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1: 名前:RL3☆01/07(水) 00:26:24 HOST:ser352896010335912
この子はきっとすぐに私を忘れてしまう。
可愛い桃。
髪が柔らかくて、背が小さくて
触るとふわふわして
桃は私を好きだという。
今日、私を空き教室へお昼に誘ったのも桃だ。
「ねー、卵焼き食べる?」
フォークに黄色くて甘い、いつもの卵焼きを刺して
にこにこ無邪気に笑っている。
「食べる、ちょうだい」
私は口を開ける。
その卵焼きは私の趣味からすれば甘過ぎる。
でも、この卵焼きだけは桃の手作りだ。
他はみんな母親に作ってもらっているくせに
卵焼きしか作れないくせに、料理ができるふりがしたいんだろう。
知らぬ間に笑ってしまう。
桃は可愛い。
「おいしい?」
少し心配そうに私に聞く。
「うん、おいしい。桃は可愛いね」
「もー、雪ったら!だいすきー!」
私たちはくすくす笑いながら、子供のようにキスをして
手をつないで、昼休みを過ごす。
でも、私と桃の温度は違いすぎている
物理的な温度ではなく、もっと違う…。


2: 名前:RL3☆01/07(水) 00:45:07 HOST:ser352896010335912
桃に告白したのは私。
元から私たちは仲良しだった。
私は世にいう同性愛者だ。
私は本当に桃を愛している。
女の子としての桃を女のわたしが愛している。
桃の優しくて、女の子らしいわがままでいじっぱりなところ。
桃の可愛らしい手や、足。
桃は私をそんなふうに愛してはいない。
「雪は男の子みたいでかっこいい」
桃は言う。
「雪は綺麗な男の子みたい」
「私は雪がずーっと好きだよ」
私は答える
「ありがとう、桃。」
この閉ざされた女子校という世界で
桃は男の代用品として私と擬似恋愛を楽しんでいる。
私はそれを責めようとも思わない。
桃の気持ちは自然なものだ。
生物は雌雄でひとくみ。
同性愛なんて初めからなんの生産性もない絶望的な終焉思想なんだから。
桃が異性愛者でこの環境で私が男性の代替品になるのは自然なことだろう。
ただ、わたしは桃と自分の気持ちが食い違っていることを承知で
桃と私の関係性を悲しみながら
なんでもないように毎日を桃と過ごしている。
一番の裏切り者は私だ。
桃はすぐに私のことを忘れてしまう。
私はそう思ってる。
桃の「ずーっと好き」を本当は信じることができない。
気持ちが食い違っていても
信じられなくても
でも
それでも
私は、本当に…
甘い卵焼きを飲み込んで桃を抱きしめた。
「雪のことずーっと好きだよ」「ごめん、桃、愛してる」


3: 名前:RL3☆01/07(水) 08:19:49 HOST:ser352896010335912
雪と桃のお話は完結です。

次は、紗英と蛍のお話を書きます。


4: 名前:RL3☆01/07(水) 08:41:49 HOST:ser352896010335912
「あぁっ」
私の中を二本の指が掻き回す。
「はあっ、さ、紗英…」
紗英のきれいな唇が私の肌の上をなぞり
私はまた声を上げる。
紗英は黙って私の体を愛撫する。
私は一際高い声を上げて絶頂に達した。
疲れ果てて、うとうとと眠気が襲ってくる。
意識を落としながら、私は思う。
私の名前位呼んでよ。
本当に私を愛してるの?


最近では、会うのはいつも紗英の部屋。
入ればすぐに紗英は私の服を脱がせにかかる。
紗英は行為の途中、名前をよんでくれない。
元々、口数の少ない紗英だが、昔は行為の途中で私の名前を呼んでくれた。


3日後、私たちはまた会うことになった。
もちろん、また紗英の部屋。
私の服を脱がせる紗英の手を振り払った。
「いやだ」
紗英はびっくりしたように、私を見る。
「私のこと本当に愛してるの?」
私が泣きながら叫ぶと、紗英は怒ったように深いキスで私の口を塞いだ。
私は紗英を突き放した。
「誤魔化さないで!」
「誤魔化してなんか…どうして…」
紗英は私をベッドに押し付けた。
その後は最悪だった。
私は、体中を乱暴に愛撫され、何度も何度もいかされた。
強姦されている気分だった。
お互いに疲れ果てて、紗英はベッドを下りて床に座り込んだ。
「ひどいよ…紗英」
私がそう呟くと、紗英の肩が震えた。


5: 名前:saya☆01/07(水) 08:49:49 HOST:137.250.183.58.megaegg.ne.jp
なんかこの小説とても興味があります
更新がんばって


6: 名前:RL3☆01/07(水) 08:58:43 HOST:ser352896010335912
「どうして、私の名前を呼んで、してくれないの」
私が聞くと、紗英は振り返る。
黙っている。
「私のこと愛してるの?」
私は泣きながら聞く、ぼろぼろ涙が止まらない。
紗英は、かすれた声で
「蛍…」
と、一言、私の名前を読んだ。
「ごめんね」
紗英は、少し間をおいて謝った。
「なぜ謝るの、もう愛してないから?」
私は力無く言った。
紗英は立ち上がって、私を抱き締めた。
柔らかく優しく抱き締めた。
「違うの、蛍」
紗英も泣いているのかもしれない。
私は黙って続きを待った。
「言葉にならないの。蛍の名前を呼んでも、愛してるって言葉にしても、足りないの、私は言葉に出来ないくらい、蛍を愛してる。」
「紗英…」
「蛍を愛してる。だから、言葉に出来なかった。ごめんね、私、上手く伝えられなくて」
紗英の私を抱きしめる腕は暖かい。
いつでも、紗英が私に触れる指は熱かったこと
自分の不安に駆られて気付けなくなっていた。
「紗英、ごめんね。ごめん。」
「なぜ蛍が謝るの?」
紗英は泣きながら笑って、ぎゅうっと私を抱く腕に力を込めてくれた。
そのまま、私たちは手を繋いで眠った。
この暖かい手が、言葉よりも私を愛してくれる証拠。
でも、名前は呼んでくれるようにおねだりしようかな?


7: 名前:RL3☆01/07(水) 09:01:07 HOST:ser352896010335912
これで紗英と蛍のお話はおしまいです。

sayaさん、楽しんでもらえましたでしょうか?
興味を持って頂けて嬉しいです。
コメントありがとうございました。


8: 名前:☆01/07(水) 14:02:08 HOST:f2sGcxs1u8fkakXa_softbank.co.jp
すごい深くて素敵な話だと思います( ^ω^ )
更新、頑張って下さいねっ


9: 名前:RL3☆01/07(水) 16:11:54 HOST:ser352896010335912
偲さんありがとうございます。
楽しんで頂けたようで嬉しいです。
また書きたくなったら書こうと思います。
コメントありがとうございます。


10: 名前:RL3☆01/08(木) 17:20:48 HOST:ser352896010335912
次に、美希と由良のお話を書こうと思います。

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