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「うーん・・・。」
私は、矢野が不意に『可愛い』と言った日から
矢野の言動や行動が妙に頭につっかかっている。
何がしたいんだろうな、アイツ。
・・・だいたい、小杉が変なこと言うからだ。
それさえなければ私だって、大して気にすることもなかったっていうのに。
はぁ・・・矢野ねぇ。
「何ポヤッとしてんだよ。」
「えっ?・・・別に。」
・・・しまった。授業中だった。
「なんだお前、悩みでもあんの?」
これは悩みっていうのか?
・・・っていうか、矢野には言えないでしょ。
「別に、何もないよ。」
「だろうな。悩みなんか無さそうだもんな。」
「はぁ!?失礼な。・・・まぁ特にないけど。」
色々言いながら黒板を見ると、まだとっていない内容でいっぱいだった。
しまったな、早く書かなきゃ。
「じゃあ、矢野は?」
「あ?何が?」
「悩み、無いの?聞いてあげようか?」
「あぁ・・・」
ノートをとりながら、なんとなく言った言葉だった。
だけど矢野は、あぁ、と言って黙った。
なんだ。・・・ホントにあるんだ。
「あるんだ、悩み。」
「うん、まぁ。」
「はっはっは。聞いてあげよう。」
心なく笑って、そう言ってみた。
「うーん。・・・まぁ、お前には相談しようと思ってたんだけど。」
そう言うと矢野は、一枚ルーズリーフを出した。
それに何か書き始めた。
どうやら・・・筆談するみたい。
『こんにちは』
『挨拶いるか?』
『はっはっは。』
『なんだよ!さっさと言いなよ!!』
なかなか本題に入らない矢野に言った。
『うーん・・・甲斐 桜って、わかる?』
甲斐 桜???
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