調子が悪い方
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牢獄の壁の、向こう側
[1]月日:08/07(木) 00:42:44 HOST:ZH178201.ppp.dion.ne.jp
暗い牢獄の中。
罪人の私と、壁の向こう側のあなた。
小さな部屋から見えるのは、鉄策だけ。
悲しく無様な私に、楽しみをくれた、見知らぬあなた。
[20]真由:08/25(月) 11:20:26 HOST:softbank221042062029.bbtec.net
この小説全然先が読めなくて
気になります
結局この人たちは死んでしまうのだろうか?
と考えてしまいます
この小説面白いですね
[21]月日:08/25(月) 23:08:31 HOST:ZH178201.ppp.dion.ne.jp
真由様>レスありがとうございます!
先が読めないのはきっと、私自身も行き先が不安だからだと思います;。
大体は頭の中でまとまっているのですが、中々ゴールにたどり着かず…でして。
それがまとまっていないせいか、短編で間に合う長さになるかどうかも不安です。
もうすでに不安がいっぱいの小説ですが、レスしてくださったお言葉を励みに頑張ります!。
[22]月日:08/27(水) 23:56:38 HOST:ZH178201.ppp.dion.ne.jp
「…あなたは―」
「もう寝ろ、ジュティ。良いんだ、もう良い…」
またしても言葉をさえぎられる。
あなたは、何で可哀想な人なのでしょう。
いってしまいそうになってしまった私の本音は、住人の声によって遮られた。
言ってはいけない、と思うのに、喉で勝手に音を出し、口から言葉として零れさせてしまう。
先程の言葉はとめることが出来たのに、如何していってしまいそうになったのかははっきりと分からないが、それは多分、いや、きっと、私が子供の頃に戻ってしまったからだろう。
人は何故か、大人になるにつれ、言ってはいけないと感じたことを、言わないようにすることが出来る。
それがきっと、歳を重ねるということだろうと私は思っている。
それが私の一生で違う考えになることはきっとないだろう。
どうせ私はもうじき死ぬのだ。
腹の空腹に耐えかね、人をあやめて金をむしりとることも出来ず、そうして、餓えて死んでいくのだ。
それが、罪人の罪滅ぼし。
だが、それはただの国が決めた決まりだけであることを私達国民は知っている。
知りたくなくても、いずれ知ってしまうのだ。
国も、国民も、いずれ。
罪人が死んでも如何にもならない、ただこの王国の人口が減り、そしてもっと国が貧しくなる。
一人ひとりが払う税の額が大きく膨れ上がり、払えなくなっていく。
貧しくなって貧しくなって、そうして王国は知るのだ。
いや、知ってしまうのだ。
過ちは消せない、過去を正すことは出来ない。
ただ現実を受け止めるのが遅すぎた、国王のせいで、この国は滅亡し、大地は荒れ、王族も消え行く。
現実を受け止めても未来など変えられぬ。
今流れている、一分一秒こそが未来なのだ。
それが、時というものなのだから。
「おやすみなさい、それと―」
ごめんなさい、と小さく呟くと、そっと壁にもたれかかる。 省12
[23]月日:09/06(土) 23:51:19 HOST:ZH178201.ppp.dion.ne.jp
不意に目が覚めた。
高い位置にある窓から差し込む日の光が、まだ光に慣れていない目に飛び込んでくる。
ふっと眩しくなり、目を細めた。
今頃父や母は儲かることのない、荒れた大地を痩せ細り、骨ばった腕で耕しているのだろうか。
昨日までは私もいたその世界が、急に恋しくなる。
何処からか暑いものがこみ上げてきて、視界を揺らす。
ぐ、と出そうになったそれを飲み込み、とんとんと胸を叩く。
落ち着け、落ち着け、私と心の中で落ち着かせる呪文を唱えていると、少しずつ落ち着いてくる。
ふう、とため息を一つつくと、声を出さないよう慎重に伸びをする。
この王国では、牢獄という狭い空間の中で口から音を漏らすようなことをすれば、見回っている国に使える者に殺される。
子供の頃から、
「この国は貧しいから、人からお金を盗むのは仕方の無いことだけれど、そのことが見つかってしまったとき、牢獄で口を開いてはいけない」
と教え込まれてきたのだ。
仕方が無いから、人をあやめても仕方ない。
ただ、次の王への…国への希望を忘れてはいけない、だから牢獄で話してはいけない。
希望など、さらさら無い、だが、母に、父にもう一度会いたい、と心から願っているというのは本当のことだ。
[24]月日:09/12(金) 00:14:16 HOST:ZH178201.ppp.dion.ne.jp
願っていても叶うことなど無いのだろうが。
だが、例外もあるかもしれないなんてこと考えてしまうのは人間の悪い癖だ。
もしかしたら、なんてありえないと分かっていることに希望を託し、祈り続ける。
そんなことをしてなんになる?、心の私がそう呟くが、一生懸命それを否定する自分もいる。
小さな希望にさえもしがみつこうとしてしまうのが人間なのかもしれない。
それをどれだけ自分で馬鹿にしていても、しがみつくことをやめられない。
当たり前のことだ、人間はこんなにも無力で小さい。
稀に人間同士が一丸となる場合もあるらしいが、私の目でそれを確認したことは一度としてなかった。
つい、と窓に目をやる。
如何してこんなにも空は青いのだろうか、なんてことを考えたことは今まで無いが、
如何して空は青く染まり人を苦しめるのだろうと思ったことは幾度としてあった。
土の上で一日たりとも休まず空の下で決められたことをする国民を、どうして空は、国はこんなにも痛めつける?。
何をすることもなく、人からむしりとったに値する程の金で暮らしている人間に、一体何が分かる?、
如何して苦しめることが、痛めつけることが出来る?。
金の無い人間同士で金を取り合う程しかないわずかな金さえも奪い取ろうとする王国に、罪人を痛めつける権利など全くないのだ。
どうして私達はそれを王族に教えることが出来ないのだろう?。
それは、王国に使える国民にそんなことをする権利が無いからだ。
無力、言いなりになり、滅びるのを待ち続ける。
それがいやなら、戦うしかないのだ。
だがそれをすることが出来ない。
今こそ、王国と、王族と戦うべき時なのだ。
目をそっと瞑り、耳を澄ました。
外へと通じている壁に耳を当て、母や父を思い浮かべる。
外から声がする、何人もの国民達の、哀しみや怒りを含んだ声が。 省120
[25]月日:09/13(土) 22:52:10 HOST:ZH178201.ppp.dion.ne.jp
素足の足が、土の地面を蹴って歩くたび砂埃が舞うのと同時に、姫の髪がゆらゆらとなびいた。
外と牢獄とを繋ぐ唯一の扉がきい、と音を立てて開き、姫と若い男がするりと外へと出て行くと重そうな鉄の扉がバーン、と大きな音を立てて閉まった。
ただ1人残された男が、俯きながらゆらりゆらりと私の前から去っていった。
鉄柵にしがみつくように近づき、鉄くさい柵と柵の間から出来る限り精一杯顔を覗かせ、周りを見渡した。
先程の男が、ドアに近いほうが順々にドアの鍵を開けている。
ガチャ、と鍵が開く音がするたび中から罪人が1人ずつ出て来ているらしく、どこか嬉しそうな声を上げながら、お互い話し合っていた。
私の隣の部屋を通り越して最後であろう私の部屋のほうへと歩いてきた男が、さっさと鍵を開けると、ひとつため息を吐いた後牢獄から出て行ってしまった。
暫くの間呆然と座り込んでしまっていたが、1人の罪人が私のほうへと歩いてきた。
「早く行きましょう、ジュティ」
そういいながら私の部屋のドアを開け、手を差し伸べる。
その罪人は私の知り合いである少女だった。
「ええ、それも…そうね」
苦笑を浮かべながらも彼女の手を取り、立ち上がる。
同じ服を着た私達が、牢獄に誰もいないのを確認した後手を握りあいながら外へと飛び出した。
長い階段を下りながら、彼女と話す。
「昨日はどんなお話をしていたの?、姫様と」
不思議そうな顔をしながら私の顔をひょいと覗き込み、そう尋ねる。
その顔はなんとも幼く、そして悲しいものだった。
如何してこの少女までもが罪を犯せねばならぬのだろうとこの王国を心底憎く思った。
「…もう外よ、セリィア。早くパパとママの所へ走ってみては如何かしら」
ふふ、とつい口から笑みがこぼれてしまった。 省27
[26]月日:09/13(土) 22:58:24 HOST:ZH178201.ppp.dion.ne.jp
ということで終わり、です。
まとまりの文で本当に申し訳ないです;
いや、まあ呼んでくださっている方がいなくとも謝りますよ、ちら、とでも見てしまった方、こんな乱文くそ小説を見てくださってありがとうございました…!
しかもコメントまで下さった方はもう神様といっていいほどお優しい方です。
本当に嬉しかったです、まさかコメントが来るなんて思ってませんでしたから;
最後の二回程は長文、しかも夜中のテンションで書いたので昼間書いたのよりもぐっだぐだの乱文で申し訳ありません。
こんなのを書いてしまって申し訳ない気持ちでいっぱいです。
ああ、長くなってしまいましたね;
謝罪文のようになってしまって申し訳ありません;
それでは失礼いたします。
[27]望 (YKP8I..nGI):09/15(月) 15:47:29 HOST:PPPpf131.fukuoka-ip.dti.ne.jp
ついにこの物語も終わってしまったんですね。
月日さんの書いていたこの話は私の中でお気に入りでした。
というか、ピコ森の小説はこれしか読んでませんでした。
やっぱり人の心境などが細やかに書かれていて、主人公の気持ちがよく分かりました。
自分は作家を目指しています。そんな私にとって月日さんは憧れというか…尊敬というか…なんというか目標です。
最近は長文、つまり小説を読む若者が減っているそうです。
漫画もいいけどこういう素晴らしい話も読んで欲しいものです。
では、長文失礼いたしました。
またお話、書いてくださいね。
[28]月日:09/18(木) 22:44:10 HOST:ZH178201.ppp.dion.ne.jp
望様>レスありがとうございます^^
まさか最後まで読んでくださっている方が居るなんて毛頭思って居なかったので凄く嬉しいです。
本当にありがとうございます。
こんな小説ともいえないような自己満足のためだけに立てられたスレにコメントをしていただけた上に、お気に入りだと言ってくださるなんて本当に嬉しいです。
最後の辺りから、心境を考えるのが難しくなってしまい、しかも変な風に終ってしまったことが少し心残りだったりしますが;。
私なんかを目標だと言ってくださる望様の優しさが凄く嬉しいです、ありがとうございます。
そういわれれば最近携帯小説などが増えてきているような気がします;
携帯小説だけではなくほかの小説にも目を向けてみて、新しい話を読んでみるのも、私は悪くは無いと思ったりします;
まぁ好みは人によって違うので難しいかもしれませんね。
嬉しいお言葉ばかり本当にありがとうございました。
スレ上のコメント一つ一つがどれだけ嬉しかったことか…言い表すことは中々難しいのですが、とても嬉しかったです。
自己満足のスレに最後までお付き合いくださって本当に感謝しております。
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