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レス数が450を超えています。500を超えると書き込めなくなるよ。
【今宵、星の降る空の下で】

1: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/15(金) 00:39:44 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
╋━━━━━━…‥★・゚


「っ…嫌だよ……もう」


――こんな形でしか、手に入れられなかった。


「やっ…もう止めてよ…!」


――俺だって、こんなの望んでいた訳じゃないのに。


「…ゆ…や……優夜ぁ!!」


――その唇で汚れた俺の名を呼ぶ君が愛しくて、狂おしい。


【今宵、星の降る空の下で】


2: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/15(金) 00:41:08 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
╋━━━━━━…‥★・゚


零れる涙は枯れることを知らないらしい。


愛らしい瞳から、光の粒が次々と流れ落ちる。


俺はYシャツを羽織ると、まだベッドで放心状態の彼女に目を遣った。


如月 梨花【きさらぎ りか】


俺がずっと欲しかった女。手には入れた女。






――“無理矢理”という形で。


3: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/15(金) 00:51:46 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
╋━━━━━━…‥★・゚


「俺、行くから。お前は休みたいだけ休んでれば」


最後にネクタイを締め、俺は梨花を置いて保健室を出た。


冷たいことしか言えない自分が憎らしい。


ひっそりと静まり返った放課後の校舎。教室へ続いている廊下。その片隅にはカン・ペットボトルのゴミ箱。


苛立った俺の感情は高ぶり、思わずゴミ箱に蹴りを入れた。


“パコーン”と軽い音を立て、ゴミ箱は4・5メートルほど吹っ飛ぶ。



そう、あの日から俺――黒木 優夜【くろき ゆうや】と如月 梨花の関係が始まったんだ。


4: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/15(金) 01:14:02 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
╋━━━━━━…‥★・゚


入学式、梨花は俺の右斜め後ろの席に座っていた。


ゆるく巻かれたロングヘアー。白い肌。大きな瞳。背は高くはないが、引き締まった身体。


――完全に俺の一目惚れだった。


梨花に近づきたかった。仲良くなりたかった。






1年生にも関わらず、既に先輩にも一目を置かれていた存在だった俺。


それなりに整った顔立ちのおかげで、いつも女は黙ってても勝手に寄って来た。


いつも寄って来た女を適当に抱いて“女なんて、こんなものか”と思っていた。






――梨花は、そんな俺の固定観念をいともあっさり崩したんだ。


5: 名前:ルル☆☆08/15(金) 01:20:12 HOST:ser352887013460799
期待あげ☆(^-^)

6: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/15(金) 01:33:03 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
╋━━━━━━…‥★・゚


梨花と同じクラスである佐藤 孝博【さとう たかひろ】に、さりげなく色々と探りを入れてみたりもした。


孝博とは中学からの友人で、お互い気の知れた仲だった。


が、孝博でさえも梨花のことを打ち明ける気にはならなかった。自分の力だけで、梨花を手に入れたかったからだろうか。


気付かれないように聞きたいことを聞き出すのは、思ったより難しい。


結局分かったことと言えば、梨花は風紀委員になったということだけだった。


「まっ、お前は風紀委員が誰だろうと関係なく暴れるだろ?」っと、孝博は笑う。


――その時、俺にはある考えが浮かんだんだ。


7: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/15(金) 01:35:19 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
Dear.ルル☆様


期待アゲありがとうございます(^ω^)スゴく嬉しいです♪”期待に応えられるように頑張りますね◆+゚


8: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/15(金) 01:58:54 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
╋━━━━━━…‥★・゚


「風紀委員…なら俺が問題を起こせば関わりが出来る……?」


――だめだ。これじゃあ梨花に迷惑を掛ける。



誰もいない教室。窓の外に広がるグラウンドでは野球部が汗を流していた。大きな声が優夜の耳まで届く。



「どうすりゃいいんだよ、俺はどうすれば…!」


うなだれて机に突っ伏した、その時だった。



「私とエッチすればいいんじゃない?」



背後から聞こえてきた女の声に、思わず俺はビクッと身体を起こした。


明るい金髪。濃いアイメイク。キラキラのアクセサリー。


見知らぬ派手な女子学生が、教室の後ろに立っていた。


9: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/15(金) 02:09:49 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
╋━━━━━━…‥★・゚


「そのセーラー服のスカーフの色…三年生ですよね? 先輩が何の用ですか」


俺は面倒臭そうに頭を掻きむしる。


「黒木君だよね? 黒木 優夜君!!」


女は嬉しそうにピョンピョン跳ねながら近付いてくる。


――馬鹿そうな女。


俺は冷ややかな視線を彼女に向ける。


が、女は全く気付いていないようだった。


「綺麗な顔立ちしてるねーっ! 黒髪もツヤツヤだし…あっ! 結構、筋肉も付いてるんだねー」


女の指は俺の髪を滑り落ち、やがて唇で止まる。



「苛々してるんでしょ? 一発やるとスッキリするよ?」


――俺も馬鹿な男だけどな。


俺は女を抱き上げた。


10: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/15(金) 02:33:23 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
╋━━━━━━…‥★・゚


女を抱き上げ、机に座らせた。


――面倒くせぇ。


俺はいきなりセーラー服のスカーフを引っ張る。スカーフが抜き取られると、襟元は緩み、下着が見えた。


一気に脱がし、ブラを上にずらすと、大きくも小さくもない乳房が揺れた。すでに先端は固く尖っている。


「やぁだぁ…恥ずかしいよ……んっ…はぁ…」


「先輩。悪いけど、さっさとヤラせてもらうよ」


上を弄りながら、右手をスカートの中に滑らせ、器用にパンツを脱がす。


いやらしい糸が伝った。すでに女のパンツはビショビショに濡れている。


「早く…早くぅ!!」


急かす女の声など聞いてはいない。


俺はズボンのチャックを下げ、アレを取り出す。


11: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/15(金) 02:43:24 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
╋━━━━━━…‥★・゚


「すごぉい…! ハァ…黒木君のアレって大きくて太い…!!」


――だから、そんなの聞いてないんだ…よ!!


「はぁあん!! ひゃん!! はっ激し…っ!」


俺は一気に突き上げる。女は大した前戯をしていないのに、かなり濡れていた。


――この淫乱女め。


グチャッズチャッといやらしい音が静かな教室中に響き渡る。


出し入れが繰り返され、女の大きな喘ぎ声も止まらない。


「いい! すごく良いよぉ…!! あっあっ! あぁ…ん…はぁ!!」


アレは立ったが、俺は全くイキそうにない。気持ちは始めから冷めきっていた。


――どうするかな…。


そんなことを思った、その時だった。


【ガタン!!】


12: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/15(金) 02:50:15 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
╋━━━━━━…‥★・゚


廊下から物音がした。


俺は顔は動かさず、目だけを教室のドアの方へ向ける。




――!!!



ドアの向こうの廊下には、教室で絡み合う男女を見て驚いたのか尻餅を付いた女がいた。










如月 梨花だった。



思わず、俺の動きも止まる。


如月 梨花はよろめきながらも立ち上がると、走って行ってしまった。


「黒木君…どうしたの? もっと動いて?」


「うるさいんだよ…」


俺は女からアレを抜くとバッグを持って、力無く教室から出て行った。





――最悪だ…。最悪としか言いようがない。


13: 名前:玲菜☆08/15(金) 09:25:55 HOST:ser350298000749057
うわーお
更新求めますF
文かくの上手ホ


14: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/15(金) 10:32:23 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
Dear.玲奈様


アゲありがとうございます(^ω^)そそそんなッ;勿体ないお言葉‥嬉しいです◆+゚頑張りますね♪”


15: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/15(金) 10:39:37 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
╋━━━━━━…‥★・゚


その翌日のことであった。


「悪いんだけどさ、如月っている? 如月 梨花」


俺の登場にクラス中がざわめいた。


「隣のクラスの黒木君だよ!」

「かっこいい! 素敵!」

「なんで如月なの…?」


梨花は窓際の席にいた。友人と話していたらしい。


俺は迷わず、その席へ向かう。誰も俺を止めない。止められる訳がない。


「如月 梨花、ちょっといいか」


梨花は困惑した表情を見せた。そして躊躇いながらも、小さく首を縦に振ったんだ。


16: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/15(金) 10:48:39 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
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集まる視線を振り払い、俺は梨花を連れ、屋上へ向かう。


本日は晴天。梅雨が明け、からっとした陽気が続いていた。もうすぐ夏休みだ。


梨花は怯えているようだ。どさくさに紛れて繋いだ手が小刻みに震えている。可愛いとしか、言いようがない。


「あっ…あの……黒木君? わたしに何か…」


視線を泳がせながら、梨花は俺に聞く。初めて梨花が名前を呼んでくれたことに少し心が弾んだ。


――分かってるくせに。


「昨日の、見ただろ?」


屋上の柵に手を付き、梨花を追い込む。


ピクンと彼女の身体が反応した。


「お前にも同じ目に遭ってもらおうかな」


17: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/15(金) 22:48:12 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
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梨花は言葉を失った。顔がどんどん青ざめていく。唇までも小刻みに震え始めていた。


そんな梨花を愛しいと思いながら、そっと俺は右手を頬に添えた。


「ひっ……!」


零れた声からは恐怖と不安しか感じ取れない。梨花は俺を求めてはいなかった。


――女が俺を求めないなんて。


初めてだった。


次第に梨花の瞳に涙が溜まり始める。余計に梨花の瞳に輝きが増した。しかし、その瞳の奥に見えるものは――。




「止めた。こんなの俺が納得しねぇ」


背中を見せて去る俺を、梨花はどんな表情で見ていたかは分からない。


――この時は我慢出来たのに、俺の想いは再び破裂する。


18: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/15(金) 22:57:17 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
╋━━━━━━…‥★・゚


この日を境に、梨花は俺を避けるようになった。


まぁ、それも当たり前の結果だが。


俺は、女がどうしたら自分に気を持つかなんて知らなかった。いつも黙ってても女から俺を求めてきたから。


「くっそ…このままじゃ終われねぇよ」


悩んで悩んで、いつしか机に突っ伏して寝ていた。


気が付いたら、授業はおろかHRまで終わっている始末。みんな気を使って起こさなかったのだろう。


窓の外に目を遣ると、空が真っ赤に染まっていた。綺麗な夕焼けだった。


「アホらし。帰るか…」


変な姿勢で寝てたせいか腰が痛む。早く伸びがしたい。







――クスクス


聞き覚えのある声が聞こえた。


19: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/16(土) 00:17:44 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
╋━━━━━━…‥★・゚


「この声…梨花?」


声はどうやら隣のクラスから洩れているようだった。


俺は身体を起こすと、足音を消して教室を窺う。


夕焼けに染まった教室には二つの影があった。




――梨花と見知らぬ男。


「誰だ…? あいつ」


二人は俺に気付くことなく、会話が弾んでいるようだ。



「風紀委員会、上手く話がまとまって良かったわね」

「あぁ。如月さん、ありがとう」

「私なんて何も…川上君の意見が的確だったからよ」



俺に見せたことのない、明るい笑顔の梨花がそこにいた。


“川上”という男にだけに微笑んでいる梨花がいた――。


20: 名前:椿☆08/16(土) 00:19:11 HOST:ser350298000749057
やばすです!
おもろすぎです!
あげ〜


21: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/16(土) 00:26:55 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
╋━━━━━━…‥★・゚


二人を見ていると無性に苛立ってきた。


ドロドロとどす黒いものが腹から沸き上がってくる。


――何なんだ、この感じは…!?


その気持ちが“嫉妬”だと、この時の俺は知りようがない。



梨花と出会ってから、何もかもが、初めてのことだらけだったから――。




「じゃあ、私はこの資料まとめてから帰るわ」

「一人じゃ大変だろ。手伝うよ」

「平気よ、これくらい………あっ?」



二人はお互い資料に手を伸ばし、そっと触れ合った。


ぎこちない時間が二人の間を流れる。頬が紅に染まっていく。これは夕日のせい?



「っ…如月さん!」

「んんっ……?」





俺の目の前で二人の唇が重なったんだ――。


22: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/16(土) 00:30:12 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
Dear.椿様


コメントありがとうございます(^ω^)スゴく嬉しいです♪”そんな‥面白いだなんて◆+゜幼稚な文章力ですが、読んでいただけると幸いです(´;ω;`)


23: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/16(土) 00:44:07 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
╋━━━━━━…‥★・゚


俺は言葉を失った。頭が真っ白になった。


惚れた女が眼前で見知らぬ男に唇を奪われた――その事実が飲み込めなかったのだ。



二つの影はゆっくりと離れ始める。



「か…川上君?」

「ごっごめん、本当こんなつもりじゃ…」



川上は視線を落とし、更に頬を赤く染めた。そんな川上を梨花はキョトンと見つめる。


「実は俺、如月さんのことが…「よぉ! 梨花、何やってるんだ?」




俺は思わず飛び出して、声を掛けていた。



鈍感な俺にでも分かった。



川上は梨花に惚れている。梨花もまんざらではない。そして、まさしく今、梨花に告白しようとしていたことも――。


24: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/16(土) 06:28:08 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
╋━━━━━━…‥★・゚


「黒木…君…」


川上がポツリと小さく呟いた。


――知ってんのかよ。


俺は川上に名前を呼ばれたことに妙に腹が立つ。


「なんだよ。誰? お前」


明らかに殺気立った俺の声に、張り詰めた空気が漂った。今にも糸が切れてしまいそうな、そんな中。口を開いたのは梨花だった。


「…黒木君。こちら川上 泰広【かわかみ やすひろ】君。私と同じ風紀委員なの」


「ふーん。川上 泰広…ねぇ」



平然を装う二人。


――だが、俺は知っている。








――さっき、この教室で起こった二人の間の出来事をな。


25: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/16(土) 12:11:08 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
╋━━━━━━…‥★・゚


とにかく川上と梨花を二人っきりにしたくなかった。それが例え、俺の我が儘だとしても。




「もう用は終わったんだろ? 梨花、貰ってくぞ」


そう言って、俺は半ば強制的に梨花の手を引いた。


きっと梨花は少し困惑した表情で俺を見て――、






「川上君! またっ…またお話ししようね!」


――最後まで川上かよ。



苛立ちを越えて、怒りが込み上げてくる。


分かってる。梨花も川上も悪くない。ただ俺が子供なだけなんだ。




――けど今の俺には、この方法しか思い付かない!


26: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/17(日) 16:17:27 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
╋━━━━━━…‥★・゚


「ちょっ…黒木君!? どこに行くの…っ?」


嗚呼、もうすぐ梨花の声も俺の耳には入らなくなる。


我慢は限界。


ちょっとした弾みで、そう水道を軽く捻るだけで大量の水が溢れ出すように。


俺は――もうすぐ。


「黒木君…!」








梨花の声、届かない。


27: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/18(月) 00:32:30 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
╋━━━━━━…‥★・゚


ただただ梨花の手を引き続けた。女の力では抗うことの出来ない、強い男力で。


自然と向かった先は――保健室。


『帰宅しました』と扉に札が掛けてあった。


この学校の保健室の先生は、帰宅する時に施錠はしないと俺は知っている。


ほら、いとも簡単に扉は開いた。



ツンと消毒の匂いが鼻をつく。薄気味悪いくらいに静まり返った放課後の保健室。


期末考査も近い。部活動は活動停止になっているのだろう。


「な…んで……保健室…」


梨花が弱々しい震えた声を発した。


もしかしたら女の勘が働いているのかもしれない。自然と身の危険を感じたのかもしれない。


28: 名前:☆08/18(月) 00:36:09 HOST:07032450933905_ey.ezweb.ne.jp
あげw

29: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/18(月) 00:46:42 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
╋━━━━━━…‥★・゚


保健室に並んだ三つの白いベッド。



小さく抵抗する梨花を抱き上げ、一番奥にある窓際のベッドに投げた。


――なんて軽いんだろう。


梨花の身体はとにかく軽かった。野郎相手に毎日、喧嘩ばかりしていて、俺の身体は知らず知らずのうちに鍛えられていたのだろうか。


シャッと仕切りの白いカーテンを閉め、ゆっくりと俺は梨花に迫る。


「黒木君…なっ何……?」

「優夜」

「…え?」

「優夜って呼べよ。そしたら止めてやるから」


夕焼けの赤い光が差し込む。カーテンに反射して、白い保健室は妖しく赤く輝いた。


「ゆっ…優夜ぁ!」


顔を赤くして、瞳に涙を浮かべて、困った顔で梨花は俺の名を呼んだ。





――やべぇ。


「嘘に決まってんじゃん」


30: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/18(月) 00:49:44 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
Dear.み様


アゲありがとうございます(^ω^)めちゃめちゃ!!嬉しいです◆+゜頑張りますので、良かったらご覧下さい♪”


31: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/18(月) 00:59:26 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
╋━━━━━━…‥★・゚


「えっ……!?」


梨花は状況をまだ把握出来ていないのだろう。


――唇に唇が覆いかぶさる感触。


俺はゆっくりと瞳を開ける。


目の前には梨花の大きな瞳がギュッと閉じられていた。


近くでみると、余計に白い梨花の肌。火照った頬。


長い睫毛は影を落とす程だ。


吸い付くような唇はやはり震えている――。



「んっ…んん……!」


唇の端から梨花が甘い声を漏らした。


俺は重ねた唇をゆっくりと離してやる。


苦しかったのだろうか。梨花は肩を上下させながら大きく呼吸をした。


「はっ……はぁ…はぁ」



それは、俺の理性をいとも簡単に吹っ飛ばす。


32: 名前:ありい☆08/18(月) 14:40:51 HOST:ntsitm375166.sitm.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp

題名がすごく素敵ですね♪

あげw


33: 名前:☆08/18(月) 23:49:55 HOST:07032450933905_ey.ezweb.ne.jp
あげ

34: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/19(火) 03:33:30 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
Dear.ありい様


アゲありがとうございます(^ω^)題名が素敵だなんて‥嬉しすぎて死んじゃいそうです♪”ありがとうございます◆+゚



Dear.み様


またまたアゲありがとうございます!!嬉しいです★+゜頑張りますねッ(^u^)/


35: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/19(火) 03:56:52 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
╋━━━━━━…‥★・゚


――梨花、梨花。





俺だけを求めて。



それは我が儘だって分かっているけど――嘘でもいいから。



「やっ…いやぁぁあ!」



梨花の悲痛な声が俺の胸を貫く。


それが痛くて辛くて、梨花の唇を唇で塞いだ。



――逃げてる。そんなことも分かってる。


気付かれないように、自分でもそう思わないように右手を必死に泳がせた。


左手は必死に梨花の身体を抑えて――。




「何やってんだ…俺」



小さな呟きは梨花の悲鳴に掻き消される。


36: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/19(火) 16:19:02 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
╋━━━━━━…‥★・゚


夕日は沈み、空の片隅にわずかなオレンジ色の光を残した。


まだ黒とは言えない、紺色の夜空に点々と星が瞬いている。


一日を終え、落ち着き始める“今日”という日。



そんな中、燃え上がる俺の感情。




抵抗する梨花は疲れてきたのか、その力は徐々に弱々しいものへとなっていく。


梨花の着衣は乱れ、わずかな夕日の光に照らされるその身体は白く輝いた。肌には俺が咲かせた紅い花が至る所で咲いている。


――愛しい。美しい。



身体を愛撫する度に梨花の唇から洩れる息遣いが、俺のモノを更に熱く固くさせた――。


37: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/19(火) 16:27:03 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
╋━━━━━━…‥★・゚


「俺だけの梨花になって…好きなんだよ」

「こっ…こんな事しといて…何をっ」



梨花の瞳からは涙が止まらない。


――ねえ、梨花。その涙は喜びの涙に変わることはない?




もう、この選択肢しか思い付かない――。




そっとズボンに手をやると、それに気付いた梨花は最後の力を振り絞って抵抗した。



俺に馬乗りにされてる梨花は、逃げられる訳がない。


固く、大きく反り返ったそれが梨花の潤んだ目に映る。



「やだっ…いやぁあ!」






梨花の中に勢いよく俺が挿入された。




――熱い。


38: 名前:るん☆08/19(火) 16:59:28 HOST:pl131.nas921.tottori.nttpc.ne.jp
続きが気になりますヾ(^ω^)ノ
頑張ってください!
あげっ


39: 名前:☆08/19(火) 22:36:12 HOST:121-82-205-239.eonet.ne.jp
前作品見てました!!!
文体を見てピンと来ましたよ! ←
頑張って下さい^^


40: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/20(水) 00:22:07 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
Dear.るん様


コメントありがとうございます(^ω^)続きが気になるだなんて‥最高級の喜びを感じている私です♪”読んでくださってホントにありがとうございます◆+゜



Dear.葵様


ままままさか前作を読んでくださった方が読んでくださってるだなんて!!嬉しすぎますッ(ΩДΩ)ホントにありがとうございます◆+゜桜と大地も浮かばれますね(笑)今作も頑張りますッ♪”


41: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/20(水) 00:32:25 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
╋━━━━━━…‥★・゚


梨花の中は熱く絡み付いてきて、俺のモノを締め上げてくる。


夢の世界か現実の世界か曖昧になるくらいの大きな快感――。



今まで数え切れないくらい女を抱いてきた俺。


『私を抱くのは今日で三回目ね』という女。


そんな事いちいち覚えてられるか。お前は生まれてから今日まで、何個のパンを食べたか答えられるのか。



――俺にとって男女の交わりなんて性欲を満たすためだけの行為、その程度だった。



まさしく俺の固定概念をぶっ壊した女。



如月 梨花。





ごめん、今度はお前をぶっ壊させて――。


42: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/20(水) 00:39:11 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
╋━━━━━━…‥★・゚


俺が腰を梨花に打ち付けると、奥に挿入される度に梨花の口から悲鳴混じりの吐息が洩れた。


「やっ…めて! 痛っ……はぁ…あぅ! あぁ…!!」



――この光景を川上に見せ付けてやりたい。


俺の中の思いは加速度を増す。



もう止めらんないんだよ。





「っ…嫌だよ……もう」



――こんな形でしか、手に入れられなかった。



「やっ…もう止めてよ…!」



――俺だって、こんなの望んでいた訳じゃないのに。



「…ゆ…や……優夜ぁ!!」



――その唇で汚れた俺の名を呼ぶ君が愛しくて、狂おしい。


43: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/20(水) 10:12:15 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
╋━━━━━━…‥★・゚


「うっ…ぁ……!」


俺の口から力無い吐息が洩れる。



まるで雷が落ちたような衝撃が身体中を走り巡った。


アレが梨花の中でビクビクと引き攣っている。



――俺が先にイッちまったのか。


梨花の目も大きく見開いた。そういえばゴムも付けていない、当たり前だ。



「あ……いっいや…いやぁぁぁあ! 熱いっ……抜いて…抜いてぇ!!」



――抜く? 抜ける訳ないじゃん。梨花の中はこんなにも気持ち良くって。



俺は更に奥の奥に挿入して、梨花の腰を掴んだ。



「やっ…やぁぁあ! あっ…出てるっ……いっぱい出てるよぉ…!!」

「………っ…はぁ…」


――まだ、出る。


44: 名前:ありい☆08/20(水) 15:44:50 HOST:ntsitm375166.sitm.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
この二人の関係どおなるンですかあ?!
めっちゃ気になります。

更新まってます♪


45: 名前:☆08/20(水) 23:35:43 HOST:07032450933905_ey.ezweb.ne.jp
あげますw

46: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/22(金) 23:52:12 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
遅くなって申し訳ございません;更新はかなり不定期になります(>_<)完結はさせると思うので温かい目で見守ってやってください。。



Dear.ありい様


またまたアゲありがとうございます!!今後の二人の関係は‥秘密です☆←殴

良かったら物語の最後までお付き合い下さいませ◆+゚




Dear.み様


み様も再びアゲありがとうございます(^ω^)もうホント!!嬉しいです!ときめいてます!!←え

ありがとうございます♪"


47: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/23(土) 00:00:20 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
╋━━━━━━…‥★・゚


「あっ……ぁあ…」


力無い梨花の息遣いが俺の良心を貫く。


俺を見つめる梨花の瞳に輝きはない。


――なんてことをしてしまったんだ。


いや、後悔よりも快楽のほうが身体を支配していた。


二人が繋がっている部分からは、俺が梨花の中に注いだ熱いモノが滴り落ちている。


――俺は遂に梨花の中に入ったんだ。



恍惚から醒めてくるのと同時に、実感が湧いた。



「……梨花」



そっと名前を読んでみたけれど、梨花は涙を流しながら天井の一点を見つめるだけだった。


48: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/23(土) 00:06:17 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
╋━━━━━━…‥★・゚


「俺、行くから。お前は休みたいだけ休んでれば」






こうして、俺は今に至る。


梨花は保健室のベッドから起き上がれただろうか。


――置いてきたのは、自分なのに。


なぜだろう。梨花に対しては、高慢で冷酷な自分を演じている。



梨花には弱い所を見せたくない。それだけのために?


今の梨花にとって、俺はただの『貪欲で強欲な黒木 優夜』なのに。





俺はどこで間違えた?

俺は何を間違えた?


49: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/23(土) 00:16:37 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
╋━━━━━━…‥★・゚


すっかり日は暮れてしまった。


空には星が輝いている。そんなに数は多くはない。多少、曇っているようだ。



その日は珍しく家に直帰した。普段だと放課後、仲間が誘いが必ずあった。遅く帰ったり、帰らない日も少なくはない。


――みんなが言うほど、家は嫌いではない。


そう言える俺は家庭環境に恵まれているのだろうか。



「お帰りなさい、優夜。早かったわね。ご飯は?」

「食べるよ」

「じゃあ着替えたら下りてらっしゃい」



そういって微笑むと、母はリビングへ戻っていった。


二階への階段を駆け登り、自分の部屋に飛び込む。


鏡に映った制服の乱れを見て、俺はさっきまでのことが現実だったと認識した――。


50: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/23(土) 00:42:03 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
╋━━━━━━…‥★・゚


次の日。少しの緊張を胸に秘めて学校へ向かう。


いつもなら抱いた女のことなど気にすらしないが、相手が梨花となれば話は別だ。


自分の教室に向かう時は、必ず梨花のクラスの廊下を通らなくてはならない。


壁は窓になっているため、廊下から教室の中は丸見えである。



――梨花は



歩きながら、俺は懸命に目を動かした。




――いない。来てないのか?


さらに視界の端に、あの川上まで映ってしまった。思い出したくないのに。




キスをして、互いに頬を染め合うあの二人を――思い出したくはない。


51: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/26(火) 00:03:20 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
╋━━━━━━…‥★・゚


二限の終わりを告げる鐘が学校中に響き渡る。


俺は休み時間の度に廊下に出て、さりげなく梨花の姿を探した。


――今日は休みか?


そう思った、その時だった。



【コツコツコツ】




煩い休み時間にも関わらず、妙に頭に響く靴音。



【コツコツ――】


その音は突然止まり、それと同時に背中に視線を感じる。



――もしかして



ゆっくり振り返ると、俺の背後に立つ梨花の姿があった。


52: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/26(火) 00:12:52 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
╋━━━━━━…‥★・゚


俺の体温が一気に上昇したのが分かった。手には汗をかき、頬は紅潮する。


――熱い。



どうやら梨花は今しがた登校したようだ。手にはスクールバックを携えている。


相変わらず美しかった。昨日の乱れが嘘のように、緩く巻かれたロングヘアーが華麗に風に踊る。大きくて黒目がちな瞳が真っ直ぐに俺を見つめている。



いや、睨んでいるようだった。



「“昨日”はどうも、黒木君?」


語尾に力が入っているのが分かる。顔こそ笑ってはいるが、怒りが滲み出ているのも分かる。


ツン――と、梨花はそっぽを向き、教室に入っていった。優しい香りが俺の鼻を擽る。




意外だった。梨花は大人しそうではかなげで、泣き寝入りするタイプだと思っていた。




――梨花は強かった。


53: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/26(火) 00:21:07 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
╋━━━━━━…‥★・゚


「面白い奴…!」



梨花は余計に俺の心を揺さ振る。



こんな形とは言え、向こうから声を掛けてきてくれたことも嬉しかった。



まるで思春期真っ盛りの男子中学生のように、些細なことで俺の胸は弾んだ。


「優夜、どうした? なんか嬉しそうだけど…」

「え…!?」


鈍臭いクラスの連中にもさえも、気付かれて突っ込まれるほど、俺の顔は綻んでいたようだ。



他人に指摘されると余計に恥ずかしい。


俺は「何もねーよ! バーカ!」と言いながら、相手に突っ掛かった。



これが“照れ隠し”だと、バレてませんように――。


54: 名前:ありい☆08/26(火) 12:12:20 HOST:ntsitm375166.sitm.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
あー気になる♪

最後までお付き合いさせていただきます(´∀`)


55: 名前:鈴菜☆08/26(火) 12:18:46 HOST:ser355285017141167
前作見てました!!
また頑張ってください
更新たのしみにしてます><


56: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/26(火) 23:37:10 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
Dear.ありい様


アゲありがとうございます(^ω^)そそそんな!!ありがたき幸せ♪”コメントも面白いコトが書けない遅筆な主ですが、どうぞよろしくお願いします(>人<)



Dear.鈴菜様


コメントありがとうございます◆+゜鈴菜様も前作を読んでくださって本当にありがとうございますッ(:_;)今作は過去3作品のファンタジーものとは正反対の普通の学園モノですが、どうぞ御覧になってください★”


57: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/26(火) 23:47:47 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
╋━━━━━━…‥★・゚


あっという間に“奴ら”はやってきた。


俺は“奴ら”を前にすると、頭を抱えて悩んでしまう。





そう、夏休みの前に立ちはだかる【期末考査】がやってきたのだ。



「優夜…余裕そうだなぁ。勉強したのか?」



朝、たまたま会った孝博は教科書を片手にガックリうなだれている。



「いいか、孝博。諦めが肝心なんだよ」

「お前のそういうとこ、尊敬するわ…俺」



一夜漬けしたのだろうか。孝博の目の下には隈が出来ていた。



「まぁ…お前は死なない程度に頑張れ。夏休みの補習で会えるの楽しみにしてるぜ」

「不吉なこと言うなよ……お互い頑張ろうぜ」



校舎中にチャイムの音が鳴り響いた。


58: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/26(火) 23:58:35 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
╋━━━━━━…‥★・゚


勉強は嫌いではないが、どうもやる気が起きない。ただ、集中力がないだけなのだ。


――まぁ、この歳で集中力がなさすぎなのがヤバいんだろうな。


そんなことを思っていた、数学の試験中。


――梨花は夏休み、何か予定入ってるのか? 特に入ってなかったら…


そんなことを考えていた現代文の試験中。


色んなことを考えていたら、あっという間に時間は過ぎていった。


――そう、試験時間が。





終業式の日、廊下に張り出される補習組のメンバー。その中に俺はもちろんのこと、孝博の名前を見つけた時は笑いが止まらなかった。


「俺…あんなに頑張ったのに」


肩を落とす孝博が少し可哀相に思えた。


梨花の名前も張り出されていた。もちろん補習組ではなく、成績優秀者の方だった。


59: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/27(水) 00:14:30 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
╋━━━━━━…‥★・゚


待ちに待った夏休み。


今年はなぜか気持ちが沈んでいる。


夏休みは梨花に会えない。唯一の接点が学校だった――。



「どっかでバイトでもやってるかな……なんか、俺って意外と乙女だな…」


蝉が煩い並木道。俺は独り言を呟きながら、補習のため学校に向かう。


不幸中の幸いか、補習の席は窓際の一番後ろだった。


補習組のメンバーはいつも一緒に馬鹿やってる奴らが大半を占めている。



「補習、始めるぞ」


――このメンバーで静かに補習? 無理だね。


俺は一つ溜息をついて、早速窓の外に目を遣った。


そして、瞳に映った光景に驚きを隠せない。



視線の先にはクラスの花壇――その花壇の花に水をあげている女の子は正しく梨花だった。


60: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/27(水) 00:24:07 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
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――まさか夏休みに会えるなんて


水やりの当番だったのだろうか。梨花はじょうろに満たした水を満遍なく花と土に降りかけた。


心なしか、花が少し元気になったように見える。


水をやった後には花壇の前に座り、花を見つめ、時に撫でて愛でる梨花は可愛らしかった。


俺は思わず見とれていた――。


「黒木ー!」


名前を呼ばれ、急に我に返る。


「はっはい…!」


【コツン!!】


「いってぇ……」


額に何か固いものがぶつかった。机にはあるはずのない白いチョークが転がっていて、皆の笑い声が起こった。


「よそ見するな! 続けるぞ」


先生の喝が入った。


61: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/27(水) 09:29:47 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
╋━━━━━━…‥★・゚


補習中、俺は先生の目を盗んでは何度も外に目を遣った。


梨花は制服のスカートを気にしながら、雑草を抜き始める。


この時期は雑草が育ちやすい。他のクラスの花壇はもはや草むらになっているのに対し、梨花たちのクラスの花壇は色とりどりの花たちが咲き誇っていた。


思えば、俺は梨花のことを何も知らない。――知りたい。



もっと話したいし、仲良くなりたい。



もう無理だろうか?


梨花にあんな酷いことをした俺には、手の届かない夢となって消えてしまうのだろうか。





――もっと梨花を知りたい。


62: 名前:ありい☆08/27(水) 11:07:25 HOST:ntsitm375166.sitm.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
優夜くん切ないな〜涙。

梨花ちゃんと仲良くなりますよーに♪


63: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/27(水) 23:20:07 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
Dear.ありい様


またまたコメントありがとうございます★+゜ふふっ‥虐めるの大好きなので♪”←

色々考えていますので、お楽しみにしてて下さいなッ(^ω^)


64: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/27(水) 23:36:42 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
╋━━━━━━…‥★・゚


気付いた時には、梨花は花壇からいなくなっていた。


仕事を終えて帰ってしまったのだろうか。


俺は萎んだ風船のように急に気が抜けて、先生の声すら耳に届かなくなった。いや、もとから頭に入ってはいなかったが。


「…よし、今日はこれまで!」


先生の一言でみんながワッと歓声をあげた。その騒ぎで俺は眠っていた訳ではないが、ハッと我に返った。


「優夜ー! パァーっと遊びに行こうぜ」

「悪いな…そんな気分じゃないんだ」


なんとなく“あの日”から、罪悪感だとか後悔だとかを感じている。そのせいなのか胸が張り裂けそうに苦しかった。


女一人に振り回されている自分がみっともないとも思えた。だが、その女は梨花。俺が惚れた女になら、こんな経験も良いんじゃないかと思える自分もいた。


65: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/27(水) 23:49:34 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
╋━━━━━━…‥★・゚


「なんだよ〜、最近らしくねーぞ! 優夜!!」

「うっせーよ、いつもと変わんねーって」


――こいつら、なんでそういうところは鋭いんだよ。いつも一緒にいるからか?


俺は冷や汗をかいて視線を反らした。父に似たのか母に似たのか、嘘を付くことは下手だった。その様子を見て、皆は顔を合わせ奇しくニヤリと笑った。



「今日は強制連行するぞー!! 皆の者、かかれー」

「ばっ馬鹿…! やめろって!」


皆は俺を羽交い締めにして、教室から連れ出した。抵抗するが数人に囲まれ、俺はどうすることも出来なかった。


「はぁ…」


誰も俺の溜息なんか聞いちゃいない。


「どこ行くー!?」

「女の子と遊びたい!」

「カラオケしたい!」



――今夜は遅くなりそうだ。


66: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/28(木) 00:06:14 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
╋━━━━━━…‥★・゚


「ねーねー、君たち暇? 一緒に遊ぼうよ!!」


いつも絡んでる奴らは、それなりに顔も整っていて、女の子集めには苦労はしなかった。声を掛けてれば大低の子達は笑顔で付いてくる。



女の子を捕まえて嬉しそうな連中とは裏腹に、俺はムスッとした表情のまま皆の後ろを付いていった。


「まーだ怒ってんのー!? ごめんってば、優夜!」


後ろから俺に抱き着いてきた人懐っこい奴。


――永田 裕次郎【ながた ゆうじろう】。クラスも同じで、学校でも放課後でも一緒によくつるんでいる。


顔は童顔で中性的なせいか、男女関係なく人気があるようだ。


「別に怒ってねーよ」

「良かった! ほら、可愛い女の子もいるし…今夜は楽しもうよ」


裕次郎は無邪気に笑った。


67: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/28(木) 12:23:03 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
╋━━━━━━…‥★・゚


裕次郎はその天使のような微笑みを武器に女の子を手玉に取ってきた。


今まで結構な数の女を泣かせてきたことも仲間内では有名である。


「お前なー、節操ないのもいい加減にしろよ。その笑顔がブラックだっつーの」

「節操ないのはお互い様だろー? 優夜ッ」


そういって裕次郎は女の子達の横に走っていった。


「節操ないのはお互い様か…」


空を見上げると街が明るすぎるのか、オリオン座すら見えない――。


68: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/28(木) 12:44:59 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
╋━━━━━━…‥★・゚


「誰ー!? この曲入れたのー!?」

「はぁ〜い! あ、た、し〜っ!!」


ナンパした女の子達を連れてやってくるのは、大体決まってカラオケだ。


密室、薄暗い部屋――カラオケで口説くと“その後”の成功率が高くなるのだ。


今日ナンパをした女の子達はギャルだった。色素の薄い髪、短いスカート、濃いアイメーク。第一印象はもちろん【軽そう】だ。


「俺この曲ちょー好き!」

「本当ー!? 気ぃ合うね!!」


所々、上手くいっているようだ。俺はめんどくさくなって隙を見て廊下に出る。


――このまま帰っちまうか


「えっと…優夜くん!」


――誰?



振り返ると、街で声を掛けた女の子。ギャルだけど、どこか純粋さが残る子だった。


69: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/28(木) 13:11:37 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
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「…何?」

「いや、えっと…」

「ふーん、じゃ」

「あっあのね!」


――何なんだよ、めんどくさいな…。


「つまんない…の? 帰っちゃうの!?」

「帰っちゃだめなわけ?」

「だって…私、優夜君が一番タイプだし…帰っちゃったら寂しいなって……」


女は見た目とは裏腹に頬を赤らめて、言葉を詰まらせてしまった。


――なんだよ、結局こうしてほしいのかよ。


俺は女に歩み寄り、そっと肩を寄せた。女は少し身体を強張らせたが、すぐその気になった。


このまま唇を重ねてしまおうか――そう思った。







だが、出来なかった。


「優…夜君?」



――梨花の唇の感触を忘れたくなかったんだ。


70: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/28(木) 13:23:34 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
╋━━━━━━…‥★・゚


「俺、帰るわ」

「優夜君…」


俺は何も言わずにカラオケを出た。


夏休みのせいか、夜になっても街には若者が溢れている。


なぜか、全てに苛々した。


なぜだろう。今まで思い通りにならない女なんていなかったからか? 梨花が自分に振り向かないからか?


――今日はもう帰ろう。


無気力のまま駅に向かって改札を抜け、ホームに向かった。


【二番線に電車が参ります。危ないですから黄色い線の内側にお下がり下さい】


アナウンスが流れ、顔を上げた時だった。


向かい側の一番線のホーム。


目を引く白いワンピース。揺れるロングヘアー。


――梨花だった。運命だとしか思えなかった。


「梨っ…」


ただ、梨花の隣には川上でもない見たことのない男がいたんだ。


71: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/28(木) 19:41:46 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
╋━━━━━━…‥★・゚


梨花のところまで走っていく気にはなれなかった。


――ショックだった。


電車のドアが開き、俺は黙って乗り込む。


入った向かいのドアの端に寄っ掛かった。


窓のすぐ外には梨花がいるというのに、この様だ。


梨花は知らないんだろうな。今この瞬間、お前がどんな破壊力のある兵器よりも威力がある存在であるだなんて――。


【ドアが閉まります。ご注意下さい】



静かに電車が動き出し、梨花と俺の距離が開き出した。



【優先席では携帯電話の電源をお切り下さい。それ以外の場所ではマナーモードに設定の上、通話はご遠慮下さい。】


電車は俺を乗せて、どんどん進む。






――俺達の距離もどんどん離れていく。


72: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/29(金) 08:01:39 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
╋━━━━━━…‥★・゚


「なんなんだよ…この苛立ちは……意味分かんねーよ」


俺は幼稚だった。同時にヤキモチの感情も知らなかった。


分からない、だから余計に苛立つんだ。


「あの…」


閉じていた瞼を開けると、俺の目の前には見知らぬ女が立っていた。


歳は俺より上だろう。きっちりとアイロンが掛けられたYシャツにしわのない黒いスカート。OLなのだろう。


「これ…ポケットから落ちましたよ」


女の手には確かに俺のポケットからは消えているパスケースがあった。


「あ…どうも」


パスケースから女の顔に目を遣ると、女はハッとした表情をして視線を反らした。


頬が紅く染まっているのが俺でも分かった――。


73: 名前:(eedZl7e0Rw)☆08/30(土) 12:22:12 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
╋━━━━━━…‥★・゚


「………」

「………」


変にぎこちない空気が二人を包む。


女はただ俯いて視線を慌ただしく泳がせた。


俺は面倒なことにならないように、ただただ外を見つめ、流れゆく景色を眺めていた。


【まもなく〜駅。お出口は左側です】


――やっと着いた。


一つ息をついた、その時だった。


【ガタン!】

「きゃっ…」


電車は大きく揺れ、小さな悲鳴と共に女の身体が俺の胸の中に飛び込んできた。


そのまま静かにドアが開く。


「あの…俺、下りたいんですけど」

「え!? あっ…すみません!」


女が慌てて離れ、俺はさっさと電車を降りた。


【ドアが閉まります。ご注意下さい】


そして、何気なく振り返ってしまったんだ。


74: 名前:a☆08/30(土) 13:18:37 HOST:softbank219053218074.bbtec.net
最近オ ナニーするのが日課になったんです。。。。最初ゎ痛かったけど、だんだん慣れて気持ちよくなりました!
このレスを6つ違うスレに張ると【    】の中に、私がビデオでとったオ ナニーシーンが見れます♪
本当に出来ました!ちなみに超エロいです。。。
見る時は後ろにお母さんなどがいないか
注意してからみたほうが良いかも。。。!



75: 名前:(eedZl7e0Rw)☆09/17(水) 22:26:44 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
╋━━━━━━…‥★・゚


女は俺の背中を見つめていたらしい。


振り向いた俺と電車の中の女の視線は自然に繋がった。


「あっ…」


女の小さな囁き。それと同時に――。


【ドアが閉まります。ご注意ください】


大きなアナウンスが俺の耳を貫いた。


――うっせぇ


俺は再び前を向き、改札へと歩き出す。ポケットに手を突っ込み、定期を探した。


【コツコツ】


ヒールが響く音が俺の後を追う。


――?


「あっあの…」


振り返ると、そこには電車の中の女がいたんだ。


76: 名前:(eedZl7e0Rw)☆09/18(木) 23:19:57 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
╋━━━━━━…‥★・゚


「何? 俺、最高に苛立ってるんだけど」


別にこの女に対してではない。


向かいのホームにいた梨花と見知らぬ男――あの情景が頭にこびりついて取れないのだ。


女は俺の不機嫌さに少し怖じけづいた様子である。しかし、怯んではいないようだ。


「あっ…私、高柳 早紀【たかやなぎ さき】と申します! 電車の中の御礼も兼ねて、お食事でもいかがですか?」


目は口ほどに物を言う。


高柳 早紀と名乗った女の瞳の奥に見えるものは“俺”だった。


“欲しいモノは必ず手に入れる”


この女からは、そんな強い欲望が滲み出ていたんだ。


77: 名前:(eedZl7e0Rw)☆09/20(土) 00:58:55 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
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最初のオドオドとした態度は演技だったのだろうか。


「食事とか言ってるけど…どうせ一発やりたいだけなんだろ?」


俺のこの一言で女の目つきが変わった。


まるで俺の感情を読んでいるかのような――正しく“挑発的な目”


「ふふっ」


女は笑って俺の手を引いていく。


引かれるがままに、まばゆい電飾の建物の中へ導かれていく――。


「大胆だな。女からホテルに誘うなんて」


部屋のドアの前で俺は思わず口にした。


「あら、私は本能に従ったまでよ?」


――正直、本能のままに動けるこの女を羨ましいと俺は思った。


78: 名前:(eedZl7e0Rw)☆10/03(金) 08:07:00 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
╋━━━━━━…‥★・゚


高柳 早紀はベッドの上で、まるで子犬のようにひゃんひゃんと鳴いた。


「いいっ…いいよぉ! 上手ね…優夜君……!!」


早紀は俺に溺れていく。


彼女が求めれば求められるがまま、俺は性欲を捧げた。


同時に虚しさが空っぽの胸に込み上げてくる。


――こいつじゃない! 俺が欲しいのはっ…!!


目を閉じると、瞼の裏側ではあの愛らしい笑顔を浮かべた梨花が振り返って俺を見た。


「あっあぁ…イッちゃうぅ!」









――きちんと伝えよう。この想いをあいつに。梨花に。


79: 名前:(eedZl7e0Rw)☆10/06(月) 21:36:37 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
╋━━━━━━…‥★・゚


「そういうのね、ほら‥よく今あるでしょ? 個人情報だとかプライバシー侵害だとか‥」


「分かってます。でも…どうしても会って伝えたいことがあるんです」


職員室に響き渡る俺と先生の声。どうやら職員も夏休みに入ったらしく、宿直のこの先生以外の姿はなかった。


俺と先生が黙れば、職員室の外で鳴いている蝉の泣き声が沈黙を割いた。


「どうしても…無理ですか?」


先生に俺は懇願の目を向ける。


どうやら、先生も俺の熱意に少し心が揺れ動いているらしい。


「理由は分からないけど…君の必死さはスゴく伝わったよ。でも生徒とはいえ、君に如月の個人情報を教えると、後々こっちも大変なんだ。分かってくれるかい?」


――使えないな。


どうやって梨花に会いにいくか。そのことで俺の頭はいっぱいだった。


80: 名前:☆11/02(日) 15:16:02 HOST:07032450933905_ey.ezweb.ne.jp
あげ

81: 名前:(eedZl7e0Rw)☆12/19(金) 13:52:26 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
Dear.な様★+゜


スゴく遅れてゴメンなさい;;あげありがとうございます^^*
頑張りますね♪”


82: 名前:ホーム (w5n9scQNOM)☆12/19(金) 14:06:28 HOST:61-26-163-28.rev.home.ne.jp
突然すみません;;
今日からこの板に来たホームという者なんですけど
「満月の夜、桜の降る場所で」と言うタイトルで小説を書き始めて
今他の方の小説を見ましたら、恋さんのこの小説を見つけたんですけど
タイトル似てるみたいで本当に申し訳ありません><;;

良く他の人の小説のタイトルを確認しないで投稿した私のミスです><;
ストーリーは恋さんの小説と全く違うものになのですが
もしお気に触るようでしたら、タイトルを変えて
投稿しなおそうと思うのですがどうでしょう??;

本当に突然申し訳ないです(´・ω・`);;


83: 名前:(eedZl7e0Rw)☆01/03(土) 00:23:35 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
Dear.ホーム様★+゜


まずは、お返事が遅れてしまったこと深くお詫び申し上げます;;


どうか気になさらないで下さい!!タイトルそんなに似てないですよ(^ω^)ホーム様の小説を楽しみにしている方もいらっしゃいますし、ゼヒこのまま書き続けて下さい♪”


私も読みに行きますね◆+゜


84: 名前:(eedZl7e0Rw)☆01/03(土) 00:31:42 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
╋━━━━━━…‥★・゚


夏休みが始まって、一週間が過ぎた。


補習も最終日を向かえ、チャイムが鳴った瞬間は歓声すら上がった始末である。





梨花との進展は全くなかった。


ホームで一緒にいた男は誰だったのだろうか。あの後、二人は何をしたのだろうか。



想像しては、一人で苛立って終わる。


その日の補講の帰り道もそうであった。


「はぁ……何なんだ、俺」


俺の気持ちとは裏腹に、この日の蝉の鳴き声も煩かった――。


85: 名前:(eedZl7e0Rw)☆01/03(土) 00:39:46 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
╋━━━━━━…‥★・゚


「ただいま」

「おかえり、優夜。ちょっといいかしら?」


そういって、お袋は俺をリビングへと促す。


――? 俺、何かしたか?


最近やった悪さを振り返ってみるが、怒られるようなことはしていない。


補習もサボらずに行っていた。


また窓から花壇にいる梨花が見れるのではないか――そんな期待が俺を学校へ行かせたのだ。


「どうしたんだよ? 改まって」

「実はね……」


お袋は話し出す。


86: 名前:(eedZl7e0Rw)☆01/03(土) 00:52:35 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
╋━━━━━━…‥★・゚


「今日、お母さんスーパーに買い物行ったら…意気投合しちゃった人がいてね!」


お袋はすごく嬉しそうだ。


――もしかして?


俺は一息ついた。


「親父と離婚して、その人と再婚する……とか言い出すのかよ?」

「何言ってるの! 意気投合したのは私と同じ主婦の方よ」


ブンブンと両手を振って、お袋は話し続ける。


「なんでも優夜と同い年の娘さんがいらっしゃって、成績も良いみたいなのよ」

「……だから?」


俺はお袋がこれから言うことを分かってしまった気がした。



――まさか、まさかな。


「勝手だけど、優夜の家庭教師お願いしちゃったの!」


87: 名前:(eedZl7e0Rw)☆01/03(土) 01:02:39 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
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――やっぱりか。


想定できた範囲内であった。むしろ、ストライクである。


「…悪いけど丁重にお断りしといて」

「何言ってるの! 夏休みだし、良い機会じゃない」


お袋は食い下がらなかった。頑固な所があるのは、息子である俺は当然知っている。


「ほら、歳も同じだから気も合うでしょ! もうお願いしちゃったんだから、いいじゃない!」


最後にそう言い残して、お袋はキッチンへ向かった。今日の晩御飯は焼き魚のようだ。


こんがりと良い匂いがリビングまで漂ってきている。


――まっ、相手が女なら、いくらでも追い返す手段はあるか。


そう思いながら、俺はテレビのリモコンに手を伸ばした。


88: 名前:(eedZl7e0Rw)☆01/03(土) 01:18:57 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
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次の日のことである。


「いつまで寝てるの、起きなさい!」


いつもは起こしにこないお袋が俺の部屋のカーテンをシャッと開けた。


眩しい太陽の光で一気に部屋が明るくなる。


「何だよ……もう補習期間は終わってんだから」


俺は太陽の光から逃げるように壁に向かって寝返りを打った。


「ふぅん…まぁ元々あんたは物を置く主義じゃないから、部屋は掃除機かけるくらいで平気そうね」


お袋は俺にお構いなしに掃除機を起動する。


【ブィーーーイン】


「あぁもう!! うっせーんだよ!」


その不愉快な音に俺は思わず声を上げた。


「ほらほら、スウェットから着替えて! 家庭教師さんが来ちゃうじゃない」


――くっそ〜…さっさと追い返してから、また寝るか


俺の方針も決まったようだ。


89: 名前:(eedZl7e0Rw)☆01/03(土) 01:37:16 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
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細めのジーンズを履いて、白いTシャツを頭に被った時だった。


【ピンポーン】


家のベルが鳴り、どうやら“同い年の家庭教師さん”とやらが着いたようである。


「わざわざスミマせん、奥さん。まぁ…可愛らしい娘さんだこと!」


玄関のお袋の声が二階の俺の部屋まで響いてきた。


――“わざわざスミマせん”って。だったら最初から頼むなよな……。


90: 名前:(eedZl7e0Rw)☆01/03(土) 01:38:23 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
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ついに階段を昇る音が聞こえてきた。


「ここが息子の部屋よ。あとはよろしくね」


ドアの向こう側から、お袋の声と小さな女の返事があった。


そしてトトトッ――と、いつものリズムでお袋は階段を降りていく。






【コンコン……】


弱々しいノックだった。緊張しているのだろうか、怯えているのだろうか――。


「…どうぞ」


俺の声に応じて、ゆっくりとドアは開かれた。


91: 名前:(eedZl7e0Rw)☆01/03(土) 01:47:09 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
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――俺はまだ寝ぼけているのだろうか。それとも、ここは妄想の中なのだろうか。





どうして目の前に梨花が立っているのだろうか。



しかも、あの日と同じ白いワンピースを着て――。




梨花の大きな目が、さらに大きくなっていた。そして喉から必死に言葉を振り絞るように、彼女は口を開く。




「表札……見て、何か引っ掛かるものがあったの…。そうだわ、“黒木”って……きゃっ!?」




――気付いたら、梨花をこの胸の中に強く強く押し込んでいた。





この時ばかりは『神様』だとか『運命』ってものの存在を否定するわけにはいかなかった。


92: 名前:けん☆01/03(土) 01:49:53 HOST:ser352880018303742
続きが楽しみで仕方ないです!
頑張って下さい☆


93: 名前:(eedZl7e0Rw)☆01/03(土) 07:44:52 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
Dear.けん様★+゜


コメントありがとうございます(^ω^)約3ヶ月ぶりの更新にも関わらず、続きを楽しみにしていただけて本当に嬉しいです!!な…涙が;;

頑張りますねッ◆+゜


94: 名前:(eedZl7e0Rw)☆01/03(土) 07:54:39 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
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「ちょっ……何するのよ!? はっ離して…!」


梨花の抵抗なんて、俺の腕力の中では風の前の塵に同じだった。


「っ……嫌だ」


梨花の小さな抵抗を受け止める度に実感が湧いてくる。嗚呼、今、俺は本物の梨花を抱きしめているんだ――と。


梨花の着ている白いワンピースはキャミワンピであった。細い首、肩があらわになっている。


俺が以前、保健室で梨花の首筋、胸元に咲かせた“紅い華”は当の昔に消えてしまっているようだ。


95: 名前:(eedZl7e0Rw)☆01/03(土) 08:05:50 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
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――もう一度キスマークを付けてしまおうか。


――川上やホームで一緒にいたあの男に『梨花は俺の物だ』と見せ付けるために。



「離して……私はこんなことされに、ここに来たんじゃないのよ…っ!」


俺は梨花の声でハッと我に返った。


「悪い……でも」


梨花の髪から香るシャンプーの匂いは俺に催眠を掛けてしまう――。




俺の胸板に押し潰されている梨花の豊満な柔らかい胸。


きちんとくびれのある細い腰。


白くて小さな背中。







保健室で俺のモノが梨花の中に入ったときの恍惚が甦ってくる。襲ってくる――。


96: 名前:(eedZl7e0Rw)☆01/03(土) 08:19:57 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
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――駄目だ!





――このまま、あの時のように無理矢理抱いてしまったら





――今度こそ終わってしまう!!



梨花を想う一心が本能に勝った瞬間であった。


俺は腰に回していた両手を梨花の肩に置き、そっと身体を離した。



「俺が望んでいるのは……こんなのじゃない」

「……え?」



梨花は俺の意外な行動に驚きを隠せないようである。



――せっかく『神様』とやらがくれたチャンスだ。耐えて耐えて、梨花に俺のコト見直させてやるさ!!



「ほら、さっさと教えろよ。勉強」

「あっ……うん…」


俺の中で新たな闘志が込み上げてきた。





――2学期の中間考査、“成績優秀者”の張り出しに梨花と名前を並べてやるよ!


97: 名前:(eedZl7e0Rw)☆01/03(土) 08:32:46 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
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その日から、新たな夏休みが始まったような気がする――。



梨花の生活スタイルや予定に合わせて、勉強する時間は午前中であったり、夕方であったり、はたまた晩御飯を食べた後であったりした。




勉強の方も梨花の教え方が上手いのと、元から勉強嫌いという訳ではない俺は飲み込みも早かった。




もちろん初日のあの時以来、梨花の身体には触れていない。



――過去に戻ることは出来ない。


――なら今、行動して未来を変えるしかないんだ。


98: 名前:(eedZl7e0Rw)☆01/03(土) 08:41:54 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
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もう8月も半ばに差し掛かった頃である。



「はい、そこまで」


梨花の一声で、俺はシャープペンシルを机に置いた。


「ふぅ……」


大きく伸びをし、梨花が採点している手元を伺った。


手は○の動きをしていて、俺はホッと胸を撫で下ろす。


そして、そのまま梨花の横顔に見とれるのが俺の至福の時であった。



この家庭教師生活が始まって、梨花の俺に対する態度が少しずつ変わってきているのが分かる。


初めは、どこか冷めていて距離を置かれていた。



警戒心があらわになっていた。





――そのうち笑顔を見せてくれるようになった。







――何気ない優しさが嬉しくて、俺はさらにお前に溺れそうになった。


99: 名前:(eedZl7e0Rw)☆01/03(土) 08:56:35 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
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「すごい!! 今日の小テストも満点よ! もう家庭教師なんて、必要ないくらい……」

「バーカ、俺は相手が梨花だから勉強するんだよ」


俺は頬杖を付きながら、満点の回答用紙に目を走らせる。



――?


ふと視線を感じ、梨花を見ると、びっくりしたのか彼女は少し慌てて俯いてしまった。



冷房は入れているのだが、この部屋が暑いのだろうか。頬が赤い――。


100: 名前:(eedZl7e0Rw)☆01/03(土) 08:57:06 HOST:a2PXZvri0OmM0Cqa_softbank.co.jp
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「なんか……意外だった。黒木くんって、やるときはやるのね」

「はい、問題。今の発言中で梨花は間違えている箇所があります」

「……え?」



梨花は口元に手を添えた。考えたり、悩んだりした時はいつもそうだ。本人は自覚していない癖なのだろう。



「やるときはやる……ってとこ?」

「残念。“黒木くん”ってとこ」



梨花は大きな目をパチクリさせて、俺の顔を伺った。



――だから、それ。反則なんだよ…。



頬が熱くなっていくのが分かった。恥ずかしくなり、俺も口元を手で隠しながら視線を反らす。





「優夜って呼べよ。忘れたのか?」


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