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ネービーブルーの瞳で

61: 名前:やまぎし☆01/09(金) 00:19:41 HOST:ser357023012058542


「…泣いたのか?腫れてる」


頬に手を添え、腫れた目尻を優しく親指で撫でた
すると、俺を見上げるサガミの瞳がみるみるうちに涙の膜で潤んでいく
俺は小さく目を見張り、反射的に頬に添えていた手をぱっと引っ込めた


「…わかんねー……」


と、思わず貧弱な声を漏らしてしまう
サガミの前にしゃがみ込み、彼と目の位置を合わせると、途端に顔ごと真横に逸らすサガミ
―……傷つくんですが、あからさますぎて。


どう対処して良いのかわからず、潤む目を伏せ顔を俯かせるサガミに、下から覗き込むようにして近づいた


「おい、サガ――


呼びかけたサガミの名の語尾は、口から発せられることなく俺の喉を逆流した
何故なら、突然、サガミの小さな唇が俺の薄く開いた唇を塞いだからであって


つまり、キス…されたのだ
俺からではなく、サガミから


驚愕、の二文字が、今の俺の表情を表すのに打ってつけだろう
目をこれでもかというほどに大きく見開き、息を無意識のうちに止めていた


触れたままの状態で硬直していると、唇の隙間から生温い感触が俺の口内に入り込む
紛れもない、サガミの舌だ
たどたどしい動きで、その舌は遠慮がちに俺の舌に絡んできた


舌の裏筋を舌先で辿るその動きも、歯列の裏に唾液を塗りつけるような動きも、全て、俺が風呂場でサガミに絡ませた舌の動きとよく似ていた
真似しているのだろう、恐らく
ぎこちないその動きが愛しく思え、口元が綻んだ


瞼をぎゅっと瞑り、眉をしかめ、懸命に俺の口内を舐め回すサガミ


「…ん、…んぅ、ん…」


甘く鼻にかけた声を漏らすサガミに、抑え込んでいたものが膨れ上がる




――…期待、してしまってもいいだろう?サガミ




じっと、サガミにされるがままでいた舌を動かし、形勢逆転とでもいうように、今度は俺がサガミの舌を荒々しく捕らえた
肩を大きくびくつかせ、逃げ腰になる彼を、ゆっくりと湿り気のある床に押し倒す


抵抗などせず、静かにサガミは床に背をつけた


「…は、…ぅ、んぁ…ん」


息を継ぐ度に漏れるサガミの荒い吐息に、俺も激しく煽られ、絡ませる舌の動きが自然と激しくなっていく
くちゅくちゅと、卑猥な唾液の音が、静まり返った資料室に響き、更に興奮した


ゆっくりと唇を離せば、頬を紅潮させ、口の端から唾液の筋を細く零したサガミが、苦しげな表情で肩を上下に揺らす
あまりにも妖艶な目下の彼の姿に、俺は思わず目を細めた


「――…サガミ、俺のこと好き?」


いつぞやの問いかけと大変良く似た質問。似ているようでいて、全く対称的なのだが
しなやかな首に指を這わせながら、俺は小首を傾げサガミを見つめる
はあ、はあ、と荒い息を繰り返しながらも、彼はうっすらと開いた唇から、絞り出したような掠れた声を上げた




「…ん、…ぅ、す、…うき…」




―…やばいな、今俺気色悪い笑み浮かべてそう
緩む頬を引き締め、平静を装うものの、込み上げる歓喜の思いは止め処なく溢れ出、抑えがきかない




うん、と一つ相槌を打つと、俺はサガミの首筋に舌を滑らせ、鎖骨を強く吸い上げた


「…ぁっ…ぅ」と、サガミの微かな喘ぎが聞こえ、俺は薄く笑みを浮かべる
赤く咲いた痕は、彼の雪肌にとてもよく映えた


俺のもんだって証拠だよ、だなんて、有りがちなクサい台詞が浮かんだが、やめておいた
そんな胡散臭い演出なんかやめて、今は静かに浸っていたい






サガミを手にした、優越に。


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