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〜CAT〜
[1]涙香:10/09(火) 23:58:47 HOST:softbank219194038113.bbtec.net
この世界で生きていくには、強くなくてはならない。
−1話−
そこは高級住宅街がならぶところで、静かだ。
ましてや真夜中となればそこは静寂に包まれる。
しかし今日は違ったようだ。
《…ガガ……ガッ…そっちは…ガ…なってる?》
多少のノイズ音と女らしき人の声。
《…おっけー……ガガッ》
そして男らしき声がとても小さく、しかしよく注意
して聞かないと聞き取れない声で会話していた。
《じゃ…ガ…いっくよ!!》
その声が響き渡った後にすさまじい音が。
ガシャーン
どうやらガラスらしきものが割れた音らしい。
そしてしばらくの沈黙があると、足音が聞こえてきた。
人数は2人で、急いで車に乗って住宅街を走り抜けていった。
「まぁ、今回は楽な仕事だったな」
車を運転している少年。名前を
夜波 連(Ren Yanami)という。
「当たり前じゃん!あたしがいるんだし」
助手席に座っている少女。名前を
末元 玲(Rei Suemoto)という。
2人はある組織のメンバーである。
その組織の名前は
〜CAT〜
[53]涙香:06/22(日) 15:13:20 HOST:softbank219194038113.bbtec.net
身支度を済ませて、玄関で履きなれた運動靴の紐を結ぶ。
「玲。もう行くのかよ」
ドアノブに手をかけた瞬間、連に呼び止められた。
どうやらキャットへの報告は終わったようだ。
「あー、うん。なんで??」
そう問いかけると連は目線を玲からずらし、頭をガシガシと
掻いた。この仕草は連の癖であることを玲は知っている。
困ったことがあるときや内緒にしてることがあるとき、嘘を
ついたときなど。
子供の頃からそうなのだから。
「いや、なんつーか…気をつけろよ」
「連があたしの心配するなんて…熱でもあんじゃん??」
挑戦的な笑みを浮かべてペチペチと連の頬を叩くと連は一瞬
きょとんとした顔をしたが、すぐに言い返してきた。
「熱なんかねーよっ!!ただっ……ただ俺は」
そう言いながら連はまだ頬にあった玲の手を掴んだ。
それが以外と力強かったので玲は驚いた。
「ちょっ…連」
手を戻そうと引っ張るがびくともしない。
普段はふざけているくせにこうゆうときに男女の差を感じる。
「なんか…嫌な予感がすんだよ」
「連…あたしがやられると思ってんの?」
あたしはやられない。
まだみんなと一緒にいたいから。
笑顔でいられるこの生活を終わらせるなんてこと、しないし
させないつもりだ。
「絶対に帰ってくる」
そう笑って言うと連は手の力を緩めた。
玲の笑みに誘われるように連は笑みをこぼす。
「だよな…。お前は殺しても死ななそうだもんな!」
「は?どうゆう意味よ!!」
「そのまんまの意味だっつーの」
「うっせーんだよっ!!」
ニシシッと笑う連のすねを力いっぱい蹴り飛ばした。
もちろん運動靴を履いたままで。
「いっってぇーーー!!」
連はすねを押さえてぴょんぴょん飛んでいる。
言わなくていいことを言ったのかもしれないと玲は思った。
[54]涙香:08/05(火) 15:35:07 HOST:softbank219194038113.bbtec.net
−第9話−
最初から疑問に思ってもよかったのだ。
それが普通になってしまった。
その時点ですでに手遅れだったのか。それとも、すべて決め
られていたのだろうか。
普通ではないこの優れすぎる五感の力。自然治癒能力。
ただの始まりにすぎないのかもしれない。
もうすぐ秋だというのに、気温は30度を超えて太陽の光が
痛いくらいだ。
黒い服を着ていた玲は体中から汗が吹き出ているのを感じていた。
髪の毛は一つに結わいてはいるものの、前髪が汗で顔にくっついて
さらに不快感が増す。
「ったくもー。早く出てきなさいよっ!!」
なんで涼しくならないのよ!!と心の中で毒づいても、外には
クーラーなんてない。
玲は今、女社長の会社ビルの外にいる。
ビルのクーラーが効いた室内にいたいのはやまやまだが、
こんな真昼間から黒い服を着た、あきらかに学生といった少女
がうろうろしていれば通報されかねない。
いい加減この暑さで熱中症になってしまいそうだった。
「いつ出かけるとかわかんないし。長期戦になるかもなぁ…太陽と」
しばらくして動きがあった。
女社長の秘書が駐車場から車をもってきて、ビルの前に停めたのだ。
10分後。女社長がビルから出てきた。
相変わらずビシッとスーツを着込んでいる。
(この気温では随分と暑そうだが)
女社長は秘書と少し言葉を交わして、車の運転席に乗り込んだ。
「よし。追跡開始」
[55]猫:08/05(火) 17:20:40 HOST:05004012879384_md.ezweb.ne.jp
あげ
[56]涙香:08/10(日) 11:41:09 HOST:softbank219194038113.bbtec.net
猫さま あげありがとうございます!
ヘルメットを被り、バイクにまたがる。
いつものように車との距離をとって尾行を始めた。
随分と郊外へ来ているようだ。
周りは建物より樹木のほうが多くなってる気がする。
「どこまで行くのよ…」
停まる気配のない車はどんどん山の中へと進んでいく。
ここまで来ると尾行もなにもない。
どうせ一本道なのだ。かなりの距離をとっても見失うことはない。
逆を言えば見つかる可能性が高くなったのだが。
すると山の山頂付近に白い建物が見えた。
どうやらあの建物に向かっているようだ。
車が建物の下に停まり、女社長が門の中へと入っていく。
「うっわぁ…。いかにもって感じだね」
遠くから見るとただの白い建物だったが、近くで見るとあき
らかに怪しい。
3階建ての壁は真っ白。屋根からは煙突が何本も出ていて、
その中のいくつかは煙が出ている。
窓は数えるほどしかなく、ほとんどが黒いカーテンで閉められていた。
そして入り口には黒い鉄格子で出来た門がある。
門番はいないようだ。
「中に入るのは簡単そうだな。わざわざ正面から入ることもないし」
バイクを茂みの中へ隠し、荷物を担いで研究所の裏へと回った。
[57]涙香:08/13(水) 00:07:48 HOST:softbank219194038113.bbtec.net
黒いパーカーの下につけていたウエストポーチからすばやく
マイナスドライバーを取り出した。
カーテンの閉まっていない窓を確認し、コンコンと軽く窓を
叩く。
「んー。まあ大丈夫かな」
強化ガラスなどではないことを確かめてからマイナスドライバー
を窓のサッシにグッと刺し込み、捻る。
割れたガラスを取り外してそこから鍵を開けた。
いたってポピュラーな開け方だ。
「侵入は成功っと…。さて、ここからどうするか」
ぐるりと見回す限り、ここは薬品の倉庫のようだ。
棚には見たことがない薬品名のビンがずらりと並べられている。
天井には監視カメラなどは設置されていない。
それでも念のためにパーカーのフードは深く被っておく。
耳を澄ますと上や下でガヤガヤと人の動く音と声が聞こえる。
この研究所の中には結構の人がいるようだ。
すると数メートル先からこちらに向かってくる足音が聞こえた。
ヒールの特徴的な音で女性だということはわかった。
一瞬あせったが、すぐに名案を思いつく。
「なーんだ。手間が省けちゃったぁ」
ニヒッと笑う玲のお尻に悪魔の尾が生えたようだ。
[58]AIMI:08/13(水) 15:05:33 HOST:K180012.ppp.dion.ne.jp
楽しみにしてます♪
あげ↑↑
[59]涙香:08/20(水) 00:03:20 HOST:softbank219194038113.bbtec.net
AIMIさま あげありがとうございます^^
更新遅いですがよろしくお願いします!!
ガチャガチャと鍵の開く音と、ドアが静かに開けられる音が
静かな部屋に響く。
室内に入ってきたのはやはり女性だった。
眼鏡をかけ白衣を着ている。優等生という感じだ。
その女性は机に隠れている玲に気づかずに棚の薬品をいじり
始めた。
玲はそーっと机から顔をだし、腹ばいになって拳銃型の麻酔銃を
構える。
そして女性の腕を狙い引き金を引く。
バスッという音の後に女性は静かに倒れた。
「うわぁ。ちょっと大きかったかな」
女性から(強引に)拝借した洋服は玲にはちょっと大きかったようだ。
白衣の袖口から少し手が出るという格好。
「ぶかぶかのパジャマみたい」
一方女性は、起きても騒がれないように手足をきっちり縛り、
口をガムテープで塞いだあと部屋の隅にある埃をかぶった
大きいダンボールの中へと入れておいた。
さらに念のためにそのダンボールにもガムテープを貼っておく。
目が覚めたとき、きっと女性は自分の姿に驚くだろう。
(なにせ下着しか身に付けていないのだから)
ウエストポーチの中から元々数種類ストックしてあった顔の
パーツを女性に似せて自らの顔につけていく。
あとは上手く化粧をして眼鏡をかければほぼバレない。
女性の持ち物に鍵束があったため、出入りには苦労しなさそうだ。
「さあ、いこうかしら」
声を高めにして言葉遣いも少し丁寧に直す。
閉まっていたドアを再び静かに開けて、玲は研究所の内部へ
移動することにした。
[60]涙香:09/10(水) 12:55:36 HOST:softbank219194038113.bbtec.net
どうやら一番人がいるところは中央のようだ。
なぜか反響したような声がたくさん聞こえる。
とりあえずそこに行ってみることにした。
もしかしたら女社長がいるかもしれない。
中央に行く途中、白衣を着た何人かとすれ違ったがどうやら
バレてはいないようだ。
まあ、この女性を知らないだけかもしれないが。
コツ、コツっと履き慣れないヒールを鳴らし、ついた中央は
想像を超えるスケールだった。
「なに…これ」
中央は吹き抜けになっていて、一階から天井まで大きな穴が
開いたようになっている。
その穴を囲むように壁に沿って通路が螺旋状になっていた。
一階には沢山の白衣を着た研究員らしき人達が、機械の合間
をせわしなく動き回っているのが見える。
これでなぜ声が響いて聞こえたのかがわかった。
しかし玲が驚いたのはこれではない。
一階よりも下にものすごい数の声が聞こえる。
「ここはカモフラージュ。本体は地下…か」
ざっと見て女社長の姿や匂いは確認できない。
螺旋状の廊下は一階まで繋がっているようなので、はやる気持ちを
押さえてなるべく目立たないように進んだ。
[61]あみ:09/13(土) 21:15:49 HOST:ZO248122.ppp.dion.ne.jp
あげ
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