14:03:26 HOST:05004010617027_mg.ezweb.ne.jp
嘘でしょ!?


だって、もしそれが本当だったら…


あたしは…


あたしは………


「なんでそれ早くいってくれなかったの!??」

「だから昨日の夜わかったんだってば。」


理不尽な怒りをぶつけるあたし。


そう、悪いのは私。


もし、クラスメートがみんな20歳の誕生日に死んだのなら、



それは……私が殺した。





きがつけば、教室から、廊下から、中庭から…聞こえてくる言葉、【紫の鏡】。




ある人は冗談混じりに、ある人は神妙に、人から人に伝わる、呪いの言葉。





その日私は、生まれて始めて授業をサボった。




みんなに合わせる顔がなくて…



会ったら、「殺人鬼」と呼ばれそうで…



次に学校に行ったときには、もう誰もいない気がして




…怖かった。




「あら、凛、今日は早いのねぇ。」


あたしとは反比例して明るいお母さん。


私は答える気もせず、ベッドに潜り込んで、震えてた。




━ズーっズーっ


机の上でなる携帯のバイブ音。



あたしは、「殺人鬼」と呼ばれることを恐れながら携帯を開く。






しかし、そこにあったものは、あたしが考えていたものより、更に惨いものだった。


28: 名前:アポロ☆12/29(月) 14:27:47 HOST:05004010617027_mg.ezweb.ne.jp
━━新着e-mail一件

━━涼太




………!!?



あたしの中に衝撃が走る。

『涼太』、それは私の初めての彼氏。

前のクリスマスから付き合い始めたから、約8ヶ月付き合ってる。




━件名:早退なんて珍しいね。大丈夫?


━本文:今日麻木からきいたんだけど、凛、麻木に紫の鏡あげるんだって?

麻木がお前に、赤いのにしてくれっていえってうるさいんだよねm(_ _ )m笑







普段なら自然と微笑んでしまうような無邪気な内容。


なのに、その無邪気な文面にさえ、あの、呪いの言葉が書いてある。




あたしは、改めて罪の重さを知った。



まだ、百合や夏希や縁やあたしのように、この言葉の意味を知っているならいい。

意識できるから。




でも、麻木や、涼太は、何も知らず、ただのプレゼントだと思って、何度も何度もその呪いの言葉を繰り返すんだ…


お互いを死に追いやってるなんて知らずに、ただ純粋な心で…繰り返す。





急いで、「その言葉忘れて」と返信しようとして、手が止まった。






彼の、涼太の誕生日は9月9日。
















…そして今日は9月8日。






もう、知らせるには遅すぎた。


29: 名前:アポロ☆12/29(月) 16:17:03 HOST:05004010617027_mg.ezweb.ne.jp
ο.゜+'。

今気づいたけど…


見事に一人称が『あたし』と『私』ありますね…


『私』に統一しますね(^▽^)


ο.゜+'。


30: 名前:瞳夢☆12/30(火) 16:56:01 HOST:zaq3a55996d.zaq.ne.jp
怖いィ(>_<)

頑張ってね!!!


31: 名前:アポロ☆12/30(火) 23:16:56 HOST:05004010617027_mg.ezweb.ne.jp
━【THANK YOU】━


→瞳夢様


怖いですか(^▽^)

嬉しいです(^▽^)

ありがとうございます!


32: 名前:アポロ☆12/30(火) 23:32:46 HOST:05004010617027_mg.ezweb.ne.jp
うそ…うそ……うそだ…


私は明日の涼太の誕生日プレゼントに用意していたマフラーを握りしめる。


うそだ…

そうだよ、嘘だよ…きっと

縁が冗談いってんだよ。

私を驚かそうとして。

きっとそう。



そう、言い聞かせてみるも、指はまだカタカタと震えている。


返信…返信うたなきゃ。


━宛先:涼太

━件名:無題

━本文:明日、朝、涼太の家、むかえにいくから。渡したいものあるんだ(^o^)/




精一杯明るい文面を送る。

返事はすぐ、帰ってきた。


━件名:Re:

━本文:え?だったら俺がお前んち行くべきでしょ。何時に行けばいい?


涼太の優しさ。

普段なら甘えさせてもらうけど、今回はそれどころじゃない。

私の家にくるまでに何かあったら……




…とにかく明日、涼太を一人にしちゃいけない。


━宛先:涼太

━件名:だめ(^▽^)

━本文:私が行きたいの!涼太は待ってて。絶対家で待っててよ?じゃなきゃプレゼントあげないからね( ̄ ^  ̄)


私は震える手で素早くうつ。

涼太も、わかった、と返事を返してきた。




明日は一日中涼太についていなくちゃ。


別に、あの迷信を信じてるわけじゃないけど…


不吉な予感がするの。



私は縁に、明日一緒に行けないとメールをうち、ベッドに入る。


33: 名前:アポロ☆12/30(火) 23:45:56 HOST:05004010617027_mg.ezweb.ne.jp
その夜はなかなか寝付けなかった。


目を閉じると、不吉な想像ばかりしてしまう。




あぁ、私は自分で思ってるより、意地っ張りで強がりでチキンだ。


怖くないふりして実際、凄く怖い。




なんて私の考えは甘かったんだろう。




もし迷信が本当でも、涼太は他のクラスだから大丈夫、勝手にそう思ってた。




涼太だって友達は沢山いる。


私のクラスの人だって涼太の知り合い沢山いるのに、どうして私は涼太には広まらないなんて確信があったんだろう。




麻木から聞いたって涼太、言ってた。


でも、麻木はちっとも悪くないんだ。

麻木はただ、友達として、涼太に頼みごとをしただけ。

そして、涼太はそれを素直に私に伝えただけ。


悪いのは……


私に伝えた縁でもない。


私と縁が逆の立場でも、やはり私は縁に言ってたと思う。




悪いのは…




全部悪いのは……




左海 凛。

そう、私だけ。悪いのは私だけ。




私が何かやって取り返しがつくなら、なんだってやる。


昔映画でみて、わざとらしいと思った「取り返しがつくなら、私の命でもなんでも差し上げる」という心境が、初めてわかった。





でも、結局は祈るしかできない。


精一杯一緒にいることしかできない。


34: 名前:アポロ☆01/11(日) 11:20:54 HOST:05004010617027_mg.ezweb.ne.jp
9月9日の朝は、いかにも秋らしい、すがすがしい空だった。


私は焦る気持ちを抑え、急いで支度をする。


いつもより1時間早い出発。


こんなことしてる間に、涼太が苦しんでいたらどうしよう…


なんていう、不吉な思いが頭をめぐる。


きれいな一軒家。

私は涼太の家の前まできた。


初めてこの家にきたのは2か月前。

そのときは、涼太のお母さんに会う緊張で、ドキドキしてた。

けれど、今は、違うドキドキが全身をおそう。




━ピーンポーン


震える手でチャイムを鳴らす。



「…………。」


家の中からは物音一つしなかった。



嫌な予感が私をまさぐる。



━ピーンポーン


震える手でもう一度押す。


「………。」


しかし、何も反応は起きなかった。




なんで……なんで誰もチャイムに出ないの…?


みんな…いないの?




それとも…いるけど…動けない…




私は不吉な予感を遮り、ドアを叩く。




━ピンポーンピンポーンピンポーン



「…………。」



━ガチャ



突然、扉が開いた。



「お前、朝からうるさいし。」


出てきたのはあからさまに寝起きな涼太。


「りょ……涼太!?」


私は驚きで叫ぶ。


「はーい?」


涼太は笑顔でいった。


「だ…大丈夫なの…?」


安堵と驚きで涙があふれる私。


「いや、俺的に凛のほうが心配なんだけど。朝からわめいたり。」


涼太が笑いながらいう。


「ちょっと待ってて、着替えてくる。あ、家ん中入っててもいいよ。」


涼太はそういうと、勢いよく階段を上り、自分の部屋にいった。


35: 名前:アポロ☆01/13(火) 16:36:32 HOST:05004010617027_mg.ezweb.ne.jp
そんなに待つこともなく、涼太は着替えて降りてきた。


「お待たせ!」


涼太が笑顔でいう。


もしかしたら涼太は、あの言葉を忘れているのかもしれない。


涼太には麻木のプレゼント、あんまり関係ないし。


私は少し、期待しながら、また、少し不安で。

だけどまだ、ただの迷信という考えもめぐっていた。


「今日は、涼太、誕生日だね。」


私がカバンをあさりながらいうと、うん!といいながら涼太が期待に目を輝かせていった。




かわいいなぁ。

普段はかっこいいのに、たまにでるこの子供みたいなかわいさに惚れたんだよなぁ。



「プレゼント、ほしい?」


私が笑っていうと、涼太は強く頷いた。


「じゃあ、あげる!」


私はプレゼントを渡す。


「なんだろー!」


涼太はわくわくがとまらないかのように私のプレゼントを丁寧にあける。



気に入らなかったらどうしようと、ドキドキする私。


「マフラー!」


涼太は中身をみた瞬間、本当に嬉しそうに私のほうをみた。

気に入ってもらえて安心する私。


このマフラー、自分で涼太にあう色の毛糸かって、編み物初心者なりに本を見ながら頑張った。


「一応、手作り。」


照れながらいう私。


「うはー!!すげぇ、凛!サンキュ!早速つけんね!」


涼太がさらに嬉しそうに袋からだし、自分に巻いてみせた。


「どー?」


涼太が見せびらかすようにいう。


「似合ってる!」


私は笑顔で返す。


ほんのり暖かい秋晴れ。

こんな幸せがずっと続けばいいなと思った。


36: 名前:みみ☆01/14(水) 02:26:25 HOST:p4048-ipbf504sapodori.hokkaido.ocn.ne.jp
かいてー

37: 名前:アポロ☆01/15(木) 23:28:16 HOST:05004010617027_mg.ezweb.ne.jp
━【THANK YOU】━


→ミミ様


亀更新ですいません(^▽^)

今から更新しますね


━━


38: 名前:アポロ☆01/15(木) 23:38:36 HOST:05004010617027_mg.ezweb.ne.jp
楽しい会話も終わり、大学につく。


いつもより早くついたものの人は沢山いる。


ここまでくれば人も沢山いるし大丈夫だろう。


あとは帰り、またお迎えに来なくちゃ。


「涼太!帰りも一緒にかえろ?」


私が笑顔でいう。


「て…照れるなぁ。なんか凛いつもと違う!」


涼太は顔をほんのり赤くして言う。


「別に、いつも通りだよ。あ、授業終わったらすぐメールしてね!」


私は少しの不安を隠しながらいう。


「りょーかい!!じゃな。」


涼太は楽しそうに笑いながら後ろ向きに手をふった。


私は、建物に入るまでその姿を見守る。


「何々!?彼氏とデートすか。」


突然後ろから縁の声がして驚く。


「そーだけど何か?」


私が自慢気にそういうと縁はわざとらしく悔しい顔をしてみせた。


「いいですねーラブラブはー!!」


イヤミったらしくいう縁。

あの迷信を忘れてんじゃないかというくらいの明るさだった。


39: 名前:アポロ☆01/25(日) 15:07:40 HOST:05004010617027_mg.ezweb.ne.jp
「おはよっ!」


後ろから声がして私たちは振り返った。


「あの迷信ね、隣のクラスの子にいったら、すんごい怖がってたよ!」


人気者、夏希だった。

縁が焦った顔で私を見た。


でも、まだ本当かどうかわかんない迷信だし…

きっと…大丈夫だよね…?


「ちーっす!何の話してんのや?」


朝からテンション高くきたのは麻木。


「凛から聞いた怖い迷信だよ!」


夏希が笑顔でいう。


「へえ!どんなん?」


麻木が興味津々に聞く。


麻木は確か、あの言葉の迷信を知らない。

ただ、私から贈られるプレゼントだと思っているんだろう。


「えぇ?凛から聞いてないの?あのね、…━━」

「あぁあぁ!夏希!」


夏希が話しだそうとしたとき、縁が遮った。


「なんや、右京?」


縁が真剣な顔で夏希を見る。

夏希と麻木は心配そうに縁をみた。


「言わない方がいいよ!麻木、明日誕生日だし。」


縁がなんと言えばいいのか困った顔をしたから、私がフォローする。


「それもそうだねー!」


夏希が頷きながらいう。


夏希が物わかりのいい子で良かった。

優しい子で良かった。


普通なら、いくら迷信だからといって、自分の恐怖心に負け、道連れをつくろうとしたに違いない。


夏希の誕生日は明後日なんだし。


「なんや?なんや?」


麻木が不思議そうな顔をする。


「秘密ー!」


夏希がからかうように言った。


ちょうど授業が始まる時間になったから、納得いかないような顔で麻木は離れていった。



ずっと隠してることが麻木のためになるかはわかんないけど、万が一のとき、話題にふれなかったら麻木、あの言葉わすれられるかもしれないし。


40: 名前:レモン☆01/25(日) 20:53:15 HOST:ser355286010850598
紫の鏡の話知ってます


女の子が鏡に紫で
落書きしたら落ちなくなって

ムラサキカガミと
念仏?をしたら
移ったとか


紫の鏡ににてる話も
知ってます


イルカ島

二十歳になるまえに
忘れないと電話で
殺されるらしい


41: 名前:アポロ☆01/27(火) 17:18:28 HOST:05004010617027_mg.ezweb.ne.jp
━【THANK YOU】━


→レモン様


わぁ!様々な情報ありがとうございます!


多少、本当の迷信と違うところもあるかもしれませんが、まぁ…そこは気にせず…よろしくお願いします


━━


42: 名前:アポロ☆01/27(火) 17:41:39 HOST:05004010617027_mg.ezweb.ne.jp
授業が終わり、寝ている縁を置いて、涼太を迎えに行く。



迷信だとわかっていても、やっぱり不安で……


階段を駆け下り、建物を出る。











━そのときだった。













「ぎぃいやああぁあぁぁあ!!!!!」









凄まじい、悲鳴が、大学中を包んだ。




「なんだなんだ?」





学生達が皆、一つの場所に向かって行く。





私もその学生たちについて行った。









たどり着いたのは、朝も二人で通った場所。









木の下には女学生が震えながら木を指差す。










私はその指先をたどる。









足の通っていないズボン。




腕の通っていないセーター。









そして、目のない顔が、笑っていた。









人間だったとは思えないおぞましい姿と、異臭で、私は吐き気がした。





直視できなかった。

他の野次馬たちもそうらしく、静まり返っていた。






勇気を出し、もう一度、木にぶら下がった、手足のない人形のようなものを見る。




「…ぁ……」









見て、私は後悔した。






見なければ良かった。





見なければ気づかなかったのに…









私が、自分の手で編んだ、毛糸のマフラーに


43: 名前:アポロ☆02/15(日) 00:19:16 HOST:05004010617027_mg.ezweb.ne.jp
さっきまで一緒にいた彼は……すっかり変わってしまった姿で、私が編んだマフラーからぶら下がっている。




口元だけは、朝と同じように、あどけなく、優しく、笑っている。





「ぁ……ぁ……ぁあ、あ、あ…」


私は声にならない声を出し、後ろに下がる。





「お、凛やないか!」




丁度人ごみを抜けたすぐぶつかった男。




「あそこ、みんな集まっとるけどなんかやってるんか?」




麻木が…何も知らない麻木が、笑いながら聞いてくる。





その笑顔と一瞬、さっきの変わり果てた彼の死に顔が重なる。



「ぁ…あ…ぃ、い、いやぁあああああああ!!いやぁああああああ!!!!!」





私は何も考えられず、走りだした。





「凛!」



隣から縁が話しかけてくるのが見えたが、気にせず、叫びながら走り続ける。








彼から………なるべく離れたかった…。





「り、はぁはぁ、凛!凛!」







立ち止まった私に向かって息を切らしながら走りよってくる縁。







「ぅ、うああああ!」






私…私のせい…



私が流した迷信で




私が編んだマフラーで




彼は………


涼太は………









死んだ。








縁がつかれで顔を歪ませて息をきらしている。









縁も、あの迷信しってるし、百合も、麻木も、夏希も、他のみんなも、私も……知ってる…。







これは…………………きっとまだ序章…………






これから………何があるの………?






怖い…………怖いよ……


私が流した迷信。無責任だけど……………私だって………涼太のようには、死にたくない…


44: 名前:アポロ☆02/15(日) 21:18:35 HOST:05004010617027_mg.ezweb.ne.jp
━━縁サイド━━


「凛!!凛!落ち着いて!!」


私が声を掛けると凛は息をあらく、こちらをみた。




「り…━」

「私が!!!………私が、私が………涼太を、こ……殺し…」


凛が震えながらいう。

瞳孔は開ききっていた。




凛の彼氏、涼太が、死んだらしい。


直接みたわけじゃないけど、聞こえた。




凛、凛はきっと自分をすごい責めてるよね。




「凛。」




でも、違うよ…?



凛は、悪くないよ。



凛が悪いんだとしたら、私の方がもっと悪いし、私に伝えた子の方がもっともっと悪い。



でも、そんなの問題じゃないの、今は。誰が悪いとか、そんなんじゃない。




一番悪いのは、その迷信自身。私らの、誰でもないよ。






「涼太は、きっと幸せだったよ。」




何言ってんだろう、私。

殺されるのが幸せなわけないじゃない。




でも、今は、慰めの言葉がそれしか思い浮かばない。





━━


45: 名前:アポロ☆02/15(日) 21:45:52 HOST:05004010617027_mg.ezweb.ne.jp



どうやって帰ったのか、覚えていない。


ただ、気がついたら、家にいた。




「ココアいれたわよ。」



お母さんが、優しい声で入ってくる。




そんなに……優しくしないで……?



私…本当に、殺人鬼になっちゃったんだよ。




「ここに、置いておくわね。冷めないうちに飲むのよ?」




お母さんは、知ってるだろうに、涼太の話には触れずにいつも通りに接してくれた。




机にはまだ、プリクラとか、写真とか、メールとか、プレゼントとか……涼太との思い出が、沢山、沢山乗ってて…



当分、見れそうにありません…




明日は、麻木の誕生日で…明後日は夏希の誕生日で…その次は…





時間が、たつのが、怖いです…










「━…ん」


「━り……ん」



「凛ってば。」




私は目をこする。



「え、あれ?涼太…?」


「はーい!」


目の前で涼太はにっこり笑った。


「涼太…生きてたの…?何で…ここに……?」


私はまた、涼太に会えたのが嬉しくって、嬉しくって、泣きそうになった。



「凛にさ、会いたくって。」


涼太が照れ笑いしながら言う。


「私も、涼太にまた会えたのが嬉しいよ!明日も、一緒に、大学、行こうね!!」


私がいうと、涼太は少し悲しそうな顔をした。




「涼太…?」


「凛。」



涼太が、急に真剣な顔をする。




「俺は、悲しくないよ。」


「え?」


「俺は、凛を、憎んだりしないよ。」


「え、何、涼太、何かわかんないよ!」


「俺は大丈夫だから。」




涼太は一回にこりと笑うと、また、真剣な顔をした。







「悲劇が、起こらない方法が、ひとつだけある………俺からは、何も言えないけど、凛、なるべく早く、それを、さがすんだ……」






涼太の姿がぼやける。




「りょ…た…?」










「お前だけでも……死ぬな。」


46: 名前:アポロ☆03/11(水) 16:49:54 HOST:05004010617027_mg.ezweb.ne.jp








「もう、時間だけど、どうする?今日、行く?」


お母さんの優しい声で私は起きた。




今のは…夢だったんだ…

やっぱり辛いことは現実で…




でも、涼太はちっとも私を恨んでなかった…

私が悪いのに、恨んでくれなかった…

優しすぎるんだよ。

なじってくれた方が、よっぽどつらくなかった。





『悲劇が、起こらない方法が、ひとつだけある。』




ほんとは大学は行きたくないけど、行かなきゃ。

そして、みんなを助けるの…


…それが、優しい彼の最期の望みだから。


「ううん、今日、大学行く。」


お母さんを心配させないように笑顔でいった。


「え、でも…」

「行かなくちゃいけないの。」



私が言うと、お母さんも無理して笑って、ご飯作るね、と部屋を出て行った。




今日は、涼太の親友、麻木の誕生日…


守らなきゃ。


一人でも多くの命を。


47: 名前:アポロ☆04/01(水) 14:54:17 HOST:05004010617027_mg.ezweb.ne.jp
「おはよ、縁!!」


私は精一杯の笑顔で言う。

縁は心配そうな顔で私をみた。


「縁…、あの迷信を解く方法って知ってる…?」


私が聞くと、縁は泣きそうな顔で首をふった。


「あるらしいの。探さなきゃ…今日中に。」


私がつぶやいた、そのとき


「ちわー!!なんやおまいら元気ないやんけ!!今日はめでたい日やでー?」


麻木が元気よく話しかけてきた。

どうやら、麻木は涼太が死んだというのを聞いてないらしい。

今日が麻木の誕生日だからという、誰かの配慮だろう。


「今日、誕生日パーティーやんねん。お前らもこいや。」


麻木が嬉しそうに言う。

私は今、麻木が生きてる、ということが嬉しかった。


「お前、俺になんかくれる言ってたけど、何やったっけ?昨日から思いだせんのや。」


麻木が頭をぽりぽりかきながらいう。


私と縁は顔を見合わせた。



よかった、麻木、あの言葉を忘れてる…!



「まぁ、とりあえずパーティー行くからね!」


私と縁は麻木にそういい、授業に向かった。


48: 名前:アポロ☆05/10(日) 12:30:47 HOST:05004010617027_mg.ezweb.ne.jp
明日まで、どうか明日まで、あの言葉を忘れていて。


そんな願いをしながら授業をうける私。


人が、学内で一人死んだっていうのに、そこから遠い校舎では普段通り授業をやっている。




みんな、もう忘れてしまったのだろうか……涼太を。


私も、死んだら、忘れられてしまうのだろうか。




『お前だけでも生きろ。』




涼太の声がこだまする。

こんなに、いい人なのに、恐ろしい迷信が……





休み時間は、パソコンをずっといじり、迷信の対処法を調べていた。



だけど、ヒットはない。


図書室で迷信の本を読みあさっていた。



でも、その迷信だけは、避けているかのように触れられていなかった。





こういう日に限って、時が流れるのははやい。





気づけばもうすぐパーティーの時間だった。


49: 名前:アポロ☆05/13(水) 20:01:18 HOST:05004010617027_mg.ezweb.ne.jp
━━麻木サイド━━


俺の誕生日だってのに、涼太からは連絡なし。


サプライズでもしてくれるんか!?なーんつって。




みんなも今日は先に帰ってしもうた。


とかいって、本当はきっとサプライズ企画なんだろーな。


ぶっちゃけバレバレだっつの。
パーティー道具カバンからはみ出してたし。




あぁ、毎日みてんのに、この道。


今日は明るく見えるわ!





どーしよ、どんなリアクションしよう。




まず俺んち帰るだろ?「ただいまー」とかゆって。


きっとみんな慌てて隠れるよ。


俺はなんも知らないふりして適当に母ちゃんとかに話しかける。



そこに涼太達がでてくる。クラッカーとか持って。



俺は心底驚いた顔をしてとぼける。



「みんなお前の誕生日だからって集まったんだよ。」とかなんとか涼太は言ってくれるだろーなー。



で、きっと左海とか右京とかが「ケーキ買ったよー!」とかいって。




突然電気消してハッピーバースデーをみんなが歌ってくれて、俺がろうそくに息をふきかけて火を消す、と。




そしてみんなからの拍手。





そして涼太が一歩前にでて、「ハッピーバースデー!これからも仲良くしてくれよな。ずーっと一緒だぞ。死ぬまで仲良くしよーな!」って言って、俺は「死ぬまでじゃねぇよ。死んでからもずーっと一緒や!」とか言っちゃうと。



もー涙ほろほろだろーね、涼太。




そいえばプレゼント、涼太何くれるんだっけ?




あ、そうそう、財布だ。俺が財布壊れて困ってたから。





たしか田中は文房具セットで、山中は靴下で、右京は確かベルトだっけか。





左海なんだっけ…





なんかくれるって言ってくれて、俺がそれはやめてくれ、違うのにしてくれって頼んで…







なんだっけ……あ、そうだ、赤にしてくれって頼んだんだった…



何色から?白?黒?緑?青?


……………紫…………そう、紫だった。


50: 名前:アポロ☆05/20(水) 16:22:25 HOST:05004010617027_mg.ezweb.ne.jp
なんやったっけ…紫の……。


俺、こうゆうの思い出せないとムズムズすんのや…。


紫の…?


メールで聞いてみよかなー。


でもプレゼント楽しみにしてんのあからさますぎてカッコ悪いしなぁ…



なんやったっけ…。



うわぁ道端にいやなギャルズ集団いるわぁ。

まじお前らのせーでどんだけ道掃除の人大変になったと思うとんねん。



あぁあ。ケータイいじっちゃって。

チャラ男とデートか?



おめかししこんで。睫の長さ人じゃないぞ。

鏡もそんな凝視せんでええやん。イケてると思っとんのか?









…ん……?





鏡?




そーいや、だれか鏡くれるゆうてたっけ…?





あ、そうや、左海や!


左海が紫の鏡くれるゆうたんやった!







辺りがふっと暗くなった。






やばいやばいもう暮れてきちゃったやんけ。


それにしても、今日は寒いなぁ。






ていうか左海、センス悪すぎやんか。









紫の鏡…て………っ………












51: 名前:アポロ☆05/24(日) 10:58:12 HOST:05004010617027_mg.ezweb.ne.jp
━━


「遅くね?麻木。」


待ちくたびれた誰かがそう呟く。


もう麻木の家で飾りをつけおえ、ケーキもプレゼントも用意してあった。


私の"赤い鏡"は0時を過ぎたら渡そう。

まだ、麻木は忘れていたから、あの言葉を。


「もうとっくに帰ってきてもおかしくないよね。」


また、誰かがため息をつく。






嫌な………予感がした。






「ちょっと、私見てくる!!」


涼太が死んだ時と同じ、嫌な予感が全身を巡った。


「ちょっと…!凛ー!?」


夏樹が私を呼び止めようとする。



でも、それどころじゃないの…


もし麻木が…麻木が…



悪い方へ悪い方へと思考がいく。


全力で麻木が通りそうな道を走った。






暗い道に、一つ電灯。




その下に、立っている人影があった。








「はぁ、はぁ…あ…麻木?なにしてんのここで?はぁ…みんな、心配、してるよ?」



息を落ち着かせようとしながら私は麻木に話しかける。


しかし、聞こえないのか後ろを顔だけ振り向いたままで、こちらをみようとしない。


私は麻木に近づいていった。


「麻木。麻木ってば聞こえて………!!???」











麻木は、聞こえてるはずがなかった。




もう、あの麻木は、どこにもいなくなってしまった。


52: 名前:アポロ☆06/19(金) 13:13:42 HOST:05004010617027_mg.ezweb.ne.jp
立ったままの死体は…初めてみた。






麻木は、振り返って笑ったまま、死んでいた。







まるで、今にも動きだしそうな………




まるで今にも、「今、びっくりしてたやろ!?」としゃべってくれそうな……







でもその見開いた瞳には輝きはなかった。




薄い唇や健康的だった肌は、冷えた色にかわっていた。









そして、心臓があったところには、ぽっかりと穴があいていて、そこから赤い血がピチャ…ピチャ…とたれている。












「ぁ…ぁ………あさ…ぁ………」


私は声にならない音をだし、後ずさりした。







明るい電灯が一つ、麻木とその下にたまる赤い水たまりを照らしていた。







━ピ…ピポ…ピ




ふるえる手でボタンを押す






━トゥルルルルトゥルルルル


「はい、もしもし。」

「ぁ……ゆか…縁…?」

「ん?よく聞こえない!夏樹だよー!だれ?凛?」

「ぁ…な……つき…」

「麻木と会えたの?今どこー?」

「ぅ……ぅぁ…あ…あさ…」

「おーい?よく聞こえないよ?…て、あ、ちょっと、縁!??」


━ガチャ。ツーツーツーツー


53: 名前:アポロ☆06/19(金) 15:33:09 HOST:05004010617027_mg.ezweb.ne.jp
━━縁サイド━━


麻木が来ないだけじゃなく、迎えに行った凛まで帰ってこない。





みんなが待ちくたびれた頃、電話がかかってきた。





夏樹が出る。

相手は凛らしいがよく聞こえないらしい。








『涼太くんらしいよ、あっちで死体が発見されたんだって』



『私が!!!…………私が、私が………涼太を、こ……殺……』



『【紫の鏡】って知ってる?』



『なんやおまいら元気ないやんけ!!今日はめでたい日やでー?』






突然、頭に流れてくる言葉…。



嫌な、嫌な予感がする。






気づいたら私は、道もわからないのに麻木の家から出て走っていた。







「はぁ、はぁ…っ凛ーーー!どこーーーー?」




走りながら叫ぶ。





どうか、彼女に悲劇を再び見せないで…



凛はこのあいだ彼氏を失ったばっかりで…



その傷を癒やすのには凄く時間がかかるの…




今、もしまたここで…何かあったら…








嫌な考えが走っているとき中流れる。










「はぁはぁっ…凛ーーーーー!!!どこーーー!??はぁ……!?」





泣き声が、微かに聞こえた。






「凛!?り……!!!?」








54: 名前:アポロ☆06/19(金) 20:25:43 HOST:05004010617027_mg.ezweb.ne.jp
そこで私が見た光景━━


それは暗闇の中の一筋の明かり。




その下でしゃがみこんで震えている親友…





赤い水たまり…





そして立ったまま動かないお調子者…





一瞬、すべての音が途切れた気がした。







「っ……凛っ!!」



私は凛のところに駆け寄る。




「ちょっと、ゆか……り……!?」


後ろから沢山の足音がした。

みんなが走って追いかけてきたんだ。





みんな、何も問わずにも、状況を察してしまった。







「りょ…た……りょた………あさ、麻木………が…」


凛が呻いている。


きっとまた、自分のこと責めてる。






私はケータイから警察に電話した。









「凛のせいじゃないんだからね?…私だって悲しいけど……今は解決方法を考えなきゃ……みんな………みんながこうなっちゃうよ…?」



私がそういっても、凛は何も返事をしなかった。





ただ赤いしずくが垂れるのを震えながら見つめていた。






私は夏樹を見た。





本当は、明日誕生日な自分が一番怖いはずなのに……みんなを慰めている。




私はもう一度麻木を見て、唇を噛み締めた。






━━━


55: 名前:ちいか☆06/20(土) 10:49:57 HOST:ser353719020521827
あげるだよ

























クスクス…




ツギハアナタヲイタダコウカ


56: 名前:メロン☆06/20(土) 11:05:19 HOST:p1179-ipbfp304wakayama.wakayama.ocn.ne.jp
アホー

57: 名前:アポロ☆06/20(土) 21:27:35 HOST:05004010617027_mg.ezweb.ne.jp
━【THANK YOU】━


→ちいか様


ふ、普通に怖いんですけど(・д・ノ)ノ


とりあえず、あげありがとうございます。


━━



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