| 30分ぐらいして、幹夫がサッカーに飽きたのか「川で魚釣りしようで!」と言いだしたので、少年達は次々と凜の庭を出て行った。 再び2人だけになった庭は、いつもよりがらんと静かな気がして寂しげだった。
「地面も平らにしてくれましたから、助かりましたね」
「そうだな」
地面には、無数の足跡とボールの後があったが、雑草を抜いた後の凸凹な表面より幾らかマシだった。 さっきまで賑やかな雰囲気にあったので、沈黙が重い。 なんだか、気まずい。 凜はこの空気を打破するために、さっきの少年達のことを楓に話しかけた。
「この集落にも、子どもっているんだな」
「ええ、まあそこそこに」
「お前のこと、男って間違う奴なんて居なかったな」
「あなたがそういう事に鈍感すぎるだけですよ、ふふっ」
「そうかなぁ……」
そして沈黙。 楓の方はそんなに気にしているようでもないが、凜は、会話中に沈黙が流れることが苦手だった。
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