出会いが欲しい
メル友募集宣言
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夢の国
[1]無花果:03/29(土) 15:29:13 HOST:softbank219053218074.bbtec.net
はじめまして。無花果と言います。
初心者なので、見ずらい+わけわからないと思いますが、ご了承ください。
尚、この小説はフィクションであり、関連する団体、個人、その他の固有名詞などはまったくもって関連しておりません。
[82]無花果:11/02(日) 00:24:07 HOST:softbank219053218074.bbtec.net
輝視点
なんでこんなところに先輩がいるんだ…。
・・
この女の人にまた危害でも加えたのか?
嘘つき。先輩はあの事件以来、俺を条件に、女性は襲わな
い、って約束したのに。
俺は焦って、先輩の元まで急ぎ足で向かう。なぜか体が震
える。
この女性には、俺の元カノみたいにはなってほしくない。
「先輩…こんなとこで何してんですか?」
声まで震えてくる。そんなことしらねぇ。今は先輩が彼女
に何か危害を加えていないかどうかが心配だ。
「別に、何もしてないさ。今日だって、帰ってる途中に彼女
がぶつかってきただけだ。俺は今回は何にもしてねぇよ。」
「嘘をつくなっ!!」
言っておいてはっと気づく。俺は先輩に対してなんてこと
を口走った…?
「輝、その人は、この子をナンパしてた。輝の言うとおり、
嘘をついてる。」
たぶん、今の俺の目つきは最低だ。自分の先輩に対して、
なんて目つきをしてるんだろう、とも思う。でも、自分を止
められない。
「ナンパした、って、どういう意味ですか?もしかして、強
引にですか?」
先輩は何も言わない。俺はこのとき、本気で絶望を感じた。
俺は決心して、錬次と裕の方を振り向く。
「悪いな、裕。今日はここまでみたいだ。また今度、一緒に
行くから、それまで待っててくれ。錬次。」
「?」
「今日は悪かった。そっちの女性も、すいませんでした。」
俺はそれだけを言うと、先輩のことを連れて、先輩の家ま
で行くことにした。
[83]無花果:11/02(日) 00:38:39 HOST:softbank219053218074.bbtec.net
錬次視点
「あのさ、さっきは気づかなかったんだけどな。」
「うん?」
「そいつ、水城だろ。」
へぇ。
心底驚いた。僕がプロデュースしたのに、見破られるとは
びっくりだ。
「よく解ったね。」
「そりゃぁな。俺の観察能力をなめられちゃ困るぜ。」
…僕は裕の観察能力を過小評価していたようだ。気付かな
いと思ってたのに。
「そうだね…。あ、そうだ。裕、水城を家に運ぶの、手伝っ
てくれない?」
「…ああ。暇だしな。それに…水城の心の問題だろ?これっ
て。」
「まぁね。」
裕は水城をお姫様だっこした。水城も、こういうときだけ
おきてられればいいのに。
眼はあいてるけど、たぶん今ここに水城の意識はない。と
いうか、目が死んでる気がする…。
もしかしなくても、やばい状況かなぁ…?
だとしたらしくじったな…。こっちの水城が出てくる前に
退散するつもりだったのに。
仕方ない。最後までの後始末は僕がやるしかないか…。
僕は裕と一緒に水城の家まで歩いて行く。本当は車の方が
効率がいいのだけど、今日はあいにくケータイを忘れていた
らしい。それに、歩いていた方が、家についてから裕にどう
説明しようかの整理もできる。
「な、錬次。」
「ん?」
「あとで何でこの事態になったか、教える気だろ。」
「うん、だって、教えてほしいでしょ?」
「まぁな。」
僕たちはそれ以後、家に着くまでの間、一言も言葉を交わ
さなかった。
[84]無花果:11/05(水) 22:06:29 HOST:softbank219053218074.bbtec.net
さてと。
もうついてしまった。
僕としたことが、まだ考えがまとめられていない。失敗…。
気を落としながらドアノブを回し、あかないことを確認し
てから鍵を開けた。
「…錬次、今何で開けようとした?カギかかってんの知って
て…。」
「だってね、誰かが水城の家の中にいたら、とっても困るん
だよ。」
「困るって…女装で?」
僕は黙って首を振り、後は何も言わなかった。
家の中に入ると僕は、すかさず鍵をかけた。そして、水城
の部屋に向かう。
「おーい、錬次。水城、どうすんだ?」
「……実は、まだわからない。」
「はぁ?」
裕の変な顔がちらつく。僕は話を続ける。
「前にもこういうこと、あったことはあったんだ。でも、シ
チュエーションが全く違う。それに、前回も…危なかった
んだよね。」
僕は前回のことを、頭でまとめながら同時に言葉に出して
いく。ああ、難しい…。
「裕は聞いたよね?水城が好きだった子に泣かれた、って話。
その時、水城は自分のせいだと思い込んで、今回みたくパ
ニック起こしたんだ。その時一緒にいたのが僕だった。」
裕は真剣に僕の話を聞いている。聞き上手なんだなぁ、と
思う。
「続きは?」
言われてハッとする。考えていて、話の続きをするのを忘
れていたらしい。
僕としたことが……。
「それで、その時の僕はいろいろと試行錯誤したんだけど…
ね。だめだった…僕には、水城を助けることができなかっ
た。」
「じゃ、今いる水城は何なんだよ。」
裕が真剣になって聞いてくる。僕は、予想以上の反応にち
ょっとびっくりした。
「今の水城は…、誰のおかげで立ち直れたと思う?」
そう。
「?誰なんだよ。」
本当のカギは…
「ヒントは入学式。」
僕じゃない。
「だから、誰なんだよ。」
入学式、僕たちの中に入ってきたのは……
「裕だよ。」
[85]無花果:11/05(水) 22:12:28 HOST:softbank219053218074.bbtec.net
裕が固まる。じっと目を凝らしていたら、口から魂が出て
くるのが見れそうなくらい、ぼうっとしている。
ためしに手を目の前で振ってみるけど、効果ナシ。
「裕?」
「……って、何で俺ー!!?」
いきなり叫びだすしまつ。
耳に響くってば。
「裕、水城が立ち直ったのは、この学校の合格発表の時。僕
たちは小学校からずっとおんなじ学校だったから、この学
校をみんなで受験した。その時に、水城の歯車がかみ合っ
ていった。そこにいたのは……」
僕は口をつぐむ。言わなくても解るはず。水城は、数百人
の中から、一人だけをピンポイントで解った。
だから、それを言われた僕たちも、その一人を僕たちの輪
の中に入れることにした。
その一人はもちろん……。
「もしかして、俺?」
僕はゆっくり、そして確かにうなずいた。
[86]無花果:11/05(水) 22:28:43 HOST:softbank219053218074.bbtec.net
裕はわかりやすい反応をする。
今は、え?なんで?っていう反応。誰もいないのに、あた
りをキョロキョロ…。
そして、人差指で自分を指して、間抜けな顔をして、俺?
と呟く。
「そうだよ、裕。君だよ。水城には内緒だよ。このことは水
城だけ知らないことだから。水城は、一回君にぶつかった
んだよ。と言っても、覚えてなくても仕方ないんだけど。
ま、それを聞いて、少なくとも僕だけは水城を救った人を
覚えておこう、って思ってたら、おんなじクラスで。」
そう。水城は覚えていない。だから、パニックをどう回避
できたのかも、いつ回避できたのかも覚えていない。
だからよかった。僕は、本当はさりげなく仲間の輪に入れ
るつもりだった。だからこそ、僕は初対面の裕に名刺なんか
を渡した。
でも、水城と輝が本気になるとは思わなかった。だけど、
これも運命だと思う。
僕の知らない間に、輝の心にも、巨大な闇が潜んでいた。
それを取り除いたのも裕だった。
二人は気づいてないけど、どこかには裕がかかわっていた。
そのことを頭で覚えてなくても、心は覚えているから、好
き、という感情になって現れた。
だから、僕たちの中が壊れてしまっても、誰も恨めない、
恨まない。仕方のないこと。
「だからね、今回のパニックも、裕が関係していればなんか
解決しそうなんだよね。」
「……だったら、どうやって意識を戻させればいいんだよ?」
僕は少し考えた。そして、おとぎ話の…子供の夢のお話を
思い浮かべた。
「裕、白雪姫って、知ってるよね?」
「…まさか……。」
裕の表情が曇っていく。その反面、僕の顔は二コリと笑顔
にしていく。
「そのまさか。ね、いいでしょ?」
「いいわけねーだろっ!!!」
僕が頼んだのは、所謂……。
白雪姫の水城がかかった呪いを解く方法、王子様の裕が姫
省3
[87]無花果:11/08(土) 22:22:55 HOST:softbank219053218074.bbtec.net
僕はきっと解っていた。
この四人の仲が壊れてしまうことを。
僕はそれが嫌なのに、裕に水城を助けてほしくて、この仲
が悪くなることを選んだ。
だから……。
お願いだから、裕がちゃんと水城の目を覚ましてほしいと
思う。
そのためなら、僕はいつだって、悪役を買う覚悟がある。
「ねぇ、裕。物は試し。騙されたと思ってやってよ。」
裕の顔が赤くなる。心の底からいや、と思ってることはな
さそうだ。
「僕が出来るなら、やってるよ?でも、僕じゃだめなんだよ?
そこのところ、わかってんの?」
僕はつい口が悪くなってしまうのを止めない。そこまでし
なきゃ、裕はことの重大さに気付いてくれない。……たぶん。
「わ…悪かった。お前だって、水城を助けたくて言ってんだ
よな。解ったから、その……悪いけど、この場から離れて
くんねえか?」
裕の言った言葉に、僕は耳を疑う。
僕は、裕はもう少し言わないと信用しないと思っていた。
それが、案外早く信用してくれた。僕のデータも、まだまだ
未熟だ。
「へぇ、キスする気、なったんだね。で、そのキスシーンは
見られたくない、と。」
そりゃ当り前だ。僕でさえ、席をはずしてもらわないと困
る。
それに、裕はこのことの重大さがもう解っているはずだ。
だから、僕が疑う必要も、理由もない。
「解った。僕はもう帰るよ。水城を…悪い夢から覚ましてあ
げてね。」
僕はそれだけ言って、荷物をまとめて水城の家を出た。
裕が、水城の見ている悪い夢から救い出してくれることだ
けを夢見て……。
[88]無花果:11/08(土) 23:09:40 HOST:softbank219053218074.bbtec.net
裕視点
俺は錬次を追い出したあと、心の中で何回も踏ん切りをつ
けていた。
(錬次から頼まれたじゃないか)
(水城を悪い夢から救い出してほしいって)
(これだけで水城が覚めるなら、安いもんだ)
そんなことを、心の中で何回も繰り返す。
そして、ふと思う。
輝がやるみたいなねちっこいのと、俺が気づいたらやって
るようなキスと、どっちがいいのだろう?
と、考えてるひまもない。俺は俺自身を信じて、水城にキ
スをする。
そして、数十秒したら離す。
……やっぱり、起きない?
俺はがっくりとうなだれる。
そして、錬次の言うとおり、物は試し、ということで、輝
を見習ってみることにした。
「水城、すまん……。」
起きてないことを承知でまたキスをする。
俺は専門用語で言う「攻め」になれてないため、あんまし
こういうのはうまく出来ない。
でも、一応一生懸命頑張った。
水城がまた、笑って俺たちの前にいてくれることを願って。
[89]無花果:11/09(日) 21:50:13 HOST:softbank219053218074.bbtec.net
水城視点
頭の中では、もう起きたい、もうこの暗闇から逃れたい、
と、ずっと思っている。思っているのに、なかなか抜け出せ
ない。
迷路の中に迷い込んでしまったような、そんな感覚。
眼はあいているのに、真っ暗で何も見えない。早く僕は錬
次に「ありがとう」って言いたい。裕とも一緒に遊びたい。
輝とも、ライバルとして、いろんなことを競い合いたい。
僕はもう、こんな世界は嫌だ。
だから、この悪い夢から早く冷めたい。
それで、あーあ、びっくりしたって笑いたい。
それも出来ないなんて、僕は嫌だ。
唇に、温かいものが当たる。誰?何?僕に感覚を与えてく
れているのは、誰?
その温かいものがなくなった時、僕はもっと欲しい、と思
ってしまう。もっと、僕の心をほぐしてほしい。もっと僕の
心の中のタンクをいっぱいにしてほしい、と。
「水城、すまん……。」
え?
裕?
なんで……裕が………?
考える間もなく、唇にまた温かいものが当たり、そして、
生暖かいものが口の中に入ってくる。
ああ、そうか。
僕の心のタンクを満たしてくれるのは、誰でもない裕なん
だ。多分裕は、僕にキスしてくれているんだ。
嬉しい……。
早く、このいやな世界から抜け出させて。
早く、裕の顔を見させて。
早く……早く、僕に「ありがとう」って言わせて。
僕に、感謝することをさせて。
気づくと、目の前に広がる世界が一瞬にして明るくなり、
そしてにじむ。顔を涙が伝う。
やっと戻ってこれた。
昔も、こんなことがあったと思いだす。
あの時のパニックも、裕のおかげだったと、思う。
僕はあのいやな世界から抜け出せたんだ。抜け出すために、
裕の力も借りたんだ。
目の前で赤面して、おどおどしてる裕が、僕に手を差し伸
べてくれたんだ。
「裕……ありがとう………裕…!」
省22
[90]無花果:11/15(土) 19:16:41 HOST:softbank219053218074.bbtec.net
裕視点
水城の目から、涙が伝う。俺はギョッとして、俺のやった
ことにおびえながら、ハラハラしていた。
だから、水城があれで起き上がってくれるとは思わなかっ
た。それに、水城にちゃんと「記憶」がある事も…ちょっと
嬉しいけど、結構残念だった。
体に感じる水城の「力」には、何とも言い難い感情が入り
混じっているように思えて、俺はなかなか話せなかった。
「あー……水城、ちょっと、錬次に連絡しなきゃいけないか
ら、ほら、その……泣かないでくれ…。」
そう言うと、眼前に水城のぶっさいくな顔が広がる。思わ
ず噴き出す。悪いと思ったけど、どうしても笑いがこみあげ
てくる。
「わ、悪い…おかしすぎ、水城の顔…。」
「え!?そんなにひどい!?でも、そんなにひどいからって
そこまで笑う!?」
俺は安心する。ここに残っているのは、俺の知っている水
城だと知って。
「悪かった。でも、泣きやんでくれて良かった。」
俺は錬次に連絡するため、ケータイをとる。そして、メー
ルが一通入っていることに気づく。
「…?」
俺は差出人不明のメールを開ける。
『夢の国へようこそ』
タイトルを見て、なんかの勧誘かな、と思ってすぐに迷惑
メールだと判断して、ゴミ箱に捨てる。
それがただの迷惑メールじゃないことも知らずに。
そんなことは知らなかったんだから仕方ない。
俺はすぐに錬次の電話番号を押して、電話をかける。
『もしもーし、裕。水城が目覚めたって言う知らせかな?』
「ビンゴ。」
『ふぅん…水城に代わってくんない?』
俺は素直に渡す。このときは錬次も水城のことを心配して
いたのだと思っていたから。
「もしもし…錬次?……うん、うん……。うん……え!?あ…
うん、わかった。じゃぁね。」
あ、電話切った。
別に言いたいことなんてなかったからいいけど。
省62
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