| この子はきっとすぐに私を忘れてしまう。 可愛い桃。 髪が柔らかくて、背が小さくて 触るとふわふわして 桃は私を好きだという。 今日、私を空き教室へお昼に誘ったのも桃だ。 「ねー、卵焼き食べる?」 フォークに黄色くて甘い、いつもの卵焼きを刺して にこにこ無邪気に笑っている。 「食べる、ちょうだい」 私は口を開ける。 その卵焼きは私の趣味からすれば甘過ぎる。 でも、この卵焼きだけは桃の手作りだ。 他はみんな母親に作ってもらっているくせに 卵焼きしか作れないくせに、料理ができるふりがしたいんだろう。 知らぬ間に笑ってしまう。 桃は可愛い。 「おいしい?」 少し心配そうに私に聞く。 「うん、おいしい。桃は可愛いね」 「もー、雪ったら!だいすきー!」 私たちはくすくす笑いながら、子供のようにキスをして 手をつないで、昼休みを過ごす。 でも、私と桃の温度は違いすぎている 物理的な温度ではなく、もっと違う…。
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