出会いが欲しい
メル友募集宣言
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時計屋
[1]鸚鵡:09/23(火) 01:00:26 HOST:i121-119-51-4.s05.a005.ap.plala.or.jp
午後の街は、店だしの準備に入り、騒がしくなりつつある。
この坂から見える、青い海まで行ってみたい気もするが、此方の店も気になる。
ここだけ違う。俺が好きな匂いだ。
緩む口元を引き締め、店の扉を開けた。丁度、2時の鐘がなる頃だった。
[6]鸚鵡:09/25(木) 21:45:51 HOST:i121-119-51-4.s05.a005.ap.plala.or.jp
◆もなこ様
初めまして、鸚鵡です。コメント有難う御座います!!
この国は、一応・・・フランスなんですが、全く知識とか無いので、目茶苦茶です!!(お金のあたりとか・・・。
まぁ、外国ってことは確かです←
アルは、幼い人ですね。(意味不明
有難う御座いました!!
[7]鸚鵡:09/25(木) 21:53:31 HOST:i121-119-51-4.s05.a005.ap.plala.or.jp
「なぁ、セティ。どこか安い宿とか、無いか?」
「・・・・L'auberge de l'abeille(蜜蜂の宿)。」
「さっき行った。満室だったよ。」
あの汚れた宿も繁盛しているのか。
「お前は、昨日どこに泊まったんだ。」
「La maison du mouton(羊の家)。床で寝たような物だけどね。」
ヒヒッと苦笑する、アルはミィツの口に指を入れ、尼齧りして貰っていた。
そんなコイツの姿を細めで見ていると、口から意外な言葉が出た。
「俺の家に泊まるか?」
「え?」
突然、何を言い出したんだ。こんな若者の世話なんかしたくない。
俺は、どうしてこんなことを言ったんだ。
「いいのか?!優しいな、セティ!!感謝するよっ!!!」
「・・・あ、あぁ。」
握手をせがまれたが、断った。
「・・・・で、いくらなの?」
「無料だ。」
そんなに金には困っていない。時折、時計を買っていくやつがいるからだ。
「良いの?!ホントに、払わないよ?」
「払って貰っても構わない。」
微笑みかける、アルの顔が異様に眩しかった。
久しぶりに見た笑顔だった所為だろうか。
「二階に上がれば・・・いや、案内する。」
「広いねーっ!!!」
ミィツを抱き、二階へあがった。時計ばっかの二階に、感嘆するアルは、時計が好きなようだ。
奥から二番目の部屋を開け、中に入った。
「広ー!いいの?こんなところ無料で使って。」
「好きにしたらいい・・・。」
窓を開け、空気の入れ替えをした。
その時、下からカチャンとガラスのような音がした。泥棒だ。
「目敏い盗み鼠め・・・。」
「泥棒か!?・・・・よっしゃ、恩返ししてやるよ。セティ。」
アルはそう言い、窓から飛び降りた。何てことだ。此処は、二階だというのに。
カーンと金属の高い音が聞こえ、アルの笑い声が聞こえる。
「おーい、セティー!!!捕まえたー!!!ポリス呼んでー!!!」
「まったく・・・、どうなっているんだか。」
省4
[8]鸚鵡:09/25(木) 22:25:14 HOST:i121-119-51-4.s05.a005.ap.plala.or.jp
「セティ、ほら。」
「・・・ん。ありがとう。」
時計を受け取り、小さく礼を言った。青い目が開き、笑っている。
「セティが、ありがとうって言った!!」
「・・・くだらんことで喜ぶな。」
金色の頭を豪快に撫で、店内に戻った。
店内は、夕日に包まれ時計たちが輝きだした。
「おい・・・?何、棒立ちしている。街でも歩いてくるのか?」
「・・・・いや、入る。」
ヘラヘラ顔が、急に引き締まり、歩いてきた。不思議に思いながら、階段を上がった。
急に無口になられても、困るものだ。アルを横目で見ると、夕日の所為か顔が赤く染まっていた。
熱でもあるのか?こいつは。
「お前、病人なのか?」
「・・・え?あ、あ・・・そうかも。」
頬に手を当て、小さく呟く声を聞いて、何だか不安になってきた。
長居・・・するつもりじゃないだろうな。
「熱があるなら、早く言え。部屋に入っていろ。」
「・・・あ、うん。」
フラフラと揺れる体に呆れながら、氷枕と水を用意し、二階へ上がった。
部屋には、壁に体を預け、座っているアルがいた。かなり怠そうだ。
「ベットが、無いんだったな。」
「いいよ。床、冷たくて気持ちいから。」
苦笑するアルは、水を飲み立ち上がった。
「風邪じゃ、ないみたい。用意させて悪かったね、セティ。」
「・・・・人騒がせな。」
氷枕を置いて部屋を出た。厄介な奴を泊めてしまったな。
頭を掻き、階段を下りようとしたとき、アルが言った。
「ねぇ、セティ・・・・。もっかい、頭撫でてよ。」
「・・・・・・甘えん坊か?」
「そう。甘えん坊。」
歩み寄って来るアルの頭を仕方なく撫でた。金色の艶やかな髪は触り心地が良かった。
ふふっ、と零すような笑いをしたアルは、上目で俺を見てきた。女顔め。
翠の瞳が覗く。
「なんだ?」
「・・・いや、セティって・・・渋くていいなってね。好きだよ、そういう男性。超好み。」
「冗談は止せ。」
省15
[9]鸚鵡:10/04(土) 20:14:26 HOST:i121-119-51-4.s05.a005.ap.plala.or.jp
後ろにはチャッカリ、こいつも居た。
「どこ行くの?」
「本屋だ。付いて来るな。」
辺りをキョロキョロしながら、アルはそれでも付いてきた。
本屋に入り、店長が話しかけてきた。
「よお、セティ。先月、大量の本を買ったばかりじゃないか。もう、読み終わったのか?」
「一ヶ月と言うのは、本当に早いものだな。新刊、見せてくれ。」
カタログを見ながら、本をチョイスしてくと、アルが割り込んできた。
「ねねっ、セティ!!これ、面白そうだよねっ!?」
「・・・・子供向けは読まない。」
カエルの絵本を見て、面白そうなのにー。と呟くアルは、そんなに本が好きそうには見えなかった。
五十冊程度の洋書を注文し、アルと店内を出ようとした。
「セティ。今度、ティムズ・アルヘンが近くのパーティーに招待されたらしい。サインでも貰いに行くか?」
「興味深い話だな。今度聞かせてくれ。じゃぁ、三日後。」
アルヘンが来るとは、嬉しいことだ。二十代から、アルヘンの文才に魅入ってしまい、どんどん夢中になったのが蘇る。
若かったな、あの頃は。
「おい、夕食・・・何がいい?」
「何でもいいさ。あ、カルパッチョにしよう。作るのは得意だよ。」
「信用出来るんだろうな?お前の、腕は。」
「勿論。」
具材を買い、家へ帰った。すっかり日が暮れてしまった。
電気をつけ、奥へと進んだ。
「セティの家って、目茶苦茶広いんだな!!時計屋を前に出して、あとは家だってさ。」
「貧乏なのか?お前の家は。」
首を横に振り、大富豪。と言ってきた。憎たらしい奴め。俺の家を侮辱したように聞こえるぞ。
「でも、俺は貧乏だよ。旅、してるからね。一人旅。」
「羨ましいな、そんな余裕があって。」
「そうでもないさ。結構、辛い。だけど、いろんな人に出会えたから、楽しいかもね。」
苦笑する、アルはフライパンに油をひき、炒め始めた。 省44
[10]鸚鵡:10/04(土) 20:24:08 HOST:i121-119-51-4.s05.a005.ap.plala.or.jp
その夜、アルは今まで旅してきたことを話してきた。13ヵ国を旅してきたという。長い旅だな。
「シャワーいい?」
「奥行って、左だ。」
アルが、奥へ消えると、早速時計作りを没頭した。
アルヘンの為に時計を作って欲しいという依頼が書かれていたからだ。六日で出来るかどうか。
アルヘンの為なら、何だってしてやるのだがな。
眼鏡を掛けなおし、金属をバーナーで柔らかくするところから始めた。
久しぶりに、気合を入れて作る時計だったわけで、緊張していた。可笑しいな、全く。
「・・・・・セティ。」
「なんだ・・・、もういいのか?」
バスルームに入ってから、30分足らずで上がってきたアルは、眠そうな声で俺を呼んだ。
「ベットなら、俺のやつを使え。階段上って直ぐだ。荒らすなよ。」
「・・・いや、ここにいる。この子もいるし。」
ミィツは腹を見せ、寝ていた。愛くるしい顔を、フニフニと触っていた。
作業している間、アルは大人しかった。寝ているわけでもなく、ただミィツを優しい眼差しで見ていた。
5時間は経過しただろうか。喉が渇き、作業を一旦止め、アルを見ると、膝を抱えたまま寝ていた。
右の頬を膝に乗せ、ミィツを見ていたように。
「おい、ベットで寝ろ。風邪をひくぞ。」
声を掛けたが、返事は無い。熟睡している。
仕方ない、運ぶか。
21歳とは思え無い、細さと軽さに仰天しつつ、部屋へと運んだ。何も食べてこなかったのだろうか。
月明かりで、部屋は蒼白く光り、コイツの肌も白く冷たそうに見えた。
窓を開け、部屋から静かに出た。
「もう一頑張り・・・するか。」
背伸びをし、下へと降りた。
アルヘンは、どんな時計が好きだろうか。文字に花でも飾ろうか。紺色と赤を加えたほうが良いだろうか。
小説から読み取る、アルヘンの性格・趣味を考え、時計と向き合った。
もう直、夜が明ける。
食器の音で目が覚めた。 省35
[11]鸚鵡:10/04(土) 20:26:21 HOST:i121-119-51-4.s05.a005.ap.plala.or.jp
「セティ?長いね・・・どうかした?」
「・・・・なんでも無い。」
バスルームの壁に寄りかかる俺は、声を振り絞った。頭が痛い。
早く、治れ。
歯を食い縛って、目を閉じた。
気付いた頃には、消えていた耳鳴り。一体、どれ程、こうしていたのだろうか。
シャワーを止め、外に出た。
「・・・なんだ、お前・・・ずっといたのか?」
「うん。心配だったから。」
自分でも分かってしまうほど、顔が赤くなったような気がする。嬉しかったんだ。
心配されるほどじゃ無い。そう呟き、タオルを巻いて、出て行った。
他界した祖父にしか愛された記憶が無い俺には、アルのような優しい言葉がどうしても、体の一部を蝕む。
苦しいわけじゃない。慣れないことをされると、どうも恥ずかしくなるんだ。
「セティ、ご飯食べようよー。」
「・・・そうする。」
今日、久しぶりの顔が見えた。
友人の、ハルゲイツ・ムーントだった。彼は、売れている画家の一人だ。
アルが、店番をやってくれていたので、呼ばれて初めて気付いた。
「やぁ、セティ。調子はどうだい?」
「ムーント、久しぶりだな。お前こそどうなんだ、絵のほうは。」
楽しいよ。と笑顔を見せる、ムーントは、紙袋から8号サイズの絵を取り出し、渡してきた。
「やるよ。店にでも飾ってくれ。」
「・・・いいのか?金は渡さないぞ?」
鼻で笑われ、俺も少し笑ってしまった。
すると、突然アルが言い放った。
「セティ!!アンタ、笑えるのかよ!!」
「何言っている。あたりまえだろう。」
アルは、驚きながらも笑っていた。
いちいち、コイツは俺の表情に反応しすぎだ。
「そちらの可愛い少年は?」
「居候。値切り客だ。」
「アル・デノワーデン。アルって呼んで。」
ムーントと、アルが握手を交わし、小さく言った。
「コイツ、接しにくい奴だろ。」
「・・・・そうかな?」
「ムーント、お前そんな事を思っていたのか?」
省39
[12]鸚鵡:10/04(土) 20:34:55 HOST:i121-119-51-4.s05.a005.ap.plala.or.jp
「ムーント、次はどこへ行くんだ?」
「日本だ。まだ、行ったことがない。」
日本。随分遠いな。
「画家は、随分とたくさんの国を回るんだな。羨ましい。」
「なんだ、セティ。お前も行くか?一緒に。」
「そんな時間は無いな。残念ながら。爺さんになったら、気楽に旅でもするよ。」
午前の街は、やや騒がしい。市場をやっている所為だろう。
「そういえば、いつ帰るんだ?」
「んー・・・・日本行って、アジアを周って・・・。一年は戻ってこないだろう。」
「そんなにか?」
ニヤっと笑うムーントは、寂しいのか?と尋ねてきた。
「いや・・・まぁ、そうかも知れないな。」
「なんだ?久しぶりに会ったら、やけに素直になってるな。」
アルが、来てからだ。なんとなく、こうなってしまった。
「アイツが、勝手に俺のことを可笑しくさせたんだよ。全く、迷惑なやつだ。」
「・・・・アル?」
頷き、微笑した。アルの顔を思い出したからだ。変な奴だ本当に。
「セティは、随分と気に入ってるようだな。あの子のこと。」
「そんなはずは無い。」
「だったら、何故、嬉しそうな顔をするんだ?」
急に、人気が全く無い路地に連れられ、壁に押された。
ムーントの細い指が、俺の頬に伸びる。
「セティは、そんな奴じゃ無かった。もっと、冷めた雰囲気を纏ってたはずだ。
久しぶりに会ったとき、あの子を見て異変を感じた。お前が、人間を雇うはずが無いと思ったんだ。」
「ムーント、どうしたんだ・・・?」
ムーントの翠の瞳が、俺を放さない。至って、慌てない俺は何かの冗談かと思っていた。
こいつの言葉も、次の行動も。
「・・・セティ、好きだ。離れないでくれ。」
唇を寄せ、キスをしてきた。
そうか、絵を描いていると、冒険してみたくなるんだろうな。
仕方ない。アーティストはこうでなくちゃいけないのだろう。そういう勘違いは良くあることだ。
省38
[13]道化師:10/04(土) 20:45:31 HOST:05004019231081_gj.ezweb.ne.jp
初めまして!
最初はただBLってだけでなんとなく見てたのですが、読んでいるうちに惹かれちゃいました!
頑張ってください、応援しますっ!
[14]鸚鵡:10/05(日) 11:51:34 HOST:i121-119-51-4.s05.a005.ap.plala.or.jp
◆道化師様
初めまして、鸚鵡です。
惹かれたなんて!!恐縮です。
ようやく、展開していく・・・と思いますので。
応援有難う御座います。頑張らせていただきます!!
有難う御座いましたー。
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