ピコ森 メル友掲示板

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ゆびわ

1: 名前:みどり☆01/06(火) 23:37:28 HOST:zaq3d2e3785.zaq.ne.jp





「そういえば、お前の好きな人誰??」





無邪気に笑いながらそう言った





あなたが好きです。






2: 名前:みどり☆01/06(火) 23:51:38 HOST:zaq3d2e3785.zaq.ne.jp


とある放課後…事件は起きた。


「――どーしよー…(泣)」

泣きそうになる。
カバンの中身はすべてだした。のに、
ちゃんとカバンのなかにいれておいたはずの「ゆびわ」がない。


あいつにもらったゆびわが…ない。


「家においてきたんじゃないの??」

呆れながら言うのは、あたしの親友、咲。


「そんなはずはない!!絶対いれたもん!!」

むきになって、ゴミ箱のなかまで探すあたし。


「もー…そんな初恋相手がくれた「ゆびわ」って…
 めちゃくちゃ昔じゃん。
 しかもビーズでしょ??もーいーじゃん可奈ー。
 帰ろー??」


無意識にほっぺたをふくらませてしまう。
スネた時や、怒ったときのあたしのクセだ。
このクセ、自分では気が付かなかったんだけど、あいつがこの前教えてくれたから知ったこと。



3: 名前:みどり☆01/06(火) 23:59:59 HOST:zaq3d2e3785.zaq.ne.jp


「もー可奈っ!スネないの!!」

咲がお母さんみたいに指摘する。

スネるなんて、小学生みたい。
そんな事、自分でもよくわかってるけど…
やっぱりふくらませちゃうんだよね。ほっぺた。

「…わかった。家で探してみる。」

ゴミ箱をもとの場所にもどした。
ちょっぴりずり落ちためがねをかけ直す。

あたし、視力めちゃくちゃ悪いんだ。


「よし!んじゃぁ帰るか!」

にっこり笑ってそう言う咲は、
ショートカットがとても良く似合っている。

教室を出て行く間際に、窓を通して空を見る。


とてもキレイなオレンジだった。




4: 名前:愛佳☆01/07(水) 08:48:46 HOST:ser355766013723249
上手デスね!!


参考にさせていただきます^^♪


私も加奈ちゃんの気持ち分かりますー。


前は恋してたんでね。←


私はもらったピアスが見つからないまま、終わりました。泣


5: 名前:みどり☆01/07(水) 12:22:15 HOST:zaq3d2e3785.zaq.ne.jp
愛佳さん◇コメありがとうございます(・∀・)
参考なんて!!こんな下手くそな文章を読んでいただいて、嬉しいです☆
あらーピアス見つからなかったんですか汗


6: 名前:みどり☆01/07(水) 12:37:04 HOST:zaq3d2e3785.zaq.ne.jp


「でさぁ、結局だれなのよ。初恋のあ・い・て!」

咲が軽い体当たりをしながら聞いてくる。


実は、まだ咲には教えていない。
初恋の相手が誰なのか。
そして、その人を……まだ好きだって事も。


「まだ秘密☆」

咲にまだ打ち明ける気がないあたしはそう言った。
まぁ、近いうちに言うつもりだけど。

「もーっなんでよーっ
 こんにゃろぉ〜今日こそはかせてやるっ!!」

そう言って咲はあたしのマフラーをきつくしめ始めた。

「うぇっ、ちょ、苦しいって!笑
 ギブギブギブッ!!」

「だから教えてくれたらやめるからぁ〜」

徐々に咲の手に力が加わる。

「だぁ〜!!!もぉわかったからっ
 明日!明日教える!!!」



7: 名前:みどり☆01/07(水) 13:10:40 HOST:zaq3d2e3785.zaq.ne.jp

「え、ほんとに??」

ぱっと手をはなす咲。
さっきまでの力が嘘のようだ。

「…う゛ーん?」

「どっちだよ。」

咲はツッコミがするどい。
その時に、咲の顔が冬の寒さで真っ赤になっていることに気が付いた。

それと同時に小さな氷の結晶も見つけた。

「あ、雪。」

「はい、話そらさなぁーい!!てかもう、明日教えてよね。
 もう決定だかんね★」

咲はにっこり笑うと咲に走り出して、【あ、雪だ!!】と叫んだ。



8: 名前:みどり☆01/07(水) 13:23:49 HOST:zaq3d2e3785.zaq.ne.jp



「――って事なんだよねー!!」

「えっまじで!?結局よかったじゃん★」


咲と話ながら下校すると、家につくのがとても早く感じる。

「アハハハ!!そうそう☆あ、ほんじゃねっまた明日☆
 …あ!明日絶対教えてよね!!」

「わかってるって!んじゃっばいばーい☆」

【ばいばい】と言ってから、咲はランニングも兼ねてか、走って帰っていった。


「――ただいまぁ」

家に入るとぬくぬくした空気があたしを包み込む。

と、同時に暑苦しくなってくるから、マフラーをとり、ブレザーをすばやくぬいだ。


9: 名前:みどり☆01/07(水) 13:51:21 HOST:zaq3d2e3785.zaq.ne.jp

「可奈ー?おかえりー。遅かったのねー。」

お母さんが濡れた手をエプロンでふきながら聞いてきた。


「まぁね〜…ちょっと探し物してただけっ」
「そぉ?あ、ご飯もうすぐだから、早くきなさいよ。」

お母さんに適当に返事をすませ、2階へのぼる。


「うっわ寒っ!!」

暖房もなにもしていないあたしの部屋は、外と同じぐらい寒かった。
まぁ、風がないだけましだよね。

エアコンをつけてから、楽なルームワンピに着替え始める。


そのとき、ケータイが鳴った。


カバンからケータイを取り出して、液晶画面を見ると…
…咲からのメールだ。


――――――――――
To.可奈
From.咲
――――――――――
やほぃ☆例のゆびわ、
見つかりましたかい??
――――――――――


見つかったか?って…


…まったく忘れてました。笑



10: 名前:みどり☆01/07(水) 19:08:38 HOST:zaq3d2e3785.zaq.ne.jp


正直なところ、もう諦めかけていた。

だってないんだもん。
まぁ、部屋は探してないけどさぁー…。



――――――――――
To.咲
From.可奈
――――――――――
見つかってないッ!!!
まぁ探してないヶドね笑
若干あきらめてるけど
がんばりまーす☆(・∀・)
――――――――――


【ピッ】送信、と。


やっぱ、どっかで落としたかなぁー?



11: 名前:みどり☆01/09(金) 21:13:48 HOST:zaq3d2e3785.zaq.ne.jp

ベッドに腰掛けながら、部屋を眺め回した。
パッと見てもあるわけがなく…可奈はため息をついた。


【ピロリン♪】


咲からの返事だろうと、ケータイを開く。

返事がいつも遅い咲にしては、めずらしいな…


「…って…どぅぇぇぇぇえ!?!?」


言ってから、ハッと口を抑える。
自分で言ってびっくりするような声のデカさだった。

だって…だってだって…



ヒデキからだったんだもん…。





12: 名前:みどり☆01/11(日) 09:57:12 HOST:zaq3d2e3785.zaq.ne.jp


ヒデキはあたしの幼なじみ。



―そして…例のゆびわをくれた張本人。





心臓がちょっぴりうるさくなった。
エアコンをつけたとはいえ、まだ部屋は寒いはずなのに…

なぜだか暑く感じる。

ってかいつもはメールしてこないのに…なんで!?
まさか…告白…
何て事はあるわけない。
でもでもでもでも!!!
どこかで期待してしまう。


メールを開くと…

――――――――――
To.可奈
From.ヒデキ
――――――――――

塾の宿題あったっけ?

――――――――――


撃沈…。
メールの数は少ないけど、毎回期待してしまう。

期待して、撃沈して、期待して…の繰り返し。
みんなそんなもんじゃないの?

すくなくとも、あたしの恋はずっとそう。



つか、なんであたしに聞くのよ!!
つか、その前に先生の話聞けよ!!

なんとなく腹が立って、携帯を乱暴にあつかう。


――――――――――
To.ヒデキ
From.可奈
――――――――――

英語のワークのp52

ってかちゃんと覚えな
よ!!!!!ヽ(`Д´)ノ
――――――――――


【ピッ】という音が送信したことを合図する。


「可奈ー。ご飯ー。」
1階の方からお母さんの声がした。

「はーい。」

ポケットにケータイをつっこんで、あたしは1階におりた。




13: 名前:みどり☆01/11(日) 15:16:57 HOST:zaq3d2e3785.zaq.ne.jp


リビングに入ると、カレーの良いにおいがした。
お父さんもお兄ちゃんも、もうご飯を食べ始めている。


「あ、可奈!明日お母さん仕事だから、カギ持ってってね。」

あたしの姿を見つけると、テーブルにカレーを置いていきながら、お母さんは言った。

「うーん。」
適当に返事をしていすに座る。


お母さんは、郵便局でアルバイトをしている。
勤めはじめて、もう半年ぐらいは経っているはず。
【今の世の中は、お嫁さんも仕事しなきゃやってけないわよ。】とかなんとか言っていた。

家事もして仕事もして…主婦って大変だなぁ。
そんな事をのんきに考えながら、ご飯を口に含む。


「可奈。【いただきます】は??」

向かいに座っているお父さんが軽く注意する。
お父さんは厳しい家庭で育ったらしくて、マナーを大切にしている。
お父さんのお母さん、つまりあたしのおばあちゃんが、えらく怖い人だったとか。

まぁ、今の優しいおばあちゃんからは想像つかないけど。


「いふぁらきあす」
お父さんの言われたとおりにすると、お兄ちゃんが【きたねぇ】と、つぶやいた。

「口の中の物を飲み込んでからにしなさい。」

今度はお母さんに注意された。

ごくりと飲み込んでからちゃんと言うと、
お父さんとお母さんは笑顔になった。


なんだか、また小学生みたいになった気分。


14: 名前:みどり☆01/11(日) 15:32:31 HOST:zaq3d2e3785.zaq.ne.jp


ご飯が食べ終わってから、お兄ちゃんとお父さんはテレビを見て大爆笑をしていた。

そしてあたしとお母さんは食器の後かたづけ。
冬の水はビックリするぐらい冷たい。

お兄ちゃんも手伝えっつの。
ぶつぶつと文句を言いながらも作業を終わらせた。


「はい、ちゃんと拭いておかないとね。シモヤケになっちゃう。」
そう言いながらタオルを渡してきたお母さん。
そのお母さんの左手を見て驚いた。




――ヒデキにもらったゆびわだった。




「ちょっとお母さん!そのゆびわ、どうしたの!?」
お母さんはきょとんとしている。

「え?これ?お父さんから貰ったの。」


え!?お父さん!?


「い、いつ貰ったの??」

やたらと聞いてくる娘を不思議そうに見つめながら、
「今日の朝だけど。」
と、言った。


おかしい。今日の朝、部屋でちゃんとカバンに入れたはずなのに…
ていうか、そもそもなんでお父さんが持ってたわけ??



15: 名前:限(カギリ) (dark/Ux28Q)☆01/11(日) 17:12:57 HOST:zaq7ac58043.zaq.ne.jp
評価終了しました。
小説評価。【基本辛口】までどうぞ。


16: 名前:あいこ☆01/20(火) 18:45:36 HOST:zaq3d2e3785.zaq.ne.jp


「なんだ?えらく騒いでるじゃないか。」

いつの間にいたのか、あたし達のすぐそばで冷蔵庫を開けていたお父さん。

「ちょーど良かった!お父さん!この指輪どうしたの!?
 あたしのゆびわなんだけど。」
と、あたしはゆびわを指しながら言った。

お父さんは【ん〜?】と、まじまじとそれを見つめたが、すぐに首をかしげた。

そして一言。

「しらん。」

「え!?お母さんにあげたんでしょ!?今日の朝に!!
 This morning!!」

やたらとジェスチャーをしながらも、それを伝えると…

「あぁ!あれか!」

と、なにかを思いだしたようだった。


17: 名前:みどり☆01/31(土) 11:25:00 HOST:zaq3d2e3785.zaq.ne.jp
すいません汗
>>16はみどりです。


18: 名前:みどり☆01/31(土) 11:40:08 HOST:zaq3d2e3785.zaq.ne.jp


「出かける前にひろったんだよ。玄関で。」

え?

「げげげ…んかん??」

「うむ。それで母さんにあげたんだよ。なっ」

お父さんがお母さんに同意を求めると、お母さんはコクリとうなずいた。


「そうよ〜。可奈が家を出たあとに、お父さんから貰ったのよ。
ていうか、あなた。これ買ってくれたんじゃなかったのね。」

お母さんがちょっとくぐもった声でお父さんに言った。


「だから“拾ったから”あげるって言っただろう。」

「聞いてませんー。」


あ〜もうっ!
いつものしょーもない口げんかがはじまりそうだ。

「はいはいはいっ。とりあえずゆびわ返してよねっ!」

こうやって、始まる前にとめるのはあたしの役目。
まぁ、こんなめんどくさい役、お兄ちゃんがやってくれればいい話なんだけどね!


19: 名前:みどり☆01/31(土) 12:07:47 HOST:zaq3d2e3785.zaq.ne.jp


「で?結局ゆびわはあったんですかい?」

夜の8時。塾のバスに揺られながら、咲は隣に座るあたしに聞いた。
車内は数人の声でざわついている。

「YESかNOか半分…」
「だまらっしゃい。」

あたしの答えに咲がすぐさまツッコむ。
最近は咲のツッコミのせいで、なかなかボケが最後まで言えない。
まぁ、ツッコミがない状態でボケても、みんなしらけちゃって、恥ずかしい思いするだけだろうけど。

あたしは、見つかったゆびわの事を咲に一部始終、話した。


「な〜んだ。結局可奈がバカなんじゃん。」
咲はフンッと鼻で笑う。

「うるさいなぁ。今日はあわててたから仕方ないの。」
またほっぺたをふくらますあたし。
ほんとにクセだ。これ。

「んじゃ聞くけど、なんで慌ててたわけ?」

「…寝坊。」
「やっぱバカじゃん。」

カンペキに馬鹿にする咲に反論しようとしたそのとき、
バスが止まって、あの独特の音を出しながら扉が開いた。

乗車したのは…ヒデキ。



20: 名前:みどり☆01/31(土) 12:18:13 HOST:zaq3d2e3785.zaq.ne.jp


「おっす“バカナ”!」

ヒデキは手をパッとあげて言った。
“バカナ”っていうのはバカと可奈を略した言い方。
ヒデキだけが使ってる。

――あたしの顔見て何言うかと思ったら……すぐこれ。

「うるさい。“ヒデブ”」
あたしは“デブ”の部分を強調させながら言った。

「あん?お前なぁーいつも言ってんだろ?
オレまじ太ってねぇから!脂肪なんてどこにもねぇ!筋肉しかねぇ!」
ヒデキがそういうと、車内に笑いが起きた。

「あっそ!脳みそも筋肉でできてんじゃないの?」

あたしの言葉にヒデキが一瞬迷う。


「え?それって褒め言葉?」


「褒めてない!!!」



21: 名前:みどり☆01/31(土) 12:35:19 HOST:zaq3d2e3785.zaq.ne.jp

「はい、やめー。てか二人とも声のボリュームさげてくれる?
間に座ってるあたしの気持ちも考えてよね」

あたし達の口げんかを止めるのは、咲の役目。

「だってよ!バカナ!」
「うっさい!ヒデブ!」

それでも聞かないあたし達には…

「いい加減にしろぉぉぉ!!!!」

――咲の喝を受ける。




「――あ、そだ。可奈、宿題見せて。」
咲のおかげでおとなしくなったヒデキが言った。

可奈って呼ばれると、さりげなくドキドキしてしまうあたし。
なんだか悔しい。


―ってか…宿題?…って…

「は!?宿題のページ教えたでしょ!?」


「だ〜からっ解けなかったから聞いてんだろ!」
なぜか威張り気味で言うヒデキ。

「ダメ!自分でやんなきゃ意味ないっしょ!」

「ったく。お前もうちょっと優しくなれよ!
だから男にモテねぇんだよ!バーカ!」

「はい!?なんで今そういう話がでてくんのよ!」

そう言って、ぎゃあぎゃあ騒いでいるうちに、塾に着いた。


22: 名前:みどり☆01/31(土) 20:10:01 HOST:zaq3d2e3785.zaq.ne.jp


扉が開くと…ちょっとした戦争が起こる。

みんなして、一番乗りに出ようとするのだ。
もう、必死に。そりゃもう、必死に。

なぜなら、3回連続で一番乗りに降車すると、塾生のみんなから100円ずつ回収した賞金があるから。
あたし達、中2の塾生の数は、30名。

つまり、3回連続一番乗りで降車すれば…賞金3000円。

今、記録を更新しているのは…咲。
2回連続で一番乗りを決めた…つまりリーチだ。

バスが止まると、咲がこちらを見てニヤリと笑った。
席を立って見渡すと、みんなもう戦闘態勢に入っている。

いつも上位にたつのは…大抵、咲かヒデキかあたしか太一だ。
太一は他中の友達で、ヒデキの親友。

今日はみんな、咲をマークしている。
まぁ、当たり前だけど。
あたしだってマークしている。親友だからといって、賞金を渡すわけにはいかない。

プシュッという、空気が抜けたような音と共に扉が開く。

みんなが一斉に動き出した。


23: 名前:みどり☆02/01(日) 13:31:57 HOST:zaq3d2e3785.zaq.ne.jp


「やりぃぃぃ!!オレいっちばぁぁん!!」

満員電車のように、ぎゅうぎゅうと人が密接しているところを、1番に抜け出したのは…
わずかな差で、ヒデキのようだった。

次に抜け出したのは咲。
「ちぇっ、おしいなぁー」
と、少し男らしい言葉が聞こえた。

あたしはというと…
最後尾だった。

塾用のカバンの中に入れて来たゆびわが、落ちないかどうか心配になって、なかなか早く動けなかったのだ。

「ちょ、おすなって!」
「いたっ!今あたしの足、誰か踏んだでしょ!?」

まだ車内にいるみんなの声が少しイラついている。

あたしももちろん、バスの中。

降りるだけのことなのに、イライラしているみんなに、私もイラついてしまう。
あたしの低い身長だと、しょっちゅう誰かの肩とあたしのめがねがぶつかってしまい、かけ直すはめになる。
もぅ…なんだか、この状況がめんどくさい。

ようやく、みんなが降りて、あたしだけになった。
やっと降りられる。

そう思っていたその時、段差がある出口のところで、つまずいてしまった。


「きゃっ…」


前のめりになった。このままいくと、ハデにこけてしまう。


そのとき、グイッと誰かが腕を引っ張ってくれた。
そのおかげでなんとか体制を整えられ、こけずにすんだ。


「あ、ありがと…」

そう言いながら相手の顔を見上げると、あたしの心臓がドキッと音をたてた。

「運動神経にぶっ!つか、こんなとこでこけるとか、やっぱ馬鹿。」

憎たらしい言葉を言ってくるのは、ヒデキ。

こんなこと言われると、いつもだったら反撃してるけど…

今は、助けてくれたヒデキがすっごくかっこよく見えちゃうから…
何も言えない。


「何?お前、ガン飛ばしてんのか?」
ヒデキのその言葉にハッとなった。
自分でも気づかないうちに、ヒデキを見つめていたらしい。

そんな自分が、無茶苦茶恥ずかしくなった。


恥ずかしさに負けて俯くと、まわりからのヤジが聞こえた。

「ヒューヒュー☆まじ恋人同士?みたいな?あははっ」
「結婚式呼んでよねー!」

そんなことを言われると、もっと熱くなるあたしの顔。
たぶん、赤い。てか、めちゃくちゃ赤いだろう。
どうしよう、恥ずかしすぎる。

「お前等うっせーよ!!」
笑いながらそう言うヒデキ。

笑ってるってことは…そういうこと言われても、イヤじゃないってこと?
…っていうか、ヒデキは1番に降りたはずなのに、なんで出口のそばにいたんだろ?

ヒデキの一つ一つの行動に、あたしは色々と考え込んでしまう。
まぁ、好きな人がいる人なら、わかってくれるだろうけど。



24: 名前:みどり☆02/04(水) 22:53:06 HOST:zaq3d2e3785.zaq.ne.jp


「―――ここがカ行変格活用であるからにして……助動詞は―」


塾の先生が、ホワイトボードにひっきりなしに書く文字達。
その文字を、自分たちのノートに必死に写すみんな。もちろん、あたしも。

その先生の、のそのそとした言い方が、どうも好きになれないあたしは、好き嫌いが激しいのかな。

そんなしょーもないことを考えながら、ぼーっとしている頭とは違って、シャーペンを握っているあたしの手はものすごいスピードで文字を書き写している。

このギャップってなんだろう。とか、最近そんなことばかり考えてしまう。中二病って奴なのかな?


「はい、じゃぁ次ー。」

先生がそう言って文字を消すと、ぎょっと顔を引きつらせる人、約2名。
咲とヒデキだ。

ここの塾は『クラス分けテスト(略してクラテス。なんか、テトリスみたい)』の成績順によってクラスを3つに分けている。
上から、aクラス・xクラス・yクラス。
あたし達の、このクラスはaクラス。

あたしは、自分で言うのもなんだけど、成績はほぼトップで頭が良い。

咲とヒデキは、ぎりっぎりでxクラスを逃れた人だから、aクラスの授業は少しキツイみたいだ。
だから毎度、ノートを写しきれないときに、あの顔をみせる。
その2つの顔は、教卓からみるとすごくおもしろいらしく、先生達は少し笑って、「しっかりついてこいよー。」と言うのだった。


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