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翼を失くした天使
[1]亜朱:08/14(木) 15:40:36 HOST:dhcp26-228.ctb.ne.jp
どうも、初めまして(見かけたことのある人は、お久しぶりです)!
今回、【翼を失くした天使】を書かせてもらう亜朱といいます。
もし、間違いがあったときには遠慮をせずに、ご指摘願います(乱暴な言い方は、控えてください)。
では、なるべくわかりやすく話をまとめていきたいと思います!
小説を読むことはあっても、自分で書くことは初心者なので上手く書けるか心配ですが、よろしくお願いします!
[5]亜朱:08/15(金) 06:56:57 HOST:dhcp26-228.ctb.ne.jp
「きゃあっ!」
里実が後ろを振り返ると、翼のついた少女が駆け寄って来るところだった。
里実は、思わず悲鳴を上げる。
「な…なんなの、一体……。」
「こんにちは、人間さん。」
「わわっ…。これは、幻覚!?」
みずきは、パニックになって頬をつねっている里実を見ても、お構いなしというように元気良く言った。
「あたし、みずきっていうんだ。君は?」
「わ、私は、里実…。里に実るって書くの。」
ようやく落ち着いてきた里実に、みずきはにかっと笑顔で聞いた。
「里実かあ。いい名前だねっ!"里実"って呼んでもいい?」
「う、うん…。いいよ。」
里実は、びっくりしながらも、嬉しかった。
―呼び捨てで呼べるような人ができるなんて……。
「ありがとう!今日から、友達っ。」
―これは、夢じゃないよね?
里実は、また頬を思いきりつねってみた。同時に、つねった頬に激痛がはしる。
「痛っ…。」
「え、どうしたの!?里実!」
みずきは、頬をおさえる里実の顔を、心配そうにのぞき込んだ。
「あ…、腫れてるよ。赤くなってしまってる。」
どうやら、思いきりつねりすぎたらしい。自分で力加減ができなかった里実は、恥ずかしくなって顔をさらに赤くした。
「ちょっとごめんね。」
そっと腫れている頬を、包み込むようにして触るみずき。里実は、目をぎゅっとつぶるみずきを不思議そうに見た。
「……えっ!?」
だんだん痛みが治まり、腫れがひいていく。里実は、この状況を理解できなかった。
天使は、それぞれ特別な"力"を持っているのだ。みずきの持っている力は、癒しの力である。
「…もう、大丈夫―。」
―信じられない…。
しかし、身に感じたことも、本当にあったことなのだ。
「あ、ありがとう……。」
「このくらい、私には簡単なことだよ!」
省6
[6]亜朱:08/15(金) 15:39:56 HOST:dhcp26-228.ctb.ne.jp
「私は、人間さんの願いをかなえることが仕事の天使だよ!」
里実が聞くと、そう返事が返ってきた。
「ええ、天使……!?」
信じられないとでもいう風に、みずきを指さす。
「あっ、信用してないなあー!?」
みずきが腰に手を当て、頬をふくらませる。
「まあ、いいや。」
人差し指を立て、軽くウィンクをして言った。
「どうせ、いやでも信じることになるんだからねっ。」
里実は、混乱したまま聞く。
「天使って…さ、空……飛べるの?」
「うん、見せてあげるよ!」
そう言うと、地面をとんと蹴って、宙へ飛び上がる。
「う、うわあ…。すごい……!」
「…里実。」
ふっとやわらかく笑って、里実に手をのばした。
「一緒に、空を飛ぼうよ。」
里実は、戸惑いながらもそっと手をみずきのほうへのばした。
「いくよっ!」
ぐいっと力強く体を引き寄せる。
次の瞬間―。
里実は、みずきといっしょに空へと舞い上がった。
「きゃ……。」
きゅっとみずきの腕にすがりつく。そして、そーっと目を開け、下を見てみる。
「うわ、たかい…。」
「…そのまま、離さないようにね。」
その言葉を聞いて、里実はさっきよりも腕につかまる力を強くした。
―夢みたい……。
「夢じゃ、ないよね?」
「もちろんだよ!」
みずきが、明るく答える。思わず声に出していたことに気づき、里実は瞬時に顔が赤く染まる。
「あれ?酔っちゃったかな?」
くすくすと笑うみずきの声が、だんだん遠くなっていくような気がした。
―なんだか、眠い…。
里実は、知らずしらずのうちに、夢の中へと入っていった。
[7]亜朱:08/17(日) 06:11:06 HOST:dhcp26-228.ctb.ne.jp
「ん……俺は…。」
真っ暗な闇の中―。
重い体を起こし、呟く者がいた。
「一体、ここは…どこなんだ?」
その声は、少年のものだった。
少年は、辺りを見回した。しかし、見えるはずもない。
よろめきながら、一歩一歩、ゆっくりと足を踏み出す。
―体が、重い……。
意識が遠くなりそうなのを必死で抑えて、頭をかかえた。
ふらつく体を、ぐっと片手でおさえる。
「こ、これは……!」
少年は、肩に手をやった。
―翼が…消えている!?
少年は、顔をあげた。
―まさか……!!
「そう。そのまさかですよ、さとる。」
後ろから、透き通るような声がした。同時に、あふれるような光が、少年を包む。
さとると呼ばれた少年は、ぐるっと振り向いた。
「うわっ…。」
突然襲うまぶしい光に、思わずさとるは目を手でおおう。
「この天界の光をまぶしく感じるとは……。」
さとるは、懸命に光を見つめた。手の指の隙間からもれる光に、目をほそめる。
「て、天界の…光だって?」
時々顔をそむけながら、さとるが言った。
「まさか、俺は……に、人間に…。」
声を震わせながら、がくんと膝をつく。
「その通りです、さとる。」
信じられないという風に、さとるは目を見開く。
「そ、そんな…そんなこと……。」
「あなたは、残念ながら―。」
光から、あの透き通る声がする。少し間があく。
「人間の、夢や希望―そして願いを、叶えることができませんでした。」
さとるは、ぎゅっと目をつぶった。すう、と深呼吸をして、気持ちを落ち着かせる。
目を開ける。まだ、体は細かく震えている。
震えを抑え、彼はゆっくりと立ち上がった。
「お、俺は―。」
さとるは、振り絞るように切りだす。
「俺は、人間の…願いを叶えることが、できなかった……!!」
自分に言い聞かせるように、言う。
省43
[8]亜朱:08/18(月) 05:45:31 HOST:dhcp26-228.ctb.ne.jp
失敗です、間違いがありました!
7に
もう、さとるは光を見ることはできない。
とありますが、本当は
もう、さとるは天界の光を見ることはできない。
です。
あと、ものすごく重要なところを間違えてしまいました!天使という職業について、説明が書いてある3です。
天使は年に一度
ではなく、
天使は一ヶ月に一度
です。
本当にすみません。
ちなみに、天使は任務成功の後、一週間の休みがあります。
人間の願いをまだ叶えられていない天使は、本当はほかの天使が休んでいるその一週間の休みの日をつかって、ぎりぎりに人間の夢を叶えるというのも、ありみたいなんですね。
あとは、選ぶ人間は必ず自分とおなじ性別の人にすることが、決められています。
もし、人間に恋などをしてしまった場合は、天使によっては大変なことになってしまいますからね。
ちょっと説明してみました。
[9]亜朱:08/18(月) 06:12:13 HOST:dhcp26-228.ctb.ne.jp
すみません、まだ間違いがありました!
みずきが自分のことを、5では「あたし」となっていますが、6では「私」となっていました……。
正しくは、5の「あたし」です。
次からは間違いをなるべく減らしていきたいと思います!
「里実…、里実……。」
「う、うーん…。」
「里実っ……里実!!」
里実は、はっと目を開いた。
―何…?今のは、夢……?
「大丈夫?うなされてたよ。」
みずきが、心配そうに里実の顔をのぞきこむ。
体には、びっしょり汗をかいていた。
「あ…、みずき…。―うん、大丈夫。」
「そっか。よかった!」
みずきがにかっと笑った。里実もつられて、表情に笑顔がうかぶ。
「私、眠ってしまってたの……?」
「うん。どうやら、そうみたいだね!」
みずきが、またくすくすと笑う。
里実は、つぶやくようにみずきに言った。
「また、一緒に空を飛んでくれる…?」
「うん、もちろんだよ!」
また、口を開いていたことに気づき、あわてて口をおさえる。
「気に入ってくれて、嬉しいな。」
みずきが、本当に嬉しそうに笑った。
里実は、じーんとしていた。こんな会話は、親戚の大人達や、家族以外にしたことがない。
里実の目から、大粒の涙がこぼれおちた。
「えっ…、里実!?ごめん、あたし何か言った?」
あわてるみずきに、里実は首を振った。
「違うよ…。わ、私…、嬉しいんだ……。」
「里実……。」
里実は、手で涙をぬぐうと、無理に笑顔をつくった。
「ごめんね。泣いたのは、私の勝手だから。」
「う、うん…。」
おどおどしながらも、うなずく。
―人間って、みんなこうなのだろうか…?
みずきはそう考えて、すぐにそんな考えをなくすようにした。
「ところで……。」
みずきは、唐突にきりだした。
「里実の家って、どこにあるの?」
省24
[10]亜朱:08/19(火) 19:46:30 HOST:dhcp26-228.ctb.ne.jp
―気のせいだろうか。
里実は顔をあげ、公園をぐるっとみまわした。
いつも人がたくさんいるのに、今日はあまりいない。
「ねえ、みずき…。」
「ん?」
みずきが、「何?」と里実の眼を見つめた。
「あまり人がいないような気がするのは、気のせい?」
そして、空を見上げる。
「あ……。」
「どうやら、原因はこのせいみたいだね。」
みずきが立ち上がって、空に向かって指差す。
空はどんよりと曇っていた。今にも雨が降り出しそうだ。
「どこか、避難できるところはないかな?」
手を目の上にやり、きょろきょろと顔をめぐらせる。
里実も立ち上がり、みずきの肩にぽんと手をのせた。
「…私のうちに行こうか。」
そう口にしたとたん、みずきの眼がかがやいたのを、里実はしっかりと見ていた。
「人間さんの家って、どんな家なのかな?」
みずきはうっとりと言いながら、両手を絡ませて胸にあてた。
「うちは狭いけど、人間の暮らす家というのは、変わりないよね。」
「あ、そういえばっ!」
みずきがとつぜん叫んだので、里実は驚いて悲鳴を上げそうになった。慌てて、ぱかっと開いた口に手をやる。
「あのね、あたしは―。」
真剣な表情でみずきが話し始めたので、里実もつられて真剣な表情でみずきの話に耳をかたむける。
「あたしは、里実以外の人間には姿が見えないからね。」
「ええっ!!」
今度は、悲鳴を上げてしまう里実。
「そ、それって、今まで私は……。」
「そう、周りの人からは独り言を言っているように見えていたわけ。」
―そ、そんな……。
里実は、公園から人がいなくなっていたのは、空模様の他に、私のせいでもあるのかもしれない―と考えた。
「あ、でもね!」
みずきが、人差し指を立てて明るく言う。
里実は期待して、みずきの口に耳を近付けた。
省36
[11]亜朱:08/20(水) 12:18:44 HOST:dhcp26-228.ctb.ne.jp
「ただいまあー。」
玄関の戸を開け、中へ飛び込む。
里実は、深く息をはいた。
「あ…。今、お母さんいないんだよね。」
くつがないことを確認すると、里実は言った。
「それは、好都合だね。」
みずきが笑顔で言う。
里実は、自分のくつをていねいにそろえた。
「じゃあ、おじゃまします!」
勢いよくあがろうとするみずきを、里実がとめた。
「人間界では、くつをちゃんとぬいであがるのよ。」
みずきがはいているくつに視線を移す。
そして、「そうなんだあ。」言いながらくつに手をかけるみずきに聞いた。
「そのくつ、素敵ね。天使はみんな、そんなくつをはいているの?」
「いろんなくつがあるんだよ、地上界と同じでね。あたしは、このくつのほうが動きやすいから。」
みずきのはいているのは、サンダルのようなくつだ。
里実は、「へえ…。」と感心顔でつぶやいた。
「まあ、とりあえずあがって。」
くつをそろえると、みずきはまた勢いよくあがりこんだ。
「みずき、私の部屋へ行くよ。」
里実がリビングのソファーに早速腰掛けているみずきに声をかけた。
「えっ。里実の部屋があるの!?」
里実は興奮気味に聞くみずきに、「そうだよ。」とうなずいた。
「いいなあ、あたしの部屋はお兄さんと一緒だったから。」
「みずきって、お兄ちゃんいたんだ。」
「うん。」
階段に足をかけ、たったとのぼって行く里実を、じっと見つめていた。
―天界って、どんなところなんだろう?
[12]亜朱:08/20(水) 14:23:47 HOST:dhcp26-228.ctb.ne.jp
階段をあがっていっていると、みずきの歓声が聞こえた。
「わあーっ!」
「ど、どうしたの?」
廊下のさきには、二つの戸とその前に立ちすくむみずきがいた。
「すごい!里実って、二つも部屋をもっているの!?」
勝手に考えてはしゃぐみずきを見て、里実はため息をついた。
「…あのね、みずき。」
言いにくそうに切り出す。そんな里実を、みずきはきょとんと見つめる。
「二つのうち一つは、お兄ちゃんの部屋だよ。」
「……あ、そうなの?」
二人の間に、気まずい空気がながれた。
「里実って、お兄さんいたんだ!」
「あれ?言わなかったっけ。」
「うん、言ってないよ。」
また、気まずい空気がながれる。
「…とりあえず、中に入ろうか。」
里実がずいっとみずきと部屋の間にわりこみ、のぶに手をかける。
その様子を、嬉しそうにみずきが見る。
そして、戸が開き、部屋の中から光が差し込んだ。
「うわあーっ。」
再び歓声をあげるみずき。
「素敵な部屋だね!」
部屋に入り、改めて部屋を見まわす。
家具はぴんく色で統一されていて、いかにも女の子らしい部屋だ。
里実はソファーに腰掛け、みずきにもすすめる。
「片付いている部屋だね。」
感心したようにみずきが言うので、里実はもしかしてと思い、聞いてみた。
「みずきとみずきのお兄ちゃんの部屋は、ちゃんと整理されてなかったの?」
「う、うん…。」
みずきが頭をかく。里実は思わずくすりと笑った。
「だって、お兄さんが本で部屋をいっぱいにさせてるんだもん!」
「本?」
「うん。お兄さん、本が好きなんだよ。」
―へえ……。
里実は、みずきの家族のことについて知りたくなった。
「ねえ、みずき…。」
「ん?」
「キャンディ食べる?」
「うん!」
みずきは喜んで里実からキャンディを受け取った。
「いただきます!」
省8
[13]亜朱:08/20(水) 19:52:33 HOST:dhcp26-228.ctb.ne.jp
「ん、いいよ。」
口の中でキャンディをなめながらあっさり言うみずき。
―やった!
里実は心の中でガッツポーズをした。
「じゃあ、早速…。」
嬉しそうに質問を始める。
「家族は、何人いるの?」
そのときだった。一瞬だったが、みずきの表情が凍りついた。
里実は、聞いてはいけなかったかなと、不安になった。
「四人だったよ。」
「『だった』とは?」
里実はすこし聞きづらかったが、どうしても聞きたいと思ったのだ。
「うん…ちょっとね。」
「何があったの?」
知りたい―そんな気持ちが、里実の頭から離れなかった。
「あのね、天使は―。」
みずきはキャンディをなめ終わると、ためらいながらも話し始めた。
「天使はね、人間の願いを叶えることを任務としているの。一ヶ月という期限以内に叶えられた者は、任務成功。叶えることのできなかった者は―。」
ここまで話したとき、みずきはこぶしに力を入れた。その手が細かく震えていた。
「できなかった者は……?」
里実は話の続きを待つ。思わずごくりとのどをならした。
しかし、みずきは首を振るだけだった。
「わからない…どうなるのかは……。」
「………。」
二人の間に、気まずい雰囲気がながれた。
「お父さんが、任務に失敗した。今まで調子良く人間の願いを叶えてきたのに。あと一年、あの仕事を続けた後は、休みをいただくはずだったのに……。」
みずきが悔しそうに言った。
頬からは、涙がつたわる。
「みずき……。」
そう里実が言うのと同時に、ばたんと戸が開く音がした。
はっとして立ち上がる里実。
「お母さんが帰ってきたみたい。ちょっと、ごめんね!」
里実はそう言い残すと、「お帰りなさい!」と言いながら階段を下りて行った。
「………。」
みずきは涙を手でぬぐうと、立ち上がった。
省7
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