ピコ森 メル友掲示板

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トンでもHIGH SCHOOL!!

1: 名前:マチュピチュ@ソロソロ限界! (Mikuru/RkM)☆11/16(日) 13:26:29 HOST:zaq7d044259.zaq.ne.jp
このスレは、「憧れの人が家族になった件について」で書いてた番外編が案外長くなったのでスレを立てることにしたんだ。
うん、すまない。


2: 名前:マチュピチュ@ソロソロ限界! (Mikuru/RkM)☆11/16(日) 13:33:11 HOST:zaq7d044259.zaq.ne.jp
登場人物

・森田晴樹
 今作の主人公。高沢高校に通う運動も勉強もまぁまぁの普遍的な高校生。
 なにかと騒動に巻き込まれるエロゲ体質。
・寺内紗耶
 主人公の彼女(?)。中学3年間とも森田とクラスが同じだった。
 美少女。
・郡城有希
 主人公の先輩。ラクロス部と放送部に所属している。
 ミス高沢V3。主人公とバイト先が同じ。
・綾島圭吾
 放送部部長。冴えないキャラで、クラスメイトからは「空気君」と呼ばれる始末。
 気にはしていない。

その他、「憧れの人が家族になった件について」の登場人物等。


3: 名前:マチュピチュ@ソロソロ限界! (Mikuru/RkM)☆11/16(日) 13:33:36 HOST:zaq7d044259.zaq.ne.jp
運命のイタズラか否か。
まさか高校までクラスが同じになるとは。
俺と寺内紗耶は自慢ではないが中学校3年間はクラスが同じだった。
しかし、高校に入り、それもさすがに終わるだろうと思った。
だが、運命の入学式。
クラス発表の場で俺は膝をついた。

「ウソだろ…?」
明らかに裏で誰かなんかしら工作してるだろと。
それぐらい俺達は同じクラスになった。

とまぁ愚痴はここまでにして、
なんだかんだで放送部に入部した俺らは、この綾島圭吾っていうパッとしない先輩と半年をともにすることになった。

「…あの」
「なに?」
「他の部員は?」
「あぁ、放送部は俺以外全員幽霊部員だよ」
「え!?」
「いやさ、俺映画が撮りたくて放送部入ったんだけど、いざ入ってみるとやる気あるの俺だけでさ」
綾島先輩はハハハと笑った。いや、笑ってる場合じゃないよ。
俺と寺内が唖然としてると、背後から声がした。
「誰が幽霊部員ですって?」
「げ、郡城有希!」
「なによその言い方は。まるで人を厄病神みたいに言って」
郡城有希、と呼ばれた女子生徒は、綾島先輩の顔を掴んだ。
ひょっとこみたいな顔になりながら、必死になって綾島先輩が言い訳をする。
「あの!」
寺内が空気を断ち切る。
「あなたは…?」
「アタシは郡城有希、ラクロス部と兼任してるの」
「あ、そうなんですか」
「こいつ卑怯だぞ、放送部に入った割にラクロスばっかして全然放送部に足を踏み入れようともしないんだ」
「なによ、今こうして足踏み入れてるじゃない!」
「今の話をしてるんじゃない、いつもの話をしてるんだ!」
「どっちでもいいじゃない!」
「どっちでもよくない!」
ヒートアップする前に止めるべきか、とばっちり喰らわないうちに部室を去るべきか。

身体が反射的に後者を選んだ。


4: 名前:マチュピチュ@ソロソロ限界! (Mikuru/RkM)☆11/16(日) 13:34:04 HOST:zaq7d044259.zaq.ne.jp
「なんか、エライとこ入部しちまったな」
「そうだね…」

俺は購買で買ったコーヒー牛乳をストローで吸い上げる。

「そもそも、そっちが無理矢理誘ったんだよね」
「なに寝ぼけてんだ、そっちがホイホイついて来たんだろ」
「へぇ〜、じゃあ春休みにやたらとビデオカメラでアタシ撮ってたのは何だったのかな〜?」
「カメラテスト、テープは中身消した」
「なーんだ、別にアタシじゃなくてもいいじゃん」
「お前は人物テスト、他にも風景テストとかいろいろあるんだよ」

俺はコーヒー牛乳を飲みほすと、グシャリと紙パックを握り潰した。

「じゃ、俺今日バイトだから」
「え、もうバイト見つけたの?」
「自給700円以上なんてそうそうないぞ?」
「ちょっと、紹介してよ」
「嫌だ、自分で探せ」
「ちょっ、それズルイ!」


5: 名前:マチュピチュ@ソロソロ限界! (Mikuru/RkM)☆11/16(日) 13:34:38 HOST:zaq7d044259.zaq.ne.jp
バイトの現場に行き俺は愕然とした。
先ほど部室で見かけた郡城有希が、そこにいた。

「あ、君さっきの」
「何、知りあいかい?」

オーナーらしき初老の女性が微笑みかける。

「今日からここでバイトさせていただきます、森田晴樹と申します」

深々とお辞儀をする。
「そんな堅くしなくてもいいから」と、オーナーらしき人は言った。

「じゃ、お世話がかりよろしくね」
そういうとオーナーさんは、レジの方へと向かった。
「とりあえず、よろしくね」
「あ、ハイ」

俺に与えられた仕事は裏でダンボールをまとめる仕事だった。
職業体験のときに本屋でやったことはあるものの、結構腰にくる。
一通り片付け、壁にもたれかかる。

と、目の前に缶ジュースが差し出される。
「お疲れ」
郡城有希だった。

「センパイもここで働いてるんですか」
「うん、結構バイト代いいし、オーナーも優しいしね」
俺はオーナーの方に顔を向ける。
従業員から「お母さん」と呼ばれているその女性は、いつも優しい笑顔をしていて、性格もいいらしい。(郡城先輩談)

「あ、さっきはゴメンね、気不味かったでしょ?」
郡城先輩はゴメン、と顔の前に手をかざす。
「いえ、いいですよ。いつもあんな感じなんですか?」
「うん、小学校からの付き合いなんだけどね」
「小学校から!?」
「うん、どうも、顔合わす度に喧嘩になっちゃって…」
「仲良いんですね」
「全然、犬猿の仲よ」
「犬猿の仲であんなに息の合った言い合いはできません」
俺は昼間の光景を思い出し、ぷっ、と吹き出す。
「そうなのかなぁ…」
そう言って郡城先輩はジュースの残りを喉に流し込む、こうして見るとなかなかの美人だ。
「じゃ、アタシ先戻ってるね」
「あ、ハイ」
「サボっちゃダメよ」
「サボりませんよ」

俺は缶を握り潰すと、再び作業に戻った。


6: 名前:マチュピチュ@ソロソロ限界! (Mikuru/RkM)☆11/17(月) 18:44:33 HOST:zaq7d044e41.zaq.ne.jp
結局その日はクタクタになり家に帰った。
帰宅するなり携帯が鳴る。
佐々からのメールだ。

佐々淕は小学校からの友達で、簡単に言うと変人だ。
メールの時はやけにテンションが高い。

第一声、
[久しぶり〜!]

ほらな
こいつのメールはなるべく無視するように心がけている。というか相手するほどでもないし。

とりあえずメールの続きを引用すると、
[最近どう?こっちはいろいろと大変だよ。やっぱ志望校はちゃんと決めといた方がよかったのかもね、勉強もだけどw]

そう、こいつは「行きたい学校がない」とかでギリギリまで志望校を決めなかったバカの中の馬鹿なのである。

[片道2時間はさすがにキツイし(^^;)]

県外の専門学校を勧める教師もどうかと思う。
しかし、この男は教師の言う事を鵜呑みにし、県外の専門学校に通っているのだ。
もう救い様がないな、コイツ。

いつも通りメールを無視し、パソコンを立ち上げる。
お気に入りを開き、自分のHPのリンクをクリックする。

「VIJAL◆LIFE」、我ながら厨くさいタイトルだとは思う。
しかし、普通なのもどうかと思い、これにした。
日記をクリックし、新規投稿をクリックする。

今日一日のことを適当に書き連ねる。
このサイト、人気こそないものの、結構常連がいる。
コメントは1つの日記につき30前後は付く。
と、日記を書き終わり投稿し、確認してからパソコンの電源を落とす。

教科書とノートを開き、復習をする。
うちの高校は単位制で、授業の進度が速いということもあり、予習復習はキッチリしないと授業に追い付けない。
ページに連なる文字列に目まいを起こしながらも、教科書と格闘していると、携帯が鳴った。
寺内からだ。
着信音を設定しているため、すぐわかる。
ノートを閉じ、携帯を手に取る。

なになに…「部長からの伝言、明日の部活にはメモを持ってくること」?
おいおい、あの部長どこで寺内のメアドゲットした?
とりあえず適当に返事をし、メモは購買で買おうと考えつつ眠りについた。


7: 名前:マチュピチュ@ソロソロ限界! (Mikuru/RkM)☆11/19(水) 16:26:49 HOST:zaqdb72d56b.zaq.ne.jp
翌朝、教室に向かっているといきなり肩を掴まれた。
そのままひっぱられ壁に背中を打つ。

郡城有希だった。
ま た お 前 か

「ゴメン!これ、綾島に渡しといてくれない?」
そう言って俺に封筒を差し出す。
いきなりのことに声が出せず、ただ顔の前で手を振るしかできない。
俺のばかーんorz
「そう言わずにさ、ね?」
「いや、無理です。というか何入ってるんですかそれ?」
「何でもいいでしょ。いいからお願い!」

仕方ないので受け取ることにした。
やけに軽い、透かしてみたが中身はまったくわからない。

若干パニくったまま教室に入り、自分の席につく。
窓際、後ろの席は寺内。

どっかで聞いたことある席順だが、気にしない。

授業の話は飛ばして、放課後、俺は部長にあの封筒を渡した。

「何これ?」
「郡城先輩から預かりました」
「郡城から?」

綾島部長は乱暴に封筒を開けた。
中から出てきたのは手紙らしきものだった。

「…なんて書いてますか?


8: 名前:マチュピチュ@ソロソロ限界! (Mikuru/RkM)☆11/19(水) 16:29:05 HOST:zaqdb72d56b.zaq.ne.jp
「…今日の部活休むって」

思わずこけた。
口で言えよ、それぐらい。
「あんにゃろう…」

そう言って部長は飛び出して行った。
10分ぐらい呆然としていると、寺内が来た。
「アレ?部長は?」
「…さぁね」

自然と足は脱靴場へと向いていた。


9: 名前:マチュピチュ@ソロソロ限界! (Mikuru/RkM)☆11/22(土) 15:57:29 HOST:zaq7d044b9d.zaq.ne.jp
寺内が早足で追ってくる

「ねぇ、部長がいないって、部活どうなるの?」
「ないんじゃない?」

俺は靴を履きながら適当に答えた。

「あと、質問なんだけど、どうして部長がお前のアド知ってんの?」
「あぁ、アレ?昨日バイトだって言って帰ったじゃん?あの後、部長と2人きりになっちゃってさ…」

さて、ここで郡城先輩とバイトが同じだったと言うべきか、あとにすべきか。
どっちにしろ部長殴りてー。

「で、やることもないし、とりあえずメアド交換しといた」

な ぜ そ う な る

普通、その場でお前に連絡事項を伝えて、あとでお前が俺に伝えればいいだけだろ。
話が矛盾している。

「いや、でもさ、もしもの時に…」
「もしもの時ってなに?一体この先お前と部長の間に何が起こるっていうの?」
「ちょっ、メアド交換したぐらいでそんな言う?」
「ただ単に『メアド交換した』と言うだけならいい、何もやることなかったらとりあえずメアド交換するのかお前は?」
「いいでしょ、別にそんな事」
「いーやよくないな。お前、絶対詐欺に騙されやすいタイプだな」
「そんな事ないって!」
「ホントかぁ?」

2人で熱い口論を繰り広げていると、例の部長がものすごい勢いでこっちに走ってきた。
「お前ら、郡城、見かけなかったか?」
息を切らし切らし言う。何故そんなに必死になる。

「いや、見かけてませんけど…」
寺内が言う。お前気持ちの切り替え早すぎ。
あ、だから頭いいのか。って関係ねー。

「そうか、だったら、校内探すか…」
やけにリズミカルに部長が言った。どこの男女だ。
男子が若干女子より多いのか。

「…なんだったんだろうね」
「…さぁね」

なんとも言えない哀愁が2人を包んだ。


10: 名前:マチュピチュ@ソロソロ限界! (Mikuru/RkM)☆11/23(日) 12:58:56 HOST:zaq7d0449d5.zaq.ne.jp
いつものようにサイトの巡回を済ませ、教科書とノートを開く。
英文がなにかの呪文のように見える。せめて頭のよくなる呪文でもあればいいのだが。

睡魔に襲われかけていた俺を救ったのは、寺内からのメール着信だった。

[さっきはゴメン。これ、部長のアドレス *****-********@softbank.ne.jp]
なんだかんだ言ってソフバンユーザー大杉w

しかし、何故お前が謝る必要がある?
謝るのは俺だろ。

ま、念の為にと部長のアドレスを登録し、再びノートに目をやった。

翌日。
脱靴場で郡城先輩とバッタリ出会った。
高めの位置でまとめたポニテが揺れる。

「なんで、わざわざ手紙に書いたんですか?」
「…面倒、だったから」
「まぁ確かにあの人面倒ですけど」
「やっぱり!?アタシもそう思ったんだよなぁ〜」
「いや、共感求めてどうするんですか」
すると先輩は息を吐き、続けた。
「前にさ、小学校からアイツと同じだったって言ったじゃん?」
「え?えぇ」
「実はさ、中学の頃付き合ってたんだ」

えぇ!?(゚Д゚;)
なななななに言ってんのこの人!?
誰か救急車呼んで、というか病院逃げて!

「その頃は本気で好きだったんだけどね、中3の2学期に、アタシいじめられてさ、アイツ馬鹿正直にアタシかばったんだけど、そのせいでアイツもいじめられて、それから仲悪くなったの」
「そんな事が、あったんですか…」
「ごめんね、朝からこんな話して」
慌てて明るく振る舞う先輩。
「いえ、いいですよ」
「じゃ、またあとでね」
そう言って校舎の中に入って行った。

「あんな明るい人が、いじめられてたのか…」


11: 名前:マチュピチュ@ソロソロ限界! (Mikuru/RkM)☆11/23(日) 13:09:06 HOST:zaq7d0449d5.zaq.ne.jp
俺にもいじめの経験はある。
その時は、味方はいなかったし、つらかった。
でも、味方がいるのもいるのでつらいんだなぁと思った。

もしかしたら彼女は、無理矢理明るく振る舞ってるのかもしれない。
彼女の笑顔の奥には、まだいじめの傷があって、それを隠してるのかもしれない。

そして、部長と先輩を切り裂くほどのいじめがあったことに、胸を痛めた。

昼休み、廊下を歩いていると生徒達が集まっているのが見えた。
近づいてみると、放送室が荒らされていた。

「なんだよコレ…」
部長と郡城先輩が、野次馬を割って入ってくる。
「ひどい…」
「森田、」
「はい?」
「ついて来い、犯人探しするぞ!」
「え、ちょ、なんで俺なんですか?」
「いいから来い!」
「え、えぇっ!?」

部長に言われるがまま、校内で聞き込みをするが、まったく手がかりは掴めない。
「ったく、何なんだよ…」
壁にもたれかかる。
「放送部に恨みを持ってる人間の犯行とか?」
「一体うちの部に何の恨みがあるってんだよ」
「まぁ、そうですけど…」

俺は今朝の話を思い出していた。
「部長、」
「なんだ?」
「…いえ、なんでもないです」
「とりあえず、1年にも聞き込みするぞ」
そう言って部長は立ち上がった。
「…まだやるんですか?」
「当たり前だ!」

ここで反抗したらあとあと怖いので、大人しく付いていくことにした。


12: 名前:マチュピチュ@今日も一日伸び、伸びとぉ〜 (Mikuru/RkM)☆11/27(木) 21:14:33 HOST:zaq7d044815.zaq.ne.jp
結局、犯人は見つからなかった。

屋上で息を整える。

「第一、そんな簡単に、犯人が見つかるわけ、ないじゃないですか」

息を切らし切らし言う、運動は苦手なんだよ。

「そりゃそうだけど、許せねぇんだよ!」
「なんでそんなに必死なんですか?」
「…テープだよ」

部長は遠くを眺めながら言った。

「テープ?」
「ビデオテープだよ、伝説の作品が収録された」

そういえば、棚に唯一入っていたビデオテープらしきものもめちゃくちゃにされていた。

「伝説の作品ってなんなんですか?」
「知らねぇのかよ!ここがまだ島川高校だったとき」

そう、この学校は島川高校と第3高校が6年前に合併して出来たばかりの学校なのである。
ちなみに、校舎は島川高校のをそのまま使っているため、少し古い。

「島川高だったとき?」
「放送部がすげぇ作品作ったんだよ、15分の短編映画なんだけどさ」

部長の話によると、低予算ながら、学生作品としてはあり得ないほどのクオリティを誇っていた作品らしく、コンクールで優勝したこともあるらしい。

「でも、なんでそんなに必死になるんですか」
「俺な、テレビでそれ見て映画撮りたいって思ったんだよ」

当時小学校3年生だった部長は、テレビでその作品を見て映画を撮りたいと思ったらしい。

「…思い出の、作品だったんですか」
「あぁ。でもいざ入学してみれば、すっかり廃っててね」
「そんな事が、あったんですね」
俺は屋上から、放送室を眺めた。
痛々しい惨状が網膜に突き刺さる。

「…それじゃ、なんとしてでも探し出さないといけませんね」
「おう、やるか!」
「ハイ!」


今思えば、これが全ての始まりだった。
これが、最悪(であり最高)の半年間の始まりだった。


13: 名前:マチュピチュ@今日も一日伸び、伸びとぉ〜 (Mikuru/RkM)☆11/29(土) 17:01:35 HOST:zaq7d044fa8.zaq.ne.jp
そもそも、「おかしい」と気付かない方がおかしい。

あの時、放送室には鍵がかかっていたはずだ。
しかもよりによって放送室は職員室の隣、
律儀に鍵貰って開けて荒らすんじゃその途中で誰かに見つかって叱られそうなものだが。

つまりアレは荒らされたのではなく、誰かの自作自演だったのだ。
で、犯人はと言うと…

「いろいろと言いたいことはあるが、何故お前が」

なんてこったい、あろうことか寺内紗耶ではあーりませんか。
どうやら話によると、先日テープの整理をしていた時に誤って伝説のテープを落としてしまい、案の定テープは損傷。
で、事実を隠ぺいするために放送室を荒らしたらしい。

「お前らしくないじゃねーか。なんだ、中学の時選択数学の小テストで満点取ってたのは幻か」
「森田、そうなのか?」
「えぇ、コイツ優等生ですよ。ロリ顔のくせに」
「ロリ顔って言うな!」
「ロリ顔は頭が悪いっていうのが萌えの鉄板だろ」
「そうじゃなくて、せめて童顔って言って」
「似たようなもんだろ」
「意味は結構違うと思うけど…」
郡城先輩が口を挟む。
「いや、童顔は男の場合はショタ顔、女の場合はロリ顔と分け…」
「られない!」
顔面にパンチを食らわされる。そんな事出来る立場か、お前。
「とりあえず、寺内は1週間部室立ち入り禁止」
「え、なんでですか部長」
部長が呆れたように腰に手を当てる。
「あのな、言っただろ?あのテープは厳重に扱えって」
「ちゃんと管理してないアンタもどうかと思うけどね」
郡城先輩、アンタ火に油注ぐことに関してはプロだな。いや他もすごいけど。
「なんだとぉ?ついこないだまで幽霊部員だったお前が何言ってやがる!」
「仕方ないでしょ、ラクロス部休部になって暇なんだから」
読者のみなさん、ラクロス部休部については触れないであげてくださいね。作者死にますから。
「とりあえず2人とも落ち着いてください。今回は、故意のことですし」
「アタシを弁護するつもり」
寺内が涙目でこっちを見る。な ぜ 泣 く
「さっき酷いこと言ったくせに」
「ロリ顔のどこがひどい?」
「頭悪い方がよかったって」
「だからって泣くか普通?」

「とりあえず、今回のことに関してはアンタにも責任あるんだからね」
「なんで俺が悪いんだよ!」

あぁ、部長と先輩も喧嘩始めちゃったし、こりゃなかなか帰れないな…。


14: 名前:マチュピチュ@ソロソロ限界! (Mikuru/RkM)☆12/02(火) 08:38:09 HOST:zaq7d0448fc.zaq.ne.jp
とりあえずなんとか騒ぎを収め、自転車を出していると「奴」が来た。

「おう、森田」
美原だ。
最近ホモっ気があるんじゃないかと不安になる。
言っとくが俺にはそんな趣味は…
「よかったな、放送室のアレなんともなくて」

よ く ね ぇ よ

よく女の涙は武器と言うがあんなの武器ってレベルじゃねぇ、核兵器だ。
撲滅した方がいい。
「感謝しろよ?俺はお前の為に寺内譲ったんだからな」
別に譲られる義理はない。

そう、元々コイツと寺内は付き合っていた。
しかし中3の時にいろいろあってコイツは寺内から身を引き、傷付いたアイツを俺が慰め、結ばれたということだ。
ま、所詮ただの女友達にしか過ぎんがな。

「それより…」
「それより?」
「どけ、自転車出せねぇ」
「あ、わりぃ」

俺はサドルを跨ぐと、美原から逃げるように校門を出た。


15: 名前:☆12/02(火) 13:44:49 HOST:05004012879384_md.ezweb.ne.jp
あげ

16: 名前:マチュピチュ@ソロソロ限界! (Mikuru/RkM)☆12/03(水) 09:27:07 HOST:zaq7d044f73.zaq.ne.jp
いつも通り課題を片付けていると、部長からメールが来た。

[森田!俺、ものすごいこと思い付いた!俺達が新しい伝説作ればいいんだよ!!]

誰か、バカに聞く特効薬持ってない?
とりあえず適当に返事をする。以下メールの内容。

[新しい伝説?]
[バカお前鈍いな。俺達があの作品を凌ぐ映画を撮ればいいんだよ!]
[無理でしょ、だって今部員実質4人だし]
[呼び集めるんだよ!]
[あの騒動のあとで、どれだけ人が集まりますかねぇ]
[やってみないことにはわからないだろ!]

なんか相手しても無駄だと判断したのでブチる。あとは他の2人に犠牲になってもらえばいいだろう。

しかし、本人は至って真面目だったのだ。
それを痛感するのは翌日の放課後となる。

編集機材の置かれた机の上に山積みになっている本。
撮影に使うのであろうハンディカメラと新品のミニDVテープ。
そして、ブレザーをはおり裾を胸の前でくくり、ニット帽とサングラスをかけ、メガホンを持ってすっかり監督気分な部長。

誰か、いい精神科知らない?

「あの…これは?」
寺内が口を開く。
「見てわかんねぇのかよ?資料と機材だよ!」
「資料って、あの本が?」
俺は山積みになっている本を指差す。
「そうだよ!あの作品もよ、この資料の中から選んだ脚本を使ったんだよ!」
「…詳しい、ですね」
「そりゃそうだろ!俺を誰だと思ってる?」
「放送部の部長です」
頭が少しイカれていて、時々変なことを言い出す、というのは言わなかった。

「違うだろ!映画監督のたまごだよ」
自称しちゃってる、ダメだこの人w

「やっほ〜」
そこに郡城先輩が入ってくる。うわ、動き固まってるよあの人。
「…なにこれ?」
「おう郡城!映画撮るぞ」
「ハァ!?何言ってんのアンタ、正気?」
「正気じゃなきゃここまで出来るか!」
「アンタがこんなこと出来るのはアンタが狂ってる証拠よ!」
「誰か狂ってるだと!?」

お前ら喧嘩好き過ぎw
仕方ないので俺は山積みになってる本の一番上の一冊を開いた。
と、紙切れのようなものが落ちる。
「これは…」
それは、古ぼけた写真だった。


17: 名前:マチュピチュ@案ずるな受験生! (Mikuru/RkM)☆12/04(木) 17:53:42 HOST:zaq7d044a06.zaq.ne.jp
集合写真だ。
10人程度の生徒が写っており、真ん中の生徒は賞状とトロフィーらしきものを持っている。
「…部長」
「あん?うるせぇ、今こっち忙しいんだよ」
「そうじゃなくてこれ!」
俺は俺は写真を部長の顔の前に突き出す。
「…これって」
郡城先輩が息を飲む。
部長は写真を俺の手から取り上げると、写真を物色し始めた。
「おい、これって…」
部長が写真の裏を見せる、そこには「平成12年度 高校生映像作品コンクール優勝」と書かれていた。

「森田、この写真何処にあった?」
俺はパイプ椅子の上に乗っかった開かれたままの本を指差した。
しばらく本を読み進めた後、部長が呟いた。
「これ、あの作品の脚本じゃねぇか…」
「あの作品、って?」
寺内が口を挟む。
「さっきの写真見たろ?あの時優勝した作品。お前が壊したテープに収録されてたやつだよ」
何故俺が説明せねばならんのだ、まぁいいが。
部長は本を閉じると、床に膝をついた。
「ぶ、部長?」
「…無理だ」

部長は目に涙を貯めていた。
「無理だ…あの作品を越えるなんて…最初から無理だったんだ」
諦めんの早っ。
「あ、綾島?」
「どうせ俺達には無理なんだよ!今の俺達で、出来る訳がないんだよ…」
「どうしたの、綾島?」
さすがの郡城先輩も心配している。
「触んな!1人にしてくれ…」

「お、俺今日バイトなんで、帰りますね」
そう言って俺は足早に逃げ出した。
いや、1人にしてくれって言うからね?


18: 名前:マチュピチュ@案ずるな受験生! (Mikuru/RkM)☆12/08(月) 17:54:18 HOST:zaq7d044d72.zaq.ne.jp
人の感情はコロコロ変わるものである。
昨日まで死ぬほど嫌いだった人を意識し始めたり、かと思えば昨日まで大好きだった人を嫌いになることだってある。
しかし、この男ほど感情が変わりやすい人間はいないだろう…。

いつも通りある程度勉強をすませ、ベッドに寝そべり雑誌を開いていると、忌々しき着信音が鳴った。
受信フォルダを開く。そこに表示される「綾島圭吾」という4文字。
あれから一週間、綾島部長はずっと学校を休んでいた。
何がショックだったのかよくわからんがまぁ相当ショックだったらしい。

意を決し、メールを開く。
そこには、最悪とも言える事柄が書き連ねてあった。

[俺、気付いたわ。既存の脚本なんかで伝説に勝てる訳がない、オリジナルで行こう!]
伝説基準で勝ち負け決めるな。
というかそんなんでいい作品が作れるとでも(ry
とまぁここまではいいとしよう。
問題は次の文章だ。

[森田、お前脚本書けるか?]
ΩΩΩ<な、なんだってー
どう考えても不治の病です、本当にありがとうございました。

生まれてこの方文才などないに等しいこの俺が脚本とか天変地異でも起こらない限り書けるわけがない。
そしてもうひとつ、

何 故 俺 に 一 番 に 知 ら せ る ?

「映画撮る」って聞いたのも俺が一番最初だ。
他の2人は翌日の放課後初めて聞いた(らしい)。

一体俺に何の素質があるというのか。
とりあえずこういうメールは無視に限る。
俺は携帯を閉じ、再び雑誌に目を落とした。


19: 名前:マチュピチュ@案ずるな受験生! (Mikuru/RkM)☆12/08(月) 18:06:51 HOST:zaq7d044d72.zaq.ne.jp
翌日、休み時間に廊下を歩いていると前からもうスピードで女子生徒が走ってきた。
「どいて〜!!」
しかし俺はいきなりのことでウェ、ウェーイ!!な状態だったのでそのまま衝突、派手に廊下に背中をぶつけた。

「いってぇ〜」
「すいません!大丈夫ですか?」
いやいや、大丈夫ですかって、ぶつかってきたのそっちだし。
そういって顔を開くと、そこには天パのメガネをかけた女子生徒がいた。
「俺は大丈夫だけどさ、小学校で廊下は走るなって習わなかった?」
皮肉混じりに言う。こんなことしか言えない自分が情けない。
「すいません!ちょっと急用があったもので…」
尻をはたきながら立ち上がる。

結構背は小さい方だな、150前後と言ったところだろうか?
良く見ると大切そうに封筒を持っている。
A4だろうが、結構デカく見えるのはこの子が小さいせいかそれとも錯覚か。
ってそれどっちも錯覚やないかーい!(某芸人風)

「とにかく、今度から気を付けろよ」
「はい、すいませんでした!」
90度のお辞儀をされる。いや、そこまでせんでもw
「それじゃ、私はこれで」
そう言って彼女は下の階へと降りて行った。

「…俺って結構運悪いよな」
そう呟き、俺もその場を後にした。


20: 名前:マチュピチュ@案ずるな受験生! (Mikuru/RkM)☆12/11(木) 11:49:40 HOST:zaqdb72d4e6.zaq.ne.jp
しかしまぁね、こうもギャルゲ的というかエロゲ的というかそういう類でありがちな展開が続くと、
これは仮想現実ではないのかとか考えてしまうのよね。

放課後、部長が一人の女子生徒を連れて放送室に入ってきた。
休み時間のあの子だ。

「あ、君さっきの…」
「え、何、知りあい?」
興味持たんといて下さい、郡城はん。
「中橋美香です」
彼女は小声で自己紹介した。
「彼女、小説書くのが好きらしくてさ、脚本書けるんじゃないかって思って連れて来たんだ」
小説≠脚本ですぜ、ブラザー。

「で、この子どこで捕まえてきたの?」
郡城先輩が腕組をして綾島部長の顔を覗き込む。
「2年のエリア」
へ?
今なんつったこの人?
ロリで、年上で、大人しくて、
なんかいろいろと違う部分があるがほとんど某ラノベキャラにそっくりなんだが。
「え、じゃこの子2年生なんだ?よく幼いって言われるでしょ」
結構ストレートにモノ言うんだなこの人。
寺内も興味を持って話しかけているが、アイツでもかがんで話してるんだから相当だよな。
たしかアイツ155前後だったっけ…?
じゃあ145ぐらいじゃねぇか!
いつ成長止まったんだ?

「とりあえず、これで一応5人集まった…」
「ちょっと待ったーッ!」
部長が腰に手を当てて一息ついた瞬間、何者かがもの凄い勢いで部室に入ってきた。
「おい空気、この俺様を誘わねぇとはどういうこった!?」
…誰?という空気が部室に流れる。
「てめぇ、桃上!」
「え、桃上君って、あの?」
「郡城先輩、知ってるんですか?」
恐る恐る聞く。
桃上、と呼ばれたその生徒は、ガタイがそれなりに大きく、
神はワックスなどで固くセットし、ブレザーのしたに赤いシャツを着ていた。
「これで6人だ!」
「待て!勝手に決めんな!!」
「お、俺に逆らうとはいい度胸だな」
桃上先輩(こんな人にも先輩を付けなくてはならないという屈辱)が部長に思いっきり顔を近付ける。
「…わかったよ」
部長よわっ!
とりあえず、これから悪夢の日々が始まることになる。
何回始まってんだ、悪夢の日々。


21: 名前:マチュピチュ@案ずるな受験生! (Mikuru/RkM)☆12/12(金) 20:24:05 HOST:zaq7d0443a2.zaq.ne.jp
おう!俺の名は桃上登志彦、
今から俺がこの物語の主人k…

いきなり何言い出すんだこの人!?
みなさん、ご心配なさらずに。
主人公は僕、森田晴樹ですから。


それからは思いの外話がトントン拍子で進んだ気がする。
脚本は中橋さんが書いてくれたし、ようやく誰の目から見ても部活と呼べるようになった。
しかし…
「なぜ夏休み返上して撮影する必要がある!?」
水平線に向かって俺は叫んだ。
やまびこみたいに返ってくるならまだマシだが、なにもないので余計虚しい。

「ま、気にしなくていいじゃん。せっかくの海だよ?」
いや、よくないし。大体3年生はこんなことしてる場合じゃないんじゃ?
受験生だし、夏休みだって補習などで埋まっているはずだ。
しかし、綾島圭吾、郡城有希、桃上登志彦と3人そろっているということは、この3人は極めて余裕があるということだろう。
もしくは就職するとか。

「しっかし、いい眺めだなぁ」
「まさに俺の求めていた景色!」
なんでアンタらそんなにノリノリなんだ。

えっと、
今俺(達)がどこにいるのかと言うと、
マリンワールドのある城崎だ。

脚本は海辺の町に住む2人男子の高校生が、
転校が間近に迫った憧れの人の為に奮闘するというありがちなモノだ。

「それにしても、暑いですねぇ…」
中橋さんが手で顔を仰ぎながら呟く。
白いワンピースに、大きな麦わら帽子が印象的だ。
「とりあえず、民宿に荷物置いていきましょうよ」
俺は部長に提案する。実際、俺も結構限界来てたからな。
「そうだな…じゃあ、さっそく民宿行くか!」
「ハイ!!」

そう言って俺達は、海岸から少し離れた民宿へと向かった…。


22: 名前:マチュピチュ@案ずるな受験生! (Mikuru/RkM)☆12/13(土) 18:43:01 HOST:zaq7d044614.zaq.ne.jp
今回俺達が止まる民宿は、郡城先輩の親戚が経営していて、
郡城先輩のコネでここに泊まりながら2週間の間、撮影をすることになった。

部屋に入るなりなんなり、綾島部長は台本を鞄から取り出し、机の上に開く。
「なんだよ、せっかく海が窓の外に広がってるってのに、いそいそと監督ごっこかぁ?」
桃上先輩がからかう。あぁ、この人とは仲良くなれそうにない。
「うるせー、台本のチェックだよ」
ふうん、と呟くと、桃上先輩はテレビをつけ、畳に横になった。
俺はと言うと、特にやることもないのでとりあえず1階のロビーに降りることにした。

ロビーに降りてまず目に入ったのは金髪のロングヘアーに引き締まったウエスト、
スラリと伸びた脚に豊満な胸、
街中を歩いていれば8割の男性が振り向くであろう美人だった。
「あ、キミ有希の友達?」
その女性が近づいてくる。結構背が高く、胸が目の前に(ry
「アタシ、恵理。よろしくね」
女性が前かがみになり、俺に手を差し出す。
自然と豊満な谷間が目に入った。
慌てて顔を伏せ、手を差し出す。
「何、キミ照れ屋さん?かわいいな〜」
頭撫でない下さい。いい匂いさせないで(ry

「あ、恵理姉ちゃん!」
上から郡城先輩が降りてくる。
おお、女神よ。恵まれぬ子ヒツジに、愛の…
いや、恵まれてはいるか。
とにかく、なんとか解放はされた。
「あ、また大きくなってる」
先輩が恵理さんの胸を指差して言う。
おい、男の前でそんな事堂々と言うな。
「大きいのもあんまラクじゃないわよ、肩がこって仕方ないもの」
「でもいいなぁ〜」
「よくないって」
2人の顔を見比べながら思う。


この家系、美人多いのか…。


23: 名前:マチュピチュ@私は帰ってきたぁぁぁ!! (PB07zClx7I)☆12/18(木) 18:06:37 HOST:zaq7d044096.zaq.ne.jp
そして、俺はもうひとつ2人の共通点を見つけた。
ポニーテール…

俺、ポニテ萌えなんだ。
うん、すまない。
寺内は普通に右下でまとめるだけだし、ポニテに拝んだことなどない。
しかし、今こうして目の前にポニテ美人が2人もいると下品な話…興奮して(ry

「どうした?やけに賑やかだな」
野太い声が聞こえた。
「おぉ〜これはこれは」
桃上登志彦は恵理さんの体を舐め回すように見る。
この変態め。

『君も人の事を言えないのではないか?』

…今何か言った?
「ちょっと桃上くん、初対面なのに失礼でしょ」
桃上先輩のガタイがいいせいか、どう見てもこの画は知り合いの前で兄に注意をする妹にしか見えない。
やはり18歳以下はエロゲをすべきではないな…。

「キミも有希の友達?」
「いえ、救世主です」
胸張って言うな、見苦しい。
第一中橋さんだけで事足りて…、
「なんか楽しそうですね」
噂をすればなんとやら、だな。

『「影が刺す」、だ』

…誰か何か言ったよね?
「あのぉ、こちらは…」
中橋さんがか細い声で郡城先輩に尋ねる。
「あぁ、この人は…」
「恵理姉さん、郡城の従姉妹」
綾島部長も降りてくる、寺内も一緒だ。
「部長、なんで知ってるんですか?」
俺は素直に尋ねた。
「おい綾島!てめぇ卑怯だぞ!!」
必死だなオイw
「知ってるも何も、小3のころ来たことあるんだ。たしかあの時中学生だったから、もう大学生か」
いや、普通に雰囲気でわかる。
「もしかしてケイちゃん?久しぶり〜!」
ぬいぐるみのように綾島部長を抱きしめる。
「ちょっ、ケイちゃんって、俺もう高3ですよ!?早く離れて下さい」
「また〜、照れちゃって〜」
しゅーちーしん、もってー
しゅーちーしん、もってー
「この空気野郎め…」
ようやく恵理さんから解放された綾島部長の胸倉を桃上先輩が掴む。
「一体どういう関係だ!?」
「だから小学生の時にここに来たことがあって、その時に世話になったんだよ、な?」
郡城先輩に同意を求める。
というかこの状況はこと〜ばに〜できな〜い〜♪


24: 名前:マチュピチュ@私は帰ってきたぁぁぁ!! (PB07zClx7I)☆12/19(金) 21:24:00 HOST:zaq7d044086.zaq.ne.jp
気まずい空気のまま夕食。
えーっと…盛り上げるべきですか?
それとも黙り込むべきですか?

「そう言えばいつからだっけなぁ…綾島のこと『ケイちゃん』って呼ばなくなったの」
俺は今、心の中でお前を叱った。
地雷踏むの好きだなw

「ばっ、バカバカ、なに言ってんだよこんな時に」
部長が口に煮物を放り込む。
「だってさ、昔は恵理姉ちゃんみたいにあだ名で呼んでたのに、最近はほとんど喋らないからなぁ…」
いや、結構絡んでますよお2人?
「綾島、そんな事あったのか?」
これこれ、登志彦もそう詰め寄るでない。
「バカ、昔の事だよ」

「でも、羨ましいですね」
中橋さんが口を開く。
「羨ましい、って?」
寺内が尋ねる。
「だって、小学校から同じなんですよね?そんなに長く仲が続いてるなんて、羨ましいなぁって…」
「そ、そうでもねぇって」
慌ててお茶を流し込む。見苦しいですよ、部長。
「いえ、羨ましいですよ。私、幼い頃から転校ばっかりで、友達とか幼馴染みとか、そういうのあまりわからないんです…」
そういや、今年の春に転校してきたばっかだって言ってたっけな、この人。

「中橋さん、だっけ?」
グラマー美…ゲフンゲフン、恵理さんが話しかける。
「はい…」
「よかったね」
「ほぇ?」
首をかしげる。つか「ほぇ?」ってwwwww
「この人たち、いい友達になってくれるよ」
「いい友達、ですか…?」
今日が初対面なのにまるで俺や桃上先輩や寺内のことをよく知っているかのような口ぶりだ…。

「そう、だって、ケイちゃんはこう見えて優しいし」
「その呼び方やめてください」
「有希もおせっかいなところはあるけど、性格いいし」
「一言多いって」
「桃上くんは面白いし」
「救世主ですから」
「紗耶ちゃんもかわいいし」
「てへへ…」
待て、それは性格では(ry
「森田くんも、シャイなところあるけど、そこがまたかわいいんだよね」
「寺内と被ってます」
豊満な胸があるから、ということは伏せておいた。

「だからさ、心配ないよ」
なぜ全メンバーの名前を把握していたのかが不明だが、ほとんどが第一印象であることはわかった。
「そうですね、ありがとうございます」
中橋さんはそういってお辞儀を…
コツン。
テーブルにおでこをぶつけた。
「大丈夫?」
中橋さんがゆっくり顔をあげる。
「私、ドジなんですよね…」

一気に空気が晴れたぞオイ。
とりあえず、その後しばし雑談を楽しみ、風呂に入って寝た…。


25: 名前:マチュピチュ@私は帰ってきたぁぁぁ!! (PB07zClx7I)☆12/21(日) 16:06:44 HOST:zaq7d044590.zaq.ne.jp
翌朝、部長の怒鳴り声によって叩き起こされた俺達は、ロビーに集められた。

「いいか、今日から2週間の間撮影を行う。みんな、台本は持ってるな?」
部長が台本を掲げる。やけに気合い入ってんなこの人…。

「一体どうしたのよ?何事にも興味を持たないアンタがこんなにやる気出すなんて」
郡城先輩が目を擦りながら言う。ボサボサ頭に若干ブカブカのパジャマ…狙ってますよねコレ?
「何言ってんだ?遂に念願の監督デビューなんだぜ、燃えないはずが」
「はいはい寝言は寝て言え」
桃上先輩が台本を丸めそれで部長の頭を叩く。

「どうしたの?なんだか楽しそうだね」
恵理さんが爽やかな笑顔を振りまきながら輪に入る。
寝ぼけ眼<<<<<<<(越えられない壁)<<<<<<<<部長の気合い≒恵理さんの異常なるハイテンションという妙な式が出来上がったが気にしない。

「聞いて下さいよ。この人、朝っぱらから撮影するって言って聞かないんです」
「まだ寝てたいんですけどね…」
中橋さんは枕を抱いている。解りやすいなぁ…。
「えぇ〜?楽しそうじゃん、私も混ぜて」

一瞬空気が止まり、そのあと一斉に声を上げた。
「えぇ〜!?」
「何?都合悪い事でも言った?」



グラマー+美人+天然=人類滅亡


26: 名前:りな (n4K5UQyXY2)☆12/22(月) 22:29:59 HOST:p84a535.gifunt01.ap.so-net.ne.jp
ageです!!
頑張ってください☆


27: 名前:マチュピチュ@私は帰ってきたぁぁぁ!! (PB07zClx7I)☆12/24(水) 21:29:32 HOST:zaq7d044fb2.zaq.ne.jp
とりあえず、成り行きで恵理さんも撮影に参加することになり、撮影が始まった。
キャストはヒロインに寺内、
ヒロインが好きな男子高校生Aに俺、
同じくヒロインが好きな男子高校生Bに桃上先輩、
寺内の友達に郡城先輩と中橋さん、
そして、男子高校生A・Bの相談相手になるのが、恵理さん演じる民宿の一人娘だ。

本来は郡城先輩の役どころだったのだが、急遽脚本を変えた。
「ゴメンね中橋さん、迷惑かけちゃって」
ビーチパラソルの下で台本を覚えている中橋さんに恵理さんが謝る。
「いいですよ。それに大勢でやった方が楽しいですし」
アンタ優しいなオイ。
にしてもシュールな画ヅラだなコレ。
グラマー美女に小学生にしか見えない女子高校生…、
傍から見たらスゴイ画だぞ。
「コラ、何ぼーっと突っ立ってんの」
寺内が腰に両手をあて俺の顔を覗き込む。
ロリ見たあとにロリ見ると精神崩壊するべ?

「いちばん最初のシーン、森田君のセリフでしょ?間違えると部長怒るよ」
ハハ、「君付け」とはこれまた破壊力高い。
「これ、森田君の台本。ちゃんと覚えなさいよね」
君付けなのに上から目線とはこれ如何に。
「よーし、本番行くぞー!」
部長が台本を持った右手を天高く振り上げる。
真夏の日差しがやけに暑…

意識が遠のいた。
そのまま、太陽の日差しを反射するコンクリートに倒れ込む。
ハハ、熱中症とはこれまた情けない。


28: 名前:マチュピチュ@私は帰ってきたぁぁぁ!! (PB07zClx7I)☆12/25(木) 19:31:40 HOST:zaq7d0441d5.zaq.ne.jp
えっと…何故だ?
ちゃんと栄養付けてたはずだぞ?
それに今まで熱中症になったことなんてないし。
恐ろしき地球温暖化。

目を覚ますとそこは俺達が止まっている部屋だった。
なんとなく意識がぼーっとする。
と、ふすまが開いた。
「目、覚めた?」
恵理さんだった。

「いきなり倒れたからびっくりしちゃった」
どうやら部長達は俺が出ないシーンを撮り、その間恵理さんはずっと俺の看病をしていたらしい。
「…すいません」
こういう事しか言えない自分が情けない。
「いいよ、こういうの慣れてるし」
「慣れ…てる?」
どうやら重い過去を背負っているフラグがプンプンして参りましたよ奥さん。

さて、先に3行でまとめるべきか。
とりあえずざっと説明。
恵理さんのお母さんは非常に体の弱い人だったらしい。
恵理さんは物心付いた頃からそのお母さんの看病をしていたらしい。
病気に苦しむ母の姿を見るのがつらく、恵理さんはあえて明るいキャラになったらしい。
しかし、恵理さんが高校に入ったあたりから病状が急変し、2年前に亡くなったらしい。

「らしい」ばっか使ってる、引き出し少ねぇな俺。

「お母さんが好きな言葉があったの」
「好きな…言葉?」
「うん、『諦めなければ夢は叶う』って」
うわー、ありがちな台詞。
しかし結構いい言葉だから困る。
「アタシさ、お母さんと出かけたって思い出がないの。ただでさえうちは民宿の経営で忙しいし、遊園地とか行ったことないんだ」
そう言って窓の外を眺める。
その横顔はどこか、寂しそうだった。

「あの」
「ん?」
次の瞬間、俺は自分でも信じられない台詞を発していた。
「今度、みんなで行きませんか?遊園地」
熱中症って恐ろしい。人を狂わせるね。
もちろん恵理さんもキョトンとしている。
「も、もちろん忙しいならいいですよ?でも、早めに撮影終わらせて、遊園地とか、水族館とか行きましょうよ!ちょうど近くに水族館あるんですし!」
もう自分で自分が怖い。
恵理さんは少し驚いたように俺の顔を見つめた後、少し下を向き微笑んだ。
「そうだね、みんなで行こっか」
「は、ハイ!」
なんで舞い上がってんだ俺。

と言う訳で、即俺は撮影に参加し、急ぎ足で撮影は進んだ…。


29: 名前:マチュピチュ@私は帰ってきたぁぁぁ!! (PB07zClx7I)☆12/26(金) 19:25:12 HOST:zaq7d04430e.zaq.ne.jp
どうでもいい話だけどさ、柿の種って美味しいよね…。

って本当にどうでもいいじゃねーかオイ。


その日の夕食時、俺はその事をみんなに話した?
もちろんみんな唖然。
「森田、お前やっぱ体調悪いんじゃないか?」
そう言って桃上先輩が大きな掌を俺の額に当てる。
「気失ってたから寝ぼけてるんじゃないの?」
部長は「どうせ大したことないだろ」と言わんばかりに漬物を口に運ぶ。
お前んトコの部員だぞ、俺。
「恵理姉さん、今の話、本当…?」
郡城先輩が恵理さんに尋ねる。
「うん。昔のこと話したら、みんなで行こうって言ってくれて」
「昔のこと?」
中橋さんがか細い声で尋ねる。
あぁ、この耳がこそばゆい感じたまらない!
って俺変態か。
「うん…」
おい、俺の時はすらすら話したくせに、なんでコイツらには黙り込む?
若干疑問を覚えつつも、郡城先輩が代わりに説明を始めた時…。
「うっ…うっ…」
恵理さんが俯いて泣きだした。
マザガ、ドラウバダッタンディスカー!!
寺内、中橋さん、視線が痛いぞ。
そして部長、明太子箸で挟んだまま固まるな。

桃上先輩が耳打ちする。
「森田、お前なんとかしろ」
「え、何で俺なんですか?」
「お前以外に誰がやるんだよ!」
言われるがままに俺は恵理さんに話しかけた。
「あの…さすがにこの話まずかったッスかね?」
「…ぐすっ」
話にならない。
「あ、あの…悪かったんなら謝ります」
恵理さんは「ううん」と首を振る。
「でも、昔のこと思い出しちゃったんでしょ」
今度は寺内が俺に耳打ちをする。
「森田君デリカシーなさ過ぎ!もうちょっと気使いなよ」
「気使うって、一体どうしろって言うんだよ?」
「いいから見てて」
そう言うと寺内は恵理さんに話しかけた。
「恵理さんも、つらかったですよね?気持ちはよくわかります」
わかるんだ。
「私も早くに祖母を亡くして、祖母との思い出がないんです」
俺は生まれる前に母方の爺ちゃんが死んだがな。
しかも小2の頃父方の爺ちゃんも死んだ。
なんであの時ウェブダイバーなんて見てたんだろ?
「祖母との思い出がないのでこれだけさびしいのに、お母さんとの思い出がないなんて、よっぽどつらかったんですよね?」
お前もうカウンセラーやれ。
「確かにその記憶は、いい記憶じゃないかもしれません。でも、嫌な記憶は楽しい記憶で蓋をすればいいんです」
どっかで聞いたことある台詞だなって、「天使の降る遊園地」じゃん!
この人DVD貸して以来地味にケータイ捜査官7にはまってるから嫌だ。
いやまぁ俺の布教活動が順調に行ってるってことなんだけど。
もう本放送終わってるけど。

と、恵理さんがようやく顔をあげた。
「そうだね…さっさと撮影終わらせて、みんなで遊びに行こっか!」
やはり、俺の周りの女性は笑顔が素敵だ。

[ ○□○]『ちなみに説明しておくが、作者はこの作品の時代設定を2009年としている。なのでまだケータイ捜査官7は放送している』
[ ■w■]『ですが、今年度の放送は既に終了しており、次回は1月7日、この作品の設定の通り2009年の放送となります』
[ <・><・>]『…宣伝乙』


30: 名前:マチュピチュ@謹賀新年 (PB07zClx7I)☆01/05(月) 13:18:51 HOST:zaq7d044277.zaq.ne.jp
翌朝、リフレッシュにジョギングをしていると、砂浜に人が立っていた。
その人は大きく息を吸い込むと、海へ向って叫んでいた。

「夏のバカヤロー!!」

関わらない方がいい、そう判断した俺は民宿へ向って…。
「そう思わないか、君?」
話しかけられたorz
「あの…貴方誰ですか?」
「俺?俺はあそこのレストランでオーナーやってる」
男の人が指差した方を見る。確かに小さな寂れた家のような建物があり、「波乗りレストラン」という看板がかかっていた。

「あんな名前だけどさ、俺夏って嫌いなんだよね」
そう言うと男の人はこっちに来て、段差になっているところに腰かけた。
「君、名前は?」
答えない方がいい。
「心配しなくていいよ。別に怪しくなんかない」
充分怪しいです。
ラフなアフロのようなパーマに、馬面のように鼻の穴が大きく縦に長い顔。
そして白いアロハシャツを着ている。
そしてそれで「夏が嫌い」ってか。
「おっと失礼、まず自分から名乗るべきだったかな。俺は大山要、よろしく」
大山さんが手を差し出す。握手でもしたいのだろう。
一応しとかないと後々めんどくさそうなので自分も手を差し出す。
「俺、森田晴樹って言います」
「晴樹君か」
「下の名前で呼ぶのはやめてください」
「おぉこれはすまなかった」
「…俺、そろそろ戻るんで」
そう言って俺は再び走り出す。
「今度、友達と一緒に来てくれよ。波乗りレストラン」
絶対行くもんか。と思ったものの、何故か行かない気にはなれなかった。


31: 名前:マチュピチュ@謹賀新年 (PB07zClx7I)☆01/06(火) 13:02:40 HOST:zaq7d044fd6.zaq.ne.jp
民宿に戻ると、既に恵理さんが起きていた。
「おはよう、どこ行ってたの?」
「ちょっとランニングに…。あ、そうだ」
俺は波乗りレストランについて聞いてみた。
「あぁ、休業レストランのこと?」
「休業、レストラン?」

恵理さんの話によると、あの大山要とかいう男は夏休みが始まるとともに城崎に来て、
ボロ家になっていたあの建物をレストランに改装したんだとか。

しかし、すでにオープンできる状態になっていながらも、あの男は何故かなかなかレストランをオープンさせないのだという。
そして、「準備中」と書かれた看板に「休業中」との張り紙を貼り、近所の住人から「休業レストラン」と呼ばれているのであった。

「それがどうかしたの?」
恵理さんが聞き返してくる。
「いや、さっきランニングの途中にそこのレストランのオーナーの人が海に向って叫んでいるのを見かけて、何してるんだろうなーって見てたら話しかけられたんですよ」
「え、じゃあさっきの叫び声ってオーナーさんだったんだ」
オイオイ、近所に丸聞こえだぞ大山さんよ。
「今度友達と来てくれって言われたんですけど、どうします?休業中なんでしょ?」
「えー面白そうじゃん。あ、今日のお昼あそこで食べようよ」
「大したものは出てこなさそうですけどね」
「いいじゃん別に」

いいのか?と思いつつも俺はシャワーを浴びる為に着替えを取りに部屋に戻った。


「波乗りレストラン?」
部長がマヌケな声を出す。
「えぇ、恵理さんが今日の昼飯そこで食おうって。でも怪しいですよね」
「待て、それ以前に波乗りレストランってなんだ?」
古臭いコントのように軽くコケたあと、俺は恵理さんから聞いた話を部長と桃上先輩に話した。
「休業中なのに中に入れるレストランって聞いたことないぞ俺」
「俺もだ」
2人が珍しく口をそろえる。
「だから俺も怪しいなって思ってるんですよ」
「でもさ…」
部長がカメラを取り出す。変なスイッチ入った。
「そのオーナーに出てもらえば面白くなりそうじゃね?」
「何がですか。バカバカしい」
俺は着替えとタオルをまとめると、ふすまを開けて…。
「晴樹くーん!!」


な ぜ い る


32: 名前:野上善太郎@元マチュピチュ (PB07zClx7I)☆01/07(水) 17:49:57 HOST:zaq7d044659.zaq.ne.jp
「うわっ、大山さん!?」
思わず尻もちをつく。
なんでそんなに笑顔なんだ。
「おおおい森田、この人誰だよ?」
部長が俺の肩を掴む。
震え過ぎwww小動物かwwwww
と、大山さんが俺を突き飛ばし(?)、震えている部長の手を握る。
「初めまして。僕、そこのレストランでオーナーやってます、大山要です」
「あ、波乗りレストランの」
部長の額から粒のような冷や汗が噴き出ている。
「あはっ、聞いてたんだ?いやーそうなんだよ。で、なに?来てくれるの?」
「いや、その、行けるなら行きたいんですけど、休業中なんですよね?」
もうやめて!綾島君の口の中の水分はとっくに0よ!!
「何言ってんの?大歓迎だよ!ほら、そこの体の大きい君もおいでよ!」
桃上先輩が自分の顔を指差す。
「お、俺!?」

そこへ女性陣がやってきた。
「もうアンタらうるさい!!…って、誰?」
郡城先輩が大山さんを見て固まっている。
「初めまして、僕、波乗りレストランでオーナーを…」
「いや、その、なんかいきなり部屋に乗り込んできて、ねぇ?」
急いで大山さんを部屋の奥に追いやるが、隠れる場所がない。
「おい森田!てめぇ一体コイツと何話した!?」
桃上先輩が俺の胸倉を掴む。
「いや、別になにも…」
「別に何もってことはないじゃないか!」
大山さんが間に割り込む。
「で、来てくれるんだよね?」
顔が近いです。
「ねぇ、誰この人?」
寺内そんな事いいから助けろ。
「なんか、怖いですぅ…」
変な萌えオーラ出すんじゃない中橋!
「おいテメェ!一体どういうつもりだ!?」
桃上先輩アンタ気短すぎ!
「だだだだずげで」
涙目になるな綾島圭吾。

ったく、朝から騒がしい連中だ。


33: 名前:野上善太郎@元マチュピチュ (PB07zClx7I)(sage)☆01/09(金) 21:20:09 HOST:zaq7d044b53.zaq.ne.jp
「んで、結局アンタ何者なの?」

部長が口に柿の種を運びつつ大山要に尋ねる。
さっきまで泣いていたお前は何処へ?

「だから何度も言いますが、僕はあそこの波乗りレストランでオーナーをしている大山要と申します」
「ヘッ、営業してねぇのにオーナーかよ」

桃上先輩が鼻で笑う。

「いずれするつもりです」
「いつなんですか?」

郡城先輩も柿の種を口に放り込む。

「それは…」
「え、もしかして予定ないんですか?」

寺内が身を乗り出して聞く。

「ま、まぁ…」
「呆れた、それでレストランのオーナーって言い張ってるの?」

あの、恵理さん、キャラ崩壊してますよ?

「言い張ってるというか…」
「というかホントはオープンさせるつもりないんじゃないの?」

部長、アンタSの時はとことんSだな。

「それなのに、なんで私達誘ったんですか?」

無垢な子供の言葉は、刃物のように鋭い。
それはこの、小学生にしか見えない高校生にも通用するなと思った。
中橋さんきっつ!

「いや、オープンの下準備として…」
「改装でも手伝わさせるのか?」
「料理の試食とか」
「なんかいい予感がしない」
「食中毒とかになりそう」
「クモとかいるんじゃね?」

おいおい…そこまで責め立てなくたって…。

「いえ、そんな事は断じてございません。と言うか、皆様が波乗りレストランを気に入っていただければ明日から、いえ、今日からでもオープンさせてみましょう!」

言っちゃったよ…。


34: 名前:野上善太郎@人間であって人間でない (PB07zClx7I)☆01/16(金) 14:51:00 HOST:zaq7d0440c9.zaq.ne.jp
…と、言う訳でだ。

ドラマの撮影を兼ねて波乗りレストランで食事を取ることになった。
本来は商店街のファーストフード店で撮影するはずだったのだが、これまた恵理さん宜しく脚本が変更になった。
と言っても、場所が変わるのと大山さんの台詞が二言入るだけで大した変わりはなかったのだが。

店内は意外と小洒落ており、店の片隅にはバンドが使う楽器…つまりドラムなどが置いてあった。
「すいません、なんで楽器が置いてあるんですか?」
寺内が大山さんに尋ねる。
「あぁ、あれはね、僕の友達のアイデアなんだよ。というか、元々ミュージシャン目指してたんだよね」
「え、そうなんですか?」
寺内が興味津津そうに言う。
「うん。と言っても、僕楽器出来ないし、ボーカルだったんだけどね」
「何言ってるんですか。ボーカルはバンドの命ですよ」
寺内、お前いつから音楽に興味持つようになった?
「ずっと前からだよ、ギター習ってたし」
あ、だからこいつやけに中学の時音楽の授業でギターうまかったのか。
にしても俺ジャニーズ系しか聞いてないようなイメージあった。
「森田君、失礼だよ」
はいはい。

「でも、じゃあなんでレストランやってるんですか?」
郡城さんが話に割り込む。
「うん、それには深い訳があって…」
大山さんが深刻そうな顔をする。
「…深い訳?」
「…うん。その友達さ、事故で死んでるんだよね」
…辺りが重い空気に包まれた。

あーもうやだホント。
鬱展開多過ぎ。


35: 名前:野上善太郎@人間であって人間でない (PB07zClx7I)☆01/18(日) 21:03:21 HOST:zaq7d044d3d.zaq.ne.jp
〜番外編〜

その日は恐ろしいほどに平和だった。
いつもは騒がしい部長も、今日は黙々と編集機であるパソコンに向かうだけだった。
郡城先輩はラクロス部に行っている。大会が近いんだとさ。
中橋さんはと言うと、部室の隅で読書をしている。
部室の真ん中に鎮座した机で課題を片付けているのは、俺と桃上先輩。
別に期限が近いというわけでもないが、面倒なことは早めに片付けたかった。
そして、寺内は呑気に窓の外を眺めている。

普通だ。いつも通りの風景だ。
ただ、あるメンバーの一言により、この静かな日常は、大きな事件へと発展していくのである…。

「なぁ森田」
部長がカチカチ、とマウスパッドの上でマウスを滑らせながら俺に話しかける。
「なんですか?」
「悪いけど、購買言って焼きそばパン買ってきてくんねぇ?」
パソコンの画面から視線を一切動かさず言う。
「えぇ〜俺がですか?」
「今日昼飯抜いたから」
淡々と答える。
「またかよ…。わかりましたよ、飲み物はいりませんね?」
「うん、いい」
今思えば、俺と部長のこの会話が、事件の引き金になったのだった…。

粗方片付いた課題を鞄にしまい、代わりにサイフを取り出す。
「あ〜腹減ったなぁ〜」
桃上先輩がわざとらしく伸びをする。
「おい森田、ついでにカレーパン買ってきてくれ」
「へっ!?」
思わず声が裏返った。
「俺、成長期なんだよ」
自分で言うか普通、という台詞を飲みこみ、部室を出ようとする。

「ねぇ森田君」
今度は寺内だ。
「なんだよ」
「ピーチティ、お願いできる?」
寺内が顔の前で手を合わせる。
「お前もかよ…」
「あの…」
中橋さんの途切れそうな声が耳に入る。
「…何買ってくればいいですか」
そう言いつつ財布の中身を確認する。今日帰りにバイト代卸すか…。
「私、いちごミルクお願いできます?」
エライ可愛らしいの頼むな。

「わかりました、それだけでいいですね?」
うん、いいと皆が異口同音に言う。
俺は若干暗い気持ちになりつつも、購買のある場所へ…。

ない。
いつもなら放課後も開いてる購買部が、今日は閉まっている。
「なんでだ…?」
思わず膝をつく。
と、そこへ隣のクラスの北原香奈が通りかかる。
「どうかした?」
「…なんで今日購買閉まってんの?」
俺は独り言にも聞こえる質問を問いかけた。
「なんか、購買の人具合悪くてお休みなんだって」
「他にもいたじゃん…」
「いつもその人持ってくるでしょ?でも代わりに持ってくる人がいなくて…」

俺は目の前が真っ暗になった。
焼きそばパンは?カレーパンは?
ピーチティといちごミルクはどうすんの?

俺は部室に戻り「購買が閉まっていた」と言った場合をシミュレートした。
部長は腹が減り過ぎると壊れるタイプだからまず殴られる。
桃上先輩は問答無用で殴られる。
寺内には泣かれる。
中橋さんは…中橋さんは特にどうってことなさそうだな。

だが、俺がダメージを受けるのは目に見えてる。
「ないなら自分で買いに行くしかないか…」
「え?」
俺は即座に立ち上がり、脱靴場へと向かった。


36: 名前:野上善太郎@人間であって人間でない (PB07zClx7I)☆01/24(土) 13:53:42 HOST:zaq7d0441f9.zaq.ne.jp
サドルを跨ぎ、ハヤブサの如く校門を出る。
最寄りのコンビニは駅前、信号が3つぐらいある。
それほど遠くはないが、この信号がなかなか開かずの信号で、かなりのタイムロスになる。
最悪の場合は信号無視という手もあるが、自分は常識人なのでそんなことはしない。
というか自分の命が大切だしな。

無事3つの信号を切りぬけ、第2の難所、商店街にさしかかる。
この時間帯の商店街は人で溢れ返ることを俺はこの半年間で習得している。
せまい道を人をかき分け、自転車から降りることなく(降りると横幅を取ることになり、余計時間がかかるので)切り抜ける。
そうすれば後は早い。

駅の横の路地を少し走ると、あった。
自転車を適当なところに止め、ドアをあける。
注文を思い出す。
焼きそばパンに、カレーパン、ピーチティにいちごミルクだ。
ピーチティといちごミルクは簡単に手に入ったが、それ以外が見当たらなかった。
いや、申し訳な下げにソーセージロールとかはあるんだが、それじゃ違うしな。

とりあえず飲み物系だけを買い、コンビニを出る。
自転車に跨ろうとした瞬間、携帯が鳴った。
某人気アイドルグループの曲、ということは寺内だ。
「もしもし」
『何してるの?部長達かなり怒ってるよ』
確かに受話器からは部長の奇声と桃上先輩の雄叫びが聞こえる。
「いやさ、なんか購買閉まってて、んで駅前のコンビニまで行ったんだけど、お前の言ったピーチティといちごミルクしかなくて…」
『いいから早く帰ってきてよ!こっち大変なんだから』
とうとう受話器から聞こえてくる雑音に中橋さんの「やめてくださぁ〜い」っていう半泣き声が混じり出した。
「うん、わかった、急いで探すわ」
『絶対だよ』
「…俺に怒りをぶつけるより、次のコンビニにパンがあるかどうかの心配をしてくれ」
俺は電話を切り携帯をしまうと、自転車を駆らせた…。


37: 名前:みみりん☆01/24(土) 13:55:22 HOST:p6075-ipbfp803kobeminato.hyogo.ocn.ne.jp
読みにくいでっす

38: 名前:野上善太郎@人間であって人間でない (PB07zClx7I)☆01/24(土) 16:16:30 HOST:zaq7d0441f9.zaq.ne.jp
うわ、まただ。
台詞の前改行すんの忘れた…orz
とりあえず今後気をつける。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
…とアレだ。
他にコンビニあったっけ?
たしかあの美容室の隣のコンビニ潰れてたよな?
じゃあJRの方まで行かないとダメか…orz

俺の通う高校は近くに駅が2つある。JRと私鉄の2つだ。
2つの駅の距離はさほど遠くはないものの、今の俺にはその距離が東京〜大阪間より長く思えた。

人の波をかき分け、JR駅前のコンビニに辿り着く。
ここでも天は俺に味方しない。

カレーパンは辛うじてあったものの、焼きそばパンなんてものはそうそうないらしい。
おいおい、もうこの近くにコンビニないぜ?俺の頭に浮かんだのは、アーケード街の中のスーパーだった。

しかし、この時点で時刻は4時45分。
俺達放送部は基本5時に活動が終わる。
最悪の場合、延長も考えられるが、それは部長の都合などによりありえない。
しかし、この15分間で焼きそばパンを入手し、学校に戻れる確率はさほど高くはない。

ただでさえ込んでいる商店街、それがスーパーなら尚更だ。
世のマダム達が夕飯の献立を考えつつスーパーで食材を取り合う。
そんな時間帯なのだ。4時45分とは。
と、改めて携帯の待ち受け画面に目を落とす。


既に4時51分になっていた。


考えている暇などない!
とにかく俺は急いだ。
スーパーに駆け込み、菓子パン売り場に急行する。

「あった!」

しかしなんと運の悪い事か、俺はレジが込んでいることにまで考えが及ばなかった。
いや、普通あそこまで考えたら気付きそうなものだが。
無事購入し、スーパーを出た時点で時刻は既に4時58分。

2分前。
帰れる可能性ほぼ0。

しかし、桃上先輩に顔面パンチされるよりはマシだ。
どっちにしろ殴られるが。
俺は来た道を戻り、校門に駆け込む。

「おい森田!お前何してんねん!」

体育教師のジャージマンこと大槻カズヤが怒鳴る。

「まま待って、緊急事態だから!」

そう捨て台詞を残し、俺は部室へと向かった。
息があがる、
足が痛い、
目まいがする、

結局、俺はギリギリ5時になる前に部室に駆け込み、寺内に3つのポリ袋を預けると、床に倒れ込んだのである。


これが、後に言う「森田晴樹パシリ事件」である。
これ以降、部員達は二度とパシリはしないと心に誓ったのであった…。




ちなみに、俺が倒れた直後、ジャージマンがバットやらヘルメットやらフル装備で部室に飛び込んできたのは言うまでもない。


39: 名前:野上善太郎@ナンナンダア゙ンタイッタイ!!? (PB07zClx7I)☆02/10(火) 18:32:55 HOST:zaq7d0445d9.zaq.ne.jp
さてと、だ。

大山さんの暗い過去についてだが、俺は呆れてよく話を聞いておらず、ほとんど記憶にないので誠に失礼ながら割愛させていただく。
文句言うな、こっちだって手一杯なんだよ。


…んでだ、
次のシーンは…って待てこんなの脚本に書いてたか?
恵理さん含む放送部女性陣が水着に着替え、海辺ではしゃいでいた。

「部長、なんスか…これ?」
「見て解らんか?目の保養だよ」

何が目の保養だ。確かにどれをとっても魅力的ではあるが。
恵理さんはその豊満な胸が裸になることにより一層強調され、今にもビキニからその果実が零落ちそうである。たまらん。
郡城先輩も細身ながらそれなりに胸はデカイ。隠れ巨乳っていいよね!
寺内は…うん、まぁ、その、うん。恨むなら俺の性癖を恨め。貧乳属性はないんだ。
中橋さんは完璧小学生にしか見えなかった。というかそもそも水着のセンスがおかしいよね、上手く説明できないけど。


「にしても綾島、こんな映像どこで使うんだよ?」

桃上先輩が部長の頭を肘で小突く。

「あ…」
なんつーマヌケな声ですか。

「もしかして、考えてなかったのか!?」
そしてまぁアンタもそうすぐに胸倉掴みなさんな。

というか…海水浴客の視線が痛い。

胸倉を掴んだまま部長の体を揺さぶる桃上先輩と、その仲裁に入る女性陣を見て、俺は一人退散しようと思ったが
あとあと面倒そうなので結局仲裁に入ることにした。
あー情けない。


40: 名前:野上善太郎@青空になる (PB07zClx7I)☆03/17(火) 17:27:20 HOST:zaq7d0442a0.zaq.ne.jp
でだ。
それからいろいろあったんだがながくなりそうだし作者も試験が終わったばっかでそんな体力ないから割愛させていただく。

ちょっ物投げないで(ry


で、最終日。
俺たちは地元の水族館に来ていた。

「こう見えても約束だけはキッチリ守るんですよ」

と自慢げに言ったら寺内に「嘘つけ」と即つっこまれたぞ。
クロックアップ乙。

そして大山要、お前なんでいる。

「いや、人数多い方が楽しいじゃん」

なんか帰るときまでついてきそうで怖いわ。


41: 名前:☆03/17(火) 19:50:48 HOST:ser359494001833807
うは(^q^)先輩復活した(´ω`*
頑張って(∀


42: 名前:野上善太郎@青空になる (PB07zClx7I)☆03/17(火) 19:55:22 HOST:zaq7d0442a0.zaq.ne.jp
>>41
クサァモツヅコォカクンダナ


43: 名前:野上善太郎@世紀の涙腺崩壊マン (PB07zClx7I)☆03/18(水) 21:08:36 HOST:zaqdb72d42b.zaq.ne.jp
〜番外編〜

それは、残暑の厳しい夏休み明けのことだった…。
うちのクラスに転校生がやってきたのだ。
そいつは黒板に自分の名前を書くなりこういった。

「誰か、アタシと一緒に世界征服しなさい!」

暑さで頭がやられているんじゃないかって思うだろ?俺も思ったよ。
ところがどっこい、こいつなにからなにまで本気だったらしい。
で、そんな奴のワガママに巻き込まれたのが俺と寺内って訳だ。
やれやれ、悪い夢なら覚めてくれ。

とにかく、早くこの日々から解放されたいぜ。


身長、152cmと以外に小柄。
腰まであるロングヘアー、頭には黄色いカチューシャをしている。
顔立ちも整っており、黙っていれば美人なのだ。

が、美しい薔薇にはとげがあるというか、彼女の場合は遂げじゃなくナイフが茎から生えてるんじゃないかと思うね。
そう、この…涼浪ハルカに関しては。

「あーもう全然ダメ、そんなんで本当に世界征服できると思ってる?」

メガホンを持つ手を腰にあて、声を張り上げる。
貴様のせいでどれだけ俺の交友関係が小さくなったと思ってる?

「そんなのどーでもいいの。ほら、次!」

やれやれ。
と、今俺が何をしているのかと言うと、人を操るための催眠機械(笑)を作っているところだ。

と言っても、ダンボールを適当に貼り合わせた学園祭レベルのものだが。

「あのね、世界征服する悪役が使う機械は、見るからに怪しくないといけないの。こんな地味な箱じゃ意味ないのよっ!」

暑さで地面にへたり込んだ俺の頭上にメガホンを振り上げ、それでダンボールの塊を指し言う。

「あ、あの…」

自称人見知りの寺内が割り込んでくる。

「何?」
「あの、あんまり怪しいと、逆に気付かれて、壊されちゃうかなーって…」
「うん、それもそうね。アンタ、これ採用」

おいおい、お前すごいな。
「全然、大したことじゃないよ」
よく言うよ。という台詞を飲み込み、俺は催眠機械を片付けようとする。

「ちょっと、なにしてんのよ?」
「え?何って、片付けんだよ」
「あのね、アンタバカじゃないの?見つかったらどうするのよ?今から行くわよ」


やれやれ、としか言えない。


44: 名前:菖蒲@怪盗777 (AxS5kEGmew)☆03/18(水) 21:36:31 HOST:pfa7df6.gifunt01.ap.so-net.ne.jp
うわーお見つけちゃった(´∀`*)
頑張ってwww
才能あるwwwウラヤマシスwww


45: 名前:野上善太郎@巷で話題の涙腺崩壊マン (PB07zClx7I)☆03/21(土) 16:37:39 HOST:zaqdb72d42c.zaq.ne.jp
「あのな…こんなガワだけで言ってもお遊びとしか思われないぞ?真面目にやるんじゃなかったのか」

と、油を注ぐのもどうかと思う。
だが、ここで呑気に「はいそうですか」とついて行くと俺まで説教されそうなので嫌なのだ。
説教されるのは涼浪、お前だけでいい。
あと英雄は俺だけでいい。(クウガOPより)

涼浪はしばらく考えた後、俺の目の前に立ち、不満そうに俺を見上げつつも「アンタ、今日やけに冴えてるじゃない」と捨て台詞を吐いて帰った。
残された俺と寺内は、ダンボールで作った催眠兵器(笑)を適当に処理し、家路に着いた。

家に帰り、適当に復習を片付けているとケータイが鳴った。
メールだ。差出人は不明、本文はこうだ。

彼女は危険。早急に関係を断つべき。

この文節を繋ぎ合わせただけの文面を数秒見つめた後、俺はそれを重要なメールではないと判断し、再びノートへと目を落とした。


今となっては後悔してるよ。
素直にあのメールに従ってりゃ、俺はあんなことに巻き込まれずに済んだんだ。


46: 名前:翠雨@雨シリーズ3紅だった雨 (SAKURA.xMU)☆04/09(木) 19:06:55 HOST:125-14-53-37.rev.home.ne.jp
読みにくい=1レス1レスの文章が多すぎる

んじゃないかね?っとww


47: 名前:野上善太郎@許せるッ! (PB07zClx7I)☆04/10(金) 15:26:52 HOST:zaq7d044b19.zaq.ne.jp
そこは暗闇で、自分が立っているところだけ上からスポットライトのようなもので照らされていた。

「…なんだコレ?」

光源を肉眼で見つめたため目をチカチカさせていると、コン、コンというまるで杖を突くような音がした。
杖…?

「おぉ、久しぶりじゃのぉ」

声のした方を振り向くと、そこにはいつかのジジイがいた。
俺がパラレルワールドとやらに飛ばされた時に世話になった。
なんの話かわからないやつは下のURL先を読んでくれ。
http://zatsubitown.com/bbs/bbs03/test/read.cgi/tanpen/1223286879/l50

「ジジイ、てめぇ何しに来た?」
「やれやれ、再会を楽しむ気にもなれんのか?」
テメーとの再会を楽しむぐらいなら追試を受けてる方がマシだよ。
「まぁそう言うな。それで用事じゃが、最近お主がつるんどる女子がおるじゃろ?名前を…何と言ったかな?」

一瞬、寺内のことかと思ったがそんなはずない。
最近俺がツルんでる(というか無理矢理つき合わさせられている)女、それはただ一人。

「涼浪ハルカのことか?」
「そうそう、涼浪じゃよ涼浪」

コイツが話題に出してくるということは、何か裏があるんだろうな。
そう思いつつ俺は質問を返す。

「アイツがどうにかしたのか?」
「いや、以前お主が異次元に飛ばされたことがあったろ?」
「思い出したくもない過去だな」
「実はな、その引き金になったのが彼女なんじゃよ」
「へぇ〜…ってハァッ?!」

なぁ、このジジイ今なんつった?
今なんつったって聞いてんだよ読者のお前らに!!

「アイツが?どういう意味だ?」
「いや、あれからずっと引っかかっとってな、調べてみたら、ちょうどお前が交通事故にあったあの日、彼女も事故にあっとったんじゃよ」
「それが俺が異次元に飛んだこととどう関係があるんだよ?」
「それがの、話すと長くなるんじゃが…」
だったら次の機会にしろ。



つづく


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