調子が悪い方
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観測ライン

[1]8ko:08/28(木) 13:34:41 HOST:59-171-33-182.rev.home.ne.jp
初めまして、こんにちは…!はちこと申します…!
恐れ多くも初投稿させて頂きます。。
皆様の目に合うかは疑問ではございますが精一杯書かせていただきますゆえ!


[68]8ko:10/12(日) 14:24:39 HOST:59-171-33-182.rev.home.ne.jp

ブチッと携帯を切って、ポケットに突っ込んだ。
その一部始終をはっきり見ていた俺は、とんでもないことに気づいてしまった。

どこかで見たことあるような顔と、見たことあるような髪色。
高校生、旅行ばっか行ってる親
とどめに、彼女のもっているバックから覗く、『見崎 詠瑠』という文字。
見崎という名字に見覚えが無い訳が無い。
確信した。

「…あの もしかして」
「?、あたし?」
「梅のお姉さんですか…?」
彼女はびっくりした表情をしてから 俺を上から下まで舐めるように見て、
大笑いした。
「あっはっはっは!あんたが松くんかー!へー、ふーん、はぁーん
あいつ面食いだなー」
「はいッ!?」
「お察しの通り、梅の姉の見崎詠瑠(える)といいます。
よく気付いたねえーそれでこそあたしの弟の選んだ子!」
どうやらお姉さんは弟がホモってるのをご存知らしい。
よくそれで仲良く出来てるな。さすが見崎家。

「いやいや松くん!いつもうちのダメ弟が世話になってるねぇー
よくあんな奴をいれても良いと思えるよねー女から見たら信じられないよー」
「ああ、ええと、それは下ネタですね」
「ところでさ、松くん あたしも馬鹿じゃないんだ?
で、あたしなりに推理してみたんだけど。」

お姉さんは、無い眼鏡をクイッとあげる振りをして、
口元を綺麗に曲げた。
「君のその、さっきまで泣いてましたって目と、さっきから携帯気になって仕方ない感じと、
昨日の弟の突然の号泣と動揺を総合するに、

君たち、喧嘩しましたねぇ」
図星?と、彼女は 梅に似た笑顔をつくった。


[69]8ko:10/12(日) 14:43:34 HOST:59-171-33-182.rev.home.ne.jp
なんて人だ、彼女は。
詠瑠は、着信したメールを見るなり、高速で何かを返信し、
送信した。
「って訳で 彼氏との約束断りました。ドタキャンはカップルに付き物ってことで!
さあ、語ってもらいましょうかぁ松くん!」
彼女は俺の手を引っ張って、半ば強引にファミレスに俺をぶち込んだ。
梅に似てるといえば似てるところもあるが、このテンションは梅に勝る。
年が上ほどテンションが高いならば、両親はもっと凄いのだろうか。


「ふえー!引越し!あららら」
「…で、その話を梅にしたところ」
「『行った方が良いよ 家族って大事だからさ』」
お姉さんが、梅に似せた声色で肩を竦めながら話す。
「…まあ そんな感じで 喧嘩じみた感じで」
全部話し終わって、お姉さんは真剣な表情で全部受けとめてくれた。
彼女は、ミルクティーを一口飲んでから、カップをソーサーに静かに降ろし、微笑んだ。

「仲が良いね 二人は。」
「…」
「知ってる?喧嘩するとね 相手が好きであるほど、涙が出る。
涙の数と相手への想いは比例するのさ」
なんて俺は、涙もろくなってしまったんだろう。
また涙が出て。お姉さんの優しさにも、改めて、俺の中の梅の大きさにも泣けた。

「私にはね、松くんがどうすれば良いか助言してあげる権利は無いの。
あくまでも自分の意見で答えをださなきゃ、一緒に成長できなきゃ意味が無いから、ね?
ただ一つ言ってあげるとね、梅も、今 おんなじ想いで悩んで泣いてるよ。
だって、両想いでしょ?」
頭を撫でられた。ありがたい暖かさだった。
「私は梅の味方だから、松くんの味方。だって、弟があんなに好きな子だもん。」
俺は、答えを出さなきゃ行けない。

[70]8ko:10/13(月) 00:20:11 HOST:59-171-33-182.rev.home.ne.jp

帰宅した。兄貴は集中して、何か仕事をしていたので、
俺の帰宅には気付いていなかった。
『手出して?ほら、私の手の平の方がこーんな小さい。
私みたいなちっさい手の人間が幸せを掴めるんだよ?
松くんなんて、もっと大きな幸せ、掴めるんじゃない?』

去り際、詠瑠さんに言われたことだった。
俺にとっての幸せは何だ。
梅と一緒にいることか。家族と一緒にいることか。
答えなんて一つしかないだろう。

「…あ 松 帰ってたのか」
「兄貴 座って」
槙は、決まったのか?と伺う目で俺の前に座った。
「まず、俺に報告に来てくれてありがとう。母さん生きてて嬉しかった。
結婚も、おめでとう。」
「うん。俺も…」
「でね、引越の事なんだけど…」
槙が緊張しているのが分かる。俺まで緊張してきた。

「ずっと 考えた。一日中、二日中考えた。
こっちの友達も、あっちの家族も 両方大事だって、
どっちか欠かすことができない事が分かった。
だってさ…、今までずっと一緒だった『友達』と、
離れてたけど俺にとっちゃ数少ない『家族』だよ?
どっちかをとったらどっちかが遠い存在になるんだよ…?」

くっそ、話してるうちに涙が出そうになる。
と、思ったらもう既に流れていた。


[71]8ko:10/13(月) 16:36:19 HOST:59-171-33-182.rev.home.ne.jp
槙は、深い溜息をわざとらしくついて、手を俺の頭に乗っけた。
「泣くなよ全く。男だろ」
微笑んだ槙は、それはもう女ならイチコロ悩殺スマイルで。
俺は余計に切なくなった。
「心残りの無い答えなんて、出なかった」
ごめん、と付け加えて 俺は槙に言った。
家族も友達も どっちも大切な事が分かったんだ。
今までどうでも良いとさえ思ったものが、とある人間との出会いで、考えが変わった。
見崎 梅。
影響は甚大である。

意を決して、言った。
「俺には大切な人が居ます 誰かと替えることの出来ない人が。
ここを離れたくない」
手が震えていた。俺は家族を捨てた。
「…お前、今中学生だろう?」
「…?うん」
「俺が、平和に家で暮らしていた年だ。お前はまだ生まれてすぐだったとおもう
俺が平和だった年で、お前は苦しんでたんだな
だから、今度は俺が幸せにしてあげないといけないんだ。
中学生って義務教育中だろ?
お前は気を遣いすぎなんだよ。性格を制御し過ぎ。
わがままを言いなさい。子どもの仕事なの、わがまま言うのは!
俺がもし、お前の年で、どっちか選べっつったら
間違いなく言うね、「やだ」って。
ごめんな、選ばせるような聞き方して…良く考えたら、一番の解決策なんてここにあるじゃねえかな。」

俺の頭をゴシゴシなでて、小さい子をあやすみたいに抱きしめられた。
覚えているはずの無い、兄貴と遊んだ記憶が蘇った。
この家で、いっぱい遊んだんだ。

「なあ松。この家には何人住めるかなあ。
二階の角の部屋はお前の部屋で、隣が俺と優映。その正面が母さんでいいかなあ
一番の解決法は、この家にみんな住むことだ
俺の仕事なんてどうにでもする。
東京の空気より こっちの方が母さんに合ってるだろうし、
優映なんて「ステキッ!」てすぐ気に入ってくれるよ」
笑いながら話す槙の目が、キラキラしていた。
省6

[72]8ko:10/13(月) 16:49:42 HOST:59-171-33-182.rev.home.ne.jp

その日の夕方、俺は昨日までの悩みが何だったのかってくらい晴れ晴れとした気持ちだった。
小走りで梅のうちに行った。
あいつには言いたいことが山ほどあるんだ。
インターフォンを押すと、お姉さんらしき声が返って来て、
扉を開けたのは梅であった。
「…松」
「なんか久し振り…?」
「まあね」
思いっきりトーンの低い声と、目元が少しだけ腫れていた。
ついでに頬も腫れていた。
「…頬が腫れてる」
「姉貴にぶん殴られた。意味わかんねえ」
言いたいことは山ほどある。そのはずなのに言葉が浮かばん。
「あの…っ、俺」
「松、もう会わない方が良いと思うんだ」
「…は?」
「お互いさ、心残り出来るじゃん…?」


[73]8ko:10/15(水) 15:29:39 HOST:59-171-33-182.rev.home.ne.jp
何を言い出すんだ、ってね
俺が怒らなかったのは、梅の声が微かに震えていたからだ。
最近涙もろくなってきた。
梅の些細な心遣いをみて 涙が出そうになる。

「だから…ッ もう おれに ち か よ、、、
る…なぁぁぁぁ……って
やっぱ無理だ―!!!」

突然の梅の叫びに、ビクッとして さらに梅にがしっと抱きつかれた。
いつもの倍は強く抱きしめられた。

「俺、やっぱやだよ…!わがまま言ってごめん、松…
家族って大事だから…、松にもそれを知って欲しいって気持ちは十分あるんだ?
…だけど、言葉に表わせられないレベルで 離れたくない…
松と離れるなんて……無理、考えられない…
俺死んじまうよ、寂しくて…ダメ。やだ…行って欲しくないよーくっそ…」
何回もごめんと言いながら、兄貴のごとく弾丸トークを続ける。
俺が梅に対して何度も思ったことだ。
子どもみたいだけど、
やだ、離れたくない、無理、
考えてることが一緒なあたり、同じ心の形をしているんだろう。

梅から、軽く体を離した。
「やー…見ないで、顔…ッ」
「聞いて?梅」
「やだ…けど…聞く」
「真っ先に言えなくてごめん。いや、まあさっき決まったんだけど
一緒に暮らせるんだ。こっちで、母さんと、兄貴と、お嫁さんと!
兄貴がね、わがまま言えって。だから…言ったんだ?
ここから離れたくないって でもみんなで暮らしたいって、
人生で一番でっかいわがまま言ったんだ」

梅は、目を大きくして 半信半疑に近い表情ののち、
ちょっと理解したかと思いきや またもやキョトンと俺を見つめた。

「梅、お前が居なかったら 俺は多分何も考えずに引越してた
兄貴に言ったんだ
大切な人がいるから嫌だって。
梅のことだからね?」

柄にも無いと、俺が一番分かってる。
ここ最近の俺はどうかしていた。 省12

[74]8ko:10/15(水) 15:51:24 HOST:59-171-33-182.rev.home.ne.jp

次の日に、兄貴は色々やらなきゃいけないことがあるから、と言って東京へ戻った。
本格的な引越しは冬休みになるだろうが、
来週あたりに1度、優映さんと二人で来てくれるというので、楽しみにしておくことにした。

仲直り(?)して、詠瑠さんとまたお会いした。
いっつでも遊びにおいでー親なら黙らせてあげるから!と
目から☆を飛ばして笑った彼女からも、
梅に似たドSオーラが見え隠れしたのは秘密である。
ここ数日が、長かった様で全然長くなかった。
恋仲というのは、喧嘩して別れるかより一層仲良くなるかの2つしか無い。
依って、俺たちはより一層仲良くなったと思う。

もう多少の誤解や事件ではそうそう喧嘩にならないだろうって位大きい悩みだったから、
突然の解決は、俺の脳内を、公園からブランコとジャングルジムを撤去した並に殺風景になってしまった。

「ええっ!?詠瑠と会ったのッ!?」
「…うん?聞いてない?」
「なんっも聞いてねえよ…!何か変なこと言ってなかった?」
何気ない会話の中で、詠瑠さんに会った話題を振ったら、
まったくご存知無かったらしく、今に至った。
「変なこと…?つーか、お姉さん、梅と俺が付き合ってる(?)こと知ってるんだな
どんな流れで話すの?そういうの」
梅は、俺が言った言葉で硬直した。
「……はははは話すわけないだろ…そんなこと実の姉に…」

うん、見崎 詠瑠。
侮るなかれというやつだ。


[75]8ko:10/19(日) 09:50:22 HOST:59-171-33-182.rev.home.ne.jp
最近エロ無かったからがんがん飛ばすぜー!
――――――
放課後、教室、二人きり。
少女漫画ならありきたりながら一番感動的シチュエーションである。
引きうけてしまった雑用を難なくこなし、気付けば時刻は夕方6時。
一般生徒は下校し、部活の生徒が疲れてきている時間である。
部活によってはもう活動をやめている暗さと寒さ。
セーターを下に着ているとはいえ、寒さは半端無く。
俺しか残っていない教室で、ストーブを焚くわけにもいかず、
厚着して肌寒さを凌いでいた。

いつもなら梅が迎えにくるはずだが 梅自身も委員会か何かで遅れている。
寒い時に寝ると死ぬというのだが どうやら俺も疲れているらしいな。
この寒さでも睡魔の野郎がふらっと現れた。
片足を夢の世界に突っ込んで 俺は水底に沈むが如く 意識を失っていった。



[76]8ko:10/19(日) 10:14:00 HOST:59-171-33-182.rev.home.ne.jp
「あ 目ー覚めた?」
目を開けると 教室が暗くて、梅の声がするのは分かるんだが
寝起きと暗さでよくわからない。
目をこすって上半身を起こすと、薄暗いながらも梅が確認できた。
「…あ 俺寝てた…?悪い」
「疲れてるんだろ いいよ全然。つーか寝顔めっちゃ堪能したし」
アホ、とツッコミをいれ じゃあ帰る?みたいな感じで立ち上がろうとした瞬間、
立ち上がった梅に腕を掴まれた。
「え 何」
「最近さ…全然ヤってないよね」
…梅が、イジケています。
ちっさいこみたいにちっさくなって、口先を尖らせて、
上目づかいでこっちを見ている。
エサを欲しがる子犬みたいだ。
「…寂しいなー なーんて 思ったり。」
「…まあ色々(58〜73の間の色々)あったしね」
「寂しかったり やりたかったり ラジバンダリ」
「ツッコんだほうがいいか?」
っじゃなくて!と切り替えした。話しを曲げたのは梅だっつーの。
「俺ン中、今松とヤりたい鬱憤でいっぱいなの!」
「うっ!?うん」
「だからね、ね!」
壁に押しつけられて いつもより濃いキスをした。
最初は拒んだのに いつのまにか溶かれて
舌でぜんぶ絡めとられた。
「…んっ ふっ…ッやめ…」
抵抗して壁に押し当てられた腕を動かそうとするが
こういう時の梅は果てしなく強い。動かない。
なんとなく、無事家に帰れたら、筋トレしようって思った。


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